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人生のHow Much?~ライフイベントにかかる費用、教えます~

2019.10.2

#8 女性のライフイベントにかかるお金はいくら?


この先の人生で、まとまったお金が必要になるのはどんなタイミング? そして、いくら用意しておけば安心?

第8回は、女性に向けた特別編。結婚、出産、住宅購入などのイベントに、どれくらいのお金がかかるか、シミュレーションしました。あわせて、それぞれのイベントで活用できる公的な支援制度や、上手にお金を貯めるヒントもご紹介します。

結婚、子育て、老後の備え…費用はどれくらい必要?

ライフイベントについて考える女性
イラストレーション:Hama-House

30歳から87歳までにかかる平均支出額

約1億1,000万円

※単身世帯の生活費をベースに試算
出典:総務省「家計調査報告」単身世帯の消費支出の月平均額


当たり前かもしれませんが、この先いくらお金が必要になるか、その金額は人それぞれ大きく異なります。
参考までに、国が公表している平均支出・平均寿命から試算してみましょう。
総務省の「家計調査報告」によると、2018年の単身世帯における消費支出の月平均額は<162,833円>。これを1人当たりにかかる費用と設定して、平均寿命までにいくらかかるか計算します。

2017年の日本人女性の平均寿命は<87.26歳>でした。

例えば、現在30歳の人が87歳まで、単身世帯で生きるとすると

162,833×12ヵ月×57

111,377,772

1億1,000万円のお金を使う計算になります。

ただし、この金額はあくまで平均値。必要なお金は、それぞれのライフスタイルや働き方、収支などによって大きく異なります。

そこで、基本となる「生活費」に加え、人生のなかでもまとまったお金が必要となる「結婚式にかかる費用」「子どもの学費」「住宅の購入費用・賃貸にかかる費用」「老後の生活費」についてシミュレーションしました。

自分の現状や今後の希望に沿って、必要となりそうなイベントをセレクトし、費用の総額をざっくりとイメージしてみてください。

30歳から87歳までにかかる生活費:約9,600万円

※単身世帯の消費支出の月平均額より試算(住居費は除く)
出典:総務省「家計調査報告」単身世帯の消費支出の月平均額


大きなイベントはなくても、日々の暮らしには当然お金がかかります。1人当たりにかかる費用を総務省の「家計調査報告」の単身世帯の消費支出をもとに算出した場合、30歳の人が87歳まで57年間生活した場合の生活費は、約9,600万円。住居費は後述するので、ここには含めていません。

結婚式:約360万円

(夫婦で割ると1人当たり約180万円)
出典:ゼクシィ「結婚トレンド調査2018全国」


結婚情報誌「ゼクシィ」が調査した「結婚トレンド調査2018」によると、挙式、披露宴・披露パーティ総額は357.5万円。また、ご祝儀総額は232.8万円で、実際にカップルが負担した平均費用は142.8万円でした。

結婚式にかかる費用は、2012年から増加傾向にあるようです。

子どもの学費:約780万~2,300万円/1人当たり

(夫婦で割ると1人当たり約390万円~1,150万円)
出典:文部科学省「平成29年度学校基本調査」


子どもの学費は、公立、私立、進学する学部などによって、大きく異なります。文部科学省の「平成29年度学校基本調査」によると、大学・短大への進学率は57.3%。およそ10人に6人が、大学や短大へ進学していることから、大学進学まで想定してシミュレーションしました。
オール私立・
理系パターン

幼稚園~大学まで私立、
大学理系の場合
高等学校から
私立パターン

幼稚園~中学校まで公立、
高校私立・大学私立文系の場合
オール公立・
文系パターン

幼稚園~大学 すべて公立、
大学文系の場合
幼稚園 約144万円 約70万円 約70万円
小学校 約916万円 約193万円 約193万円
中学校 約398万円 約143万円 約143万円
高等学校 約312万円 約312万円 約135万円
大学 約530万円 約389万円 約242万円
合計 約2,300万円 約1,107万円 約783万円

