ごはんとマネーのおいしい関係

2018.12.19

#1 ニュージーランド×ラム肉のロースト

ニュージーランド産のラム肉を使用したローストの写真

世界のグルメからその国の経済をひもとく連載企画。1回目に取り上げる国は、南半球の島国ニュージーランド。のんびりとした自然に恵まれた国ですが、実は経済面では先進国で屈指の伸びしろを秘める国でもあります。紹介するグルメはニュージーランド産のラム肉を使用したロースト。さて、どんなおいしい関係があるのでしょうか?

人間の数より羊の数が多い酪農大国

ラム肉のローストは、ニュージーランドの人々もお気に入りのメニューの一つ。ラム肉といえば羊ですが、ニュージーランドは、人の数より羊の数のほうが多いと言われるほどの羊大国です。ニュージーランドでラムは輸出の主力品のひとつであり、世界各地で食べられています。また、低コレステロールのため、ダイエット食としても注目を集めています。
ニュージーランドは、羊に限らず、酪農が盛んです。国策として酪農品の輸出に力を入れてきた歴史があり、チーズとバターに関しては、輸出量世界一を誇っています。

乳製品価格とNZドルの奇妙な関係

ニュージーランドの主な輸出品は酪農製品25.2%、精肉類14.2%、木材・同製品10.3%で、酪農・牧畜、木材等の、天然資源および加工品のウエイトが高くなっています。
下のグラフは、NZドルと国際乳価格の推移ですが、両者が連動した動きになっていることがわかります。これは、乳製品がニュージーランドの主要な輸出品であるため、乳価格が為替に影響を与えると考えている投資家が多いためと考えられます。

国際乳価格とNZドル相場のグラフ(FactSetよりBdフルーレット作成)

乳製品を含む食品の輸出先としては、急速に食の欧米化の進む中国やASEANが主力となっており、今後も成長が期待できます。また、食品は、いつでも誰でも消費するというものであり、景気の変動の影響はそこまで高くないと考えられています。その結果、ニュージーランド経済を安定させている一因となっています。
ニュージーランドは、一人当たりの名目GDPでは日本を超えており、かつ経済成長率でみれば、先進国の中で屈指の高さを誇っています。

経済成長の要因は人口増 観光産業にも期待大

ニュージーランドの経済成長を語るうえで、避けて通れないのが移民政策です。ニュージーランドは早くから移民受け入れを表明しており、1986年の「移民政策総覧」には、移民の選出は、人種、国籍、民族、皮膚の色、性別、未婚既婚の別、宗教、倫理観にはよらず、個々人の才能のみを基準とする」と記されていて、人種多様化政策が打ち出されています。
そのため、ニュージーランドでは、人口が増え続ける傾向にあり、ニュージーランド最大の都市オークランドでは、住宅需要ならびに建設需要が増加しています。
また、海外からの観光客が安定的に増加している点も見逃せません。豊かな自然、美しい山と湖、雪山、温泉もあります。

ロトルアの間欠泉の写真

地熱地帯特有の環境に恵まれたロトルアには間欠泉も。世界有数の活発な地熱活動が見られます。

さらに、数多くの大作映画のロケ地としても活用されており、シネマ・ツーリズムで訪れる観光客も増加傾向にあり、2017年は331万人もの観光客が訪れました。これはニュージーランドの人口の約2/3に相当し、前年比で6%増加しています。
ニュージーランドの2017年度の実質GDP成長率は前年比2.7%増加しました。
さらに、TPP11(米国抜きのTPP)が、2018年12月30日に発効する運びとなっています。これにより、ニュージーランドにとっては、輸出促進につながり、さらなる貿易の拡大の可能性もあります。

預金金利も先進国でトップクラス

今度は通貨・ニュージーランドドルの特徴を見ていきましょう。実は、ニュージーランドの預金金利は、先進国の中でトップクラスです。
現在、先進国は日本やユーロなど、超低金利政策をとっているところがほとんど。日本の定期預金金利(1年)が、0.01%で「これでは、預けても仕方がない」と嘆いていると思いますが、実は、これは日本だけではなく、ユーロやスイスフランなどでも同じような水準です。

外貨預金金利(10万米ドル相当額未満の標準金利、1年の場合)

通貨 1年金利
ニュージーランドドル 0.85%
オーストラリアドル 0.70%
米ドル 0.60%
英ポンド 0.10%
ユーロ 0.01%
スイスフラン 0.01%
日本 0.01%

出所:三井住友銀行(2018年12月19日現在)

ニュージーランドはここ数年、政策金利を1.75%に据え置いており、金融緩和を続けてきましたが、他の先進国から見れば、米国と並んで非常に高い水準です。
上の表は、日本の銀行の外貨預金金利をまとめたものですが、ニュージーランドドルは、米ドルよりも高い金利になっています。もちろん、対円の為替は上下変動しますが、政策金利の高さや経済成長率を考えれば、中長期的の預け先の一つとなりうるでしょう。

まとめ

ニュージーランド×ラム肉のローストのおいしい関係ニュージーランドにとって、ラム肉を含む精肉や乳製品は主要な輸出品。食の欧米化がますます進むアジア諸国が主要な輸出先になっており、今後も成長が期待できそうです。また、移民の受け入れや観光産業も順調。経済が安定的に成長し、先進国の中では金利も高い、中長期の投資先としても魅力的な国のひとつです。

ニュージーランドグルメのおいしいレシピ

ラムチョップのハーブソテー
ポテトとトマトを添えて
ラムチョップのハーブソテーポテトとトマトを添えての写真

材料ラムチョップ 4本、小さめのジャガイモ 4〜5個、ミディトマト 2〜3個、塩 適量、こしょう 適量、オリーブオイル 適量、ミント、タイム 適宜

作り方1)ラムチョップを塩こしょう、タイムで30分以上マリネする。ジャガイモは皮付きのまま柔らかくなるまで茹で、半分に切る。トマトはヘタを取り半分に切る。

材料の写真

2)グリルパン(フライパン)にオリーブオイルを熱し、中弱火で片面2〜3分ずつラムを焼く。グリルパンの空いているところでジャガイモ、トマトも焼く。
※焼きあがったラムはアルミホイルに包んで2〜3分保温すると中まで程よく火が入ります。

3)皿にラム、ジャガイモ、トマトを盛 り、タイムとミントを飾る。
※ミントと一緒に食べるのがおすすめです。

※2018年12月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。