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ごはんとマネーのおいしい関係

2019.5.15

#4 インド×ミールス〜カレーと副菜の盛り合わせ〜

世界の経済を、ご当地グルメを通してひもとく連載企画。今回取り上げる国はインド。経済成長率7%台を誇る世界屈指の成長国であるインド。その原動力には、IT関連を中心とする優秀な人材の存在もあるといわれています。インドの食べ物といえば、カレーを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、今回紹介するグルメは、南インドの伝統的な料理の「ミールス」。複数のカレーや副菜・ライスとパパド(ヒヨコ豆など豆粉の生地をパリパリに薄く焼いたもの)などが同じお皿に載り、定食として食べられているミールスは、インドとどんなおいしい関係があるのでしょうか。

IT産業が発展する南インドで食べられている伝統料理、ミールス

インドといえば、雄大な自然や、タージマハールなどの壮大な寺院や遺跡を思い浮かべる人は多いでしょう。近年では、経済成長率が2017年7.2%、2018年7.1%と、高い成長国であるという点も見逃せません。
今回取り上げるミールス(カレーと副菜の盛り合わせ)は、インドの中でも、南インドの代表的な料理です。インドの国土はヨーロッパに匹敵する面積があり、人口は約13億5,000万人。地域ごとに固有の文化、言語、民族が存在し、経済面でも、地域によって多様なマーケットや産業があり、経済状況・文化状況を一概には言い表せません。
インド料理の代表であるカレーを例にとっても、北インドでは付け合わせがナンであるのに対し、南インドは米が中心です。ミールスは、南インドの食堂やレストランに行けば必ず出てくる、米を主食として複数のカレーや副菜を伴った定食のようなものです。北インドのカレーに比べて、スパイシーでヘルシー度が高いことから、最近日本でも専門店ができるなど、人気を集めています。
南インド地区は私たち日本人にとっては馴染みが薄いですが、実はインドのIT産業の中核地であり、「インドのシリコンバレー」と言われる都市、バンガロールがあります。バンガロールは、首都ニューデリーから飛行機で3時間弱、インドで第3の人口を誇る大都市です。そして、Googleやマイクロソフトをはじめ、世界各国のIT企業が開発拠点を置いている先端技術都市でもあります。

スタートアップ大国インド。ユニコーン企業数も世界第4位

ミールスを郷土料理とする南インド・バンガロールを見ると、インド経済の将来が見えてきます。バンガロールはもともと大学や研究機関が多く、インド中からIT技術者が集まる地域でした。2000年当初は、工賃の安さからアメリカをはじめ先進国からシステム開発の下請け業務などを担うことが多く、そこから徐々に発展していきました。しかし今や、先ほども紹介したような名だたるIT企業が世界中から集約し、一大開発拠点として注目を集めています。その開発内容はビッグデータ、AI、IoT、ブロックチェーンなど用いた、世界最先端をいくものばかりです。
バンガロールでは、こうした技術開発に関連したスタートアップ企業も数多く生まれ、インド人起業家の交流の場という役割も演じています。
また、「ユニコーン企業」と呼ばれる、未上場ながらも投資家などから高い評価を受け、評価額(上場企業の株式時価総額に相当する金額)が10億ドル(約1100億円)に達した急成長企業も登場してきています。
米調査会社CB Insightsが2019年1月に発表したデータによると、全世界のユニコーン企業は約300社。そのうちインド企業は13社で、アメリカ、中国、イギリスにつぎ、世界第4位の輩出国となっています。
インドの政治は多様性を認める民主主義制度をとっており、政治も現在は安定しています。クーデターなどの政治急変はなく、企業が活動する環境が落ち着いている国だからこそ、こうした企業が成長していけるという見方もできます。

2020年代の成長国インド

このように、将来を嘱望される企業が育ちつつあるインドは、国全体の名目GDPを見ても、2000年以降成長しています。

出所:IMF, World Economic Outlook Database, April 2019

実質経済成長率についても、2003年から15年間、リーマンショックのときをのぞいて、6%以上を維持しており、名目GDPもこの15年で5倍以上の規模に拡大しています。
その一番の源泉は、人口です。現在インドの人口は約13億5,000万人で、中国に次ぐ世界第2位ですが、インドはその年齢構成の半数以上が25歳以下だという点で、中国と大きく異なります。
国際連合のデータによると、インドの労働力人口(15~64歳)は、今後50年間に渡って10億人を上回る水準を維持すると予想されており、中国よりも長期の成長性が見込まれます

※「United Nations:World Population Prospects 2017」より

「World Population Prospects 2017」より作成

出所:IMF, World Economic Outlook Database, April 2019

IMFが発表している今後の実質経済成長率を見ても、2020年以降は、中国の成長率が5%台に落ちてしまうのに比べ、インドは7.7%と引き続き高い成長率を誇ると期待されています。
また、多様な言語が使われるインドでは、共通語として英語を話す人が多くいます。そのため、この英語の適用度が、外国企業がインドに進出する際の魅力になっています。さらに、逆にインド人が世界のビジネスシーンに進出しやすい土壌を形成し、さらなる経済発展につながる要因となっています。

まとめ

インド×ミールスのおいしい関係米やパパド、豆など、一つのお皿にさまざまな具材が乗るミールスは、多民族国家のインドの特徴を表しているともいえます。多民族国家ならではの多様性が、経済発展の原動力になっている面もあるでしょう。一説では、カレーに使われる刺激のあるスパイスが脳を活性化させ、長くIT産業の発展に一役買っているというという話も......。これからもインドの経済パワーから目が離せません。

インドグルメのおいしいレシピ

ケララチキンカレー

材料鶏もも肉600g、玉ねぎ1個、生姜2かけ、にんにく1かけ、青唐辛子3本、ミディトマト2〜3個、水250ml、ココナッツミルク200ml、塩小さじ1〜
A(ココナッツオイル大さじ3、マスタードシード小さじ1、カレーリーフ1枝)
B(コリアンダー大さじ1、パプリカ小さじ1、ターメリック小さじ1/2、カイエンヌペッパー小さじ1/3〜、パクチー適宜)

作り方1)鶏は一口大に切る。玉ねぎは薄切り、生姜、ニンニクはすりおろす。青唐辛子は小口に切る。トマトはざく切りにする。

2)鍋にAを入れて加熱し、マスタードシードが弾けてきたら蓋をし、落ち着いたら蓋を開けて中火にし玉ねぎを炒める。

3)玉ねぎの色が変わったらカレーリーフを加えさっと炒め、生姜、ニンニクを加え混ぜ合わせ、トマトを加え炒める。

4)トマトの形が崩れてきたらBを加えよく混ぜ、水、ココナッツミルク、鶏肉、塩を入れて20分ほど煮込む。塩で味を整える。食べるときにお好みでパクチーを添える。

※一度冷ますと味が馴染んで美味しいです。

※2019年5月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。