オール私立・理系パターン
幼稚園~大学まで私立、大学理系の場合

幼稚園 約144万円
小学校 約916万円
中学校 約398万円
高等学校 約312万円
大学 約530万円
合計 約2,300万円

高等学校から私立パターン
幼稚園~中学校まで公立、高校私立・大学私立文系の場合

幼稚園 約70万円
小学校 約193万円
中学校 約143万円
高等学校 約312万円
大学 約389万円
合計 約1,107万円

オール公立・文系パターン
幼稚園~大学 すべて公立、大学文系の場合

幼稚園 約70万円
小学校 約193万円
中学校 約143万円
高等学校 約135万円
大学 約242万円
合計 約783万円

※教育費のシミュレーションは以下の資料を元に計算 ・文部科学省 「平成28年度 子供の学習費調査
・文部科学省「平成22年度国立大学の授業料、入学料及び検定料の調査結果について
・文部科学省「私立大学等の平成28年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
*幼稚園は3年保育として計算しています。
*施設設備費などは大学や学部によって異なるため、誤差があります。
*国立大学の施設設備費は計上していません。


もっとも費用がかからないのは、幼稚園から大学
(文系)まで、すべて公立に通った場合で約783万円。

もっとも費用がかかるのは、幼稚園〜大学(理系)まですべて私立に通った場合で約2,300万円程度となります(医学部・薬学部など除く)

当然ながら、子どもの人数が2人になれば2倍かかります。ただし、2020年度から、高等教育の無償化が実施される予定で、所得によっては上記のシミュレーションより学費は低く抑えられる可能性があります。

参考記事:Money VIVA「子どもの学費はいくら?


住宅を購入した場合:約3,600万円〜5,600万円

(夫婦で割ると1人当たり約1,800万円〜2,800万円)
※国交省住宅局 「平成28年度 住宅市場動向調査 報告書」の住宅購入資金(首都圏、中京圏、近畿圏)をもとに算出


住宅の価格は、立地や広さによって大きく異なります。購入する際は、将来のライフイベントやマネープランを考慮して、きちんとローンを返済できるか、余裕をもって慎重に考えましょう。ローンを組む場合は、できるだけ頭金を多く用意しておくと、利息を含む返済額が少なくなります。

住宅を購入した場合のシミュレーション

新築マンション

頭金 500万円
利息を含む返済額 4,875万円(毎月返済額13.6万円)
リフォーム資金 -
購入時にかかる諸費用※1 221.15万円
合計 約5,600万円
夫婦二人で割った場合 約2,800万円

新築分譲戸建て

頭金 500万円
利息を含む返済額 4,113万円(毎月返済額11.5万円)
リフォーム資金 -
購入時にかかる諸費用※1 304.8万円
合計 約4,900万円
夫婦二人で割った場合 約2,450万円

中古マンション

頭金 500万円
利息を含む返済額 2,679万円(毎月返済額7.5万円)
リフォーム資金 227万円※2
購入時にかかる諸費用※1 212.48万円
合計 約3,600万円
夫婦二人で割った場合 約1,800万円

※住宅購入費のシミュレーションは以下の資料を元に、頭金は500万円、住宅ローンは30年間かけて元利均等返済、金利は全期間固定の1.5%で計算。
・国交省住宅局 「平成28年度 住宅市場動向調査 報告書
※1 新築マンションは物件価格の5%、新築分譲戸建て・中古マンションは物件価格の8%と仮定して計算。
※2 戸建住宅も含むリフォーム平均資金。 国交省住宅局 「平成28年度 住宅市場動向調査 報告書

参考記事:Money VIVA「マイホーム購入費はいくら?

賃貸マンションに住んだ場合:約7,500万円〜1億5,800万円

(夫婦で割ると1人当たり約3,750万円~7,900万円)
※現在30歳の人が87歳まで、東京都世田谷区のマンションに住んだ場合を想定して算出(大手賃貸住宅仲介サイトの家賃相場より)


住宅購入と同様に、賃料も立地や広さによって大きく異なります。賃貸は住居費を一生支払い続けることになりますが、転職・転勤、あるいは家族構成の変化にあわせて、住み替えられることが大きなメリットです。修繕費用なども原則所有者が負担します。

