30代女子お金の本音 〜「老後が不安」な30代、今から始められることは〜
2022.11.30
高山先生
2022年「iDeCo」の改正は、段階的に行われています。改正ポイントは3つ。まず1つ目は、受取開始年齢の拡大です。2022年4月にすでに試行されています。
マイ
受け取り年齢は、60歳以上70歳までで選べる、ということでしたよね?
高山先生
はい。これまでは公的年金と同じく、60歳から70歳の間の好きなタイミングで受け取りが可能でした。この枠を、60歳から75歳までに拡大したのです。
アカネ
「iDeCo」の受け取りも、公的年金の受け取り年齢に合わせたんですね? でも、何がメリットになるんでしょうか? 公的年金の場合は、受給年齢を1ヵ月ずつ後ろ倒しにしたら、受給額が上がるというメリットがありますが……。
高山先生
確かに、そこは公的年金と異なる部分ですよね。でも、よく考えてみてください。「iDeCo」で投資信託を購入している場合、60歳まで積み立てたものを最大15年間運用し75歳で受け取れば、15年間の運用益が見込めますよね。
マイ
本当だ! これまでは10年しか据え置きできなかったものが、15年に伸びたってことは、追加で5年も運用できるんですもんね。
アカネ
30年積み立てた投資信託を運用するわけだから、それなりに大きな金額になるよね。今は企業に65歳までの雇用が義務付けられているし、今後は定年年齢も伸びるかもしれない。70代になっても元気でさえいれば、収入を得て運用し続けるのも夢じゃないかも。
リョウコ
人生100年時代だもんね。75歳でも、残り25年もあるんだし、資産は多いほうが安心できるわ。
高山先生
改正の2つ目は、加入年齢の拡大です。
マイ
加入年齢の拡大? 59歳までなら何歳でも「iDeCo」に加入できるんでしたよね? それが延びるんですか?
高山先生
加入年齢が、64歳までに拡大されたんです。
アカネ
ということは、60歳でも始められるということですか? しかも、64歳まで積み立ても続けられる。
高山先生
その通り。60歳以降も会社員・公務員として働き厚生年金を支払っている、あるいは60歳以降も任意加入※で国民年金を支払っていれば、60歳から64歳まで「iDeCo」に加入できるんです。条件を満たせば、すでに加入している人は、64歳まで積み立て続けられるようになったということです。
※任意加入制度とは、国民年金保険料納付済期間が40年に達していない場合、国民年金を満額もらうために60歳以降も加入継続できる制度。
リョウコ
月1万円の積み立て額なら、5年で60万円かぁ。会社員ができるMAX額の月23000円だとしても、5年で138万円。
アカネ
定年後に給料が少し減っても働き続けてさえいえれば、それくらいなら積み立ても続けられそうだね。非課税だし、受取の時も、控除枠が使えるし、運用したほうが得な気がする。
高山先生
改正3つ目は、2022年10月に施行されるルールです。企業型確定拠出年金と同時加入の条件が緩和されるんです。
マイ
え? それってどういうことでしょうか?
高山先生
実はこれまで、企業型確定拠出年金に入っている場合、勤め先の企業が規約で「iDeCo」との併用を認めているというのが前提条件だったんです。
アカネ
えー! じゃ、10月までは会社がダメといえば、使えなかったんですか?
高山先生
そうなんです。でも、今年10月からは、本人の意思だけで加入できるようになります。
リョウコ
このタイミングで知った私たち超ラッキーじゃない? 会社に許可をもらわなくても、自分たちがやりたければ活用できるんだもん。
アカネ
本当だね。これまで使えなかった会社員の人は多いんですか?
高山先生
これまで規約で認められていなかったために「iDeCo」に加入できなかった人は750万人もいるといわれています。この改正で、「iDeCo」に加入する人は増えるかもしれませんね。
まとめると、
となります。
マイ
知れば知るほど、楽しくなってきました。
リョウコ
知識がない時は不安ばかり募っていたけど、こうやってできることがあると知ると怖くなくなるよね。
高山先生
そうですね。お金の教育については後進国だった日本も、2022年からは高校で「金融教育」がスタートしました。きっとこれからは、お金について話をすることや、投資をすることもスタンダードなことになっていくでしょうね。
アカネ
私たちも置いて行かれないように、しっかり勉強しなきゃ。
高山先生
大事なのはお金を増やすこと自体を目的にしないこと。老後の豊かな暮らしのため? 人生の新しい挑戦のため? 自分は何のためにお金が必要なのか、よく考えて金融商品を上手に選びましょうね。
アカネ・マイ・リョウコ
はい!
アカネ
「iDeCo」のメリット・デメリットを知ったうえで、やっぱり挑戦してみようと思います。私たち、相談できる金融機関もあるしね。
マイ・リョウコ
そうだね。
アカネ・マイ・リョウコ
今日はありがとうございました。
※2022年11月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。
監修:高山 一恵
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