賃貸マンションに住んだ場合のシミュレーション

1DK

家賃 10.93万円
合計 約7,500万円
夫婦二人で
割った場合
約3,700万円

2LDK

家賃 19.4万円
合計 約1億3,300万円
夫婦二人で
割った場合
約6,600万円

3LDK

家賃 23.13万円
合計 約1億5,800万円
夫婦二人で
割った場合
約7,900万円

※現在30歳の人が87歳まで、東京都世田谷区のマンションに住んだ場合を想定して算出(大手賃貸住宅仲介サイトの家賃相場より)


老後資金の準備額

会社員の場合:約 350 万円
自営業・フリーランスの場合:約2,830万円

※60歳でリタイア後87歳まで生活する場合


備えておくべき老後資金は、定年後の生活費(支出)と年金の受給額(収入)の差額を目安にするのが一般的です。年金の受給額が多ければ老後資金への備えは少なくてすみ、年金の受給額が少なければ多く準備することになります。

会社員であれば厚生年金や企業年金(企業によって異なります)が受け取れますが、自営業者・フリーランスは基本的に国民年金のみ。iDeCoや国民年金基金などに加入するなどして、自分で老後の資金を準備しておくのがおすすめです。

自分が受け取れる年金受給額については、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」で確認しましょう。

老後資金の準備額のシミュレーション

会社員の場合

国民年金(1年間) 77万9,300円
厚生年金(1年間) 112万4,700円
年金の受給額合計
(65歳から87歳まで22年間受給した場合)
4,190万円
定年の生活費合計
(60歳でリタイア後87歳まで生活した場合)
4,540万円
必要な老後資金 約350万円

自営業・フリーランスの場合

国民年金(1年間) 77万9,300円
厚生年金(1年間) -
年金の受給額合計
(65歳から87歳まで22年間受給した場合)
1,710万円
定年の生活費合計
(60歳でリタイア後87歳まで生活した場合)
4,540万円
必要な老後資金 約2,830万円

※会社員は、標準報酬月額36万円/月、38年間で会社員として勤務、ボーナスは3カ月分/年で試算(ボーナス含むと標準報酬額45万円)
※生活費は、総務省「家計調査報告」の消費支出(単身世帯)より住居費を引いたもの
参考記事:Money VIVA「退職金はいくらもらえる?

人生100年時代、女性が上手にお金と付き合うには?

人生100年時代と言われる今、どんなライフスタイルを選択したとしても、かつてより多くのお金が必要になることが予測できます。特に平均寿命が長い女性にとっては、先を見据えてキャリアを形成しながら上手にお金と付き合っていくことが大切です。

お金と上手に付き合うポイントは、「収入」と「支出」のバランスをとること。収入が多くても、それ以上にお金を使ってしまい困っている人や、反対にそれほど収入が多くなくても、たくさんの資産を持っている人もいます。大切なことは「収支」のバランスです。

家計簿アプリなどを使えば毎月の収支が簡単に記録できますので、ぜひチャレンジしてください。

また、余裕があれば月末に支出を確認しましょう。まとめて振り返ると、色々な発見があります。無駄遣いだと感じる支出があれば、翌月からはセーブしましょう。

「結婚の予定がある」「子どもの教育費を準備したい」など、将来大きな出費の予定がある人は、今からコツコツ貯金を始めましょう。上のシミュレーションの各イベントの金額から逆算して、毎月の貯金額を決めるのも良いですね。

貯金の方法は、収入を得た時点で貯金する「先取り貯金」がおすすめです。手元にお金があると、つい使ってしまうもの。半ば強制的に貯金する仕組みを作るのがポイントです。勤務先が「財形貯蓄」を導入している場合は、非課税の優遇が受けられるので利用しましょう。財形貯蓄がない場合は、銀行が提供している「自動積み立て口座」がおすすめです。

しばらく使う予定のないお金がある人は、無理のない範囲で資産運用をはじめるのも良いでしょう。投資は、時間のある人=若い人ほど有利な傾向にあります。

たとえば、毎月3万円ずつ積み立てて、年間の利回りが平均4%だった場合。運用益を元本に加える再投資型の運用をすると、30年後には約2,082万円になります。内訳は、積み立てたお金が約1,080万円で、運用益が約1,000万円。元本と同程度の運用益を得られる計算です。運用で得られた利益が更に運用されることで、利益が増幅していく「複利効果」は、投資期間が長いほど大きくなります。

上記の例では、税金を考慮していませんが(運用益に20.315%の税金がかかります)、実際に非課税で運用できる「NISA」や「つみたてNISA」といった制度があります。「つみたてNISA」は、運用益が非課税で、年間40万円を20年間積み立てることができます。一方の「NISA」は、年間120万円を5年間積み立てられる制度です。長期間の運用には「つみたてNISA」の方が向いています。

また、さまざまな公的支援制度も積極的に利用しましょう。ただし、公的な支援は、原則、自分から申請する必要があります。お金が必要なイベントが起こった際は、利用できる制度がないか、まずはインターネットなどで調べてみるのがおすすめです。

上手に活用したいお金の制度

出産のために休業するときは「出産手当金」

産前・産後の休業中、会社から給与が支給されないときに受け取れます。対象となる人は、会社に勤めており、1年以上、勤務先の健康保険に加入している人です。健康保健に加入していれば、正社員、契約社員、アルバイトなど雇用形態は問いません。

支給額は、それぞれの給与をもとにして算出され、おおむね休業前の給与の2/3程度が支給されます。受け取れる期間は、最大で出産日前42日と出産日後56日、あわせて98日間です。

子育てのために休業するときは「育児休業給付金」

育児のために休業し、会社から給与が支給されないときは「育児休業給付金」が受け取れます。
対象は、雇用保険に加入していて、育児休業開始前の2年間のうち、1ヵ月に11日以上働いた月が12ヵ月以上ある人。雇用形態は問いません。性別も問わず男性も対象です(両親が同時期に受け取ることも可能です)。

支給額は、育児休業中取得開始から180日までは休業前の給与の約67%、181日目以降は約50%が支給されます。期間は、母親の場合は56日後の産後休業終了後から、父親の場合は出産日から、子どもが1歳になる誕生日の前日まで。ただし、保育所に入れない、離婚、配偶者の死別などの理由があれば、最長2歳の誕生日の前日まで延長できます。
父親、母親の2人が育児休業を取得する場合は、子ども12ヵ月までの育児休業に対して、それぞれ最長1年間支給されます。

ケガや病気で収入が途絶えたら「傷病手当金」「休業補償給付」

病気やケガで4日以上仕事を休み、会社から十分なお給料が支払われないときに「傷病手当金」を受け取ることができます。支給額はお給料の2/3程度(標準報酬日額の2/3)。最長で16ヵ月間支給されます。
休業中、会社から給与を受け取っていても傷病手当金よりも少なければ、その差額分が支給されます。

仕事が原因、あるいは仕事中や通勤途中に病気やケガをして休業する場合は、労災保険から「休業補償給付」を受け取ることができます。支給額はお給料の8割程度。治療費も全額が労災保険から支払われます。業務遂行性と起因性を認められる必要がありますが、うつ病などの精神疾患も対象です。

失業して収入が途絶えたら「失業給付」

失業給付として「基本手当」が受け取れます。ただし「会社を辞める前の2年間に雇用保険に12ヵ月以上加入していること」「働く意思と能力があること」の条件を満たす必要あり。独立してフリーランスになる、専業主婦・夫になるなどの理由で会社を辞める場合は支給されません。

自分の楽しみのためにお金を使うのはもちろん大切ですが、将来の自分にお金を準備しておくことも大事。お金が全てではありませんが、経済的な余裕はあるにこしたことはありません。

毎月の収支を確認しながら、未来の自分のためにお金の準備をはじめましょう。備えあれば、この先のライフスタイルの選択肢が広がり、充実した日々を送れるはずです。

※ 2019年10月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

執筆:ファイナンシャルライター 瀧 健
『PRESIDENT Online』などの経済系Webメディアでも多数の執筆協力経験をもつ。ライフプランや資産運用の提案が得意。自らも株式・債券・投資信託などの運用を行っている。社会保障にも詳しい。


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「お金にとらわれず、自由で等身大に生きる」をコンセプトにした、金融ワカラナイ女子のためのコミュニティ。家計管理からFintech、経済まで幅広い金融を学び、みんなのリアルをシェアしている。現在メンバーは2,200人ほど。