<プランA> 週1で英会話やプログラミングを習得!

英会話教室で教える外国人教師

夢の金額

約10〜20万円

※英会話教室(週1回×1年間)か、プログラミングスクール(週1〜2回×半年間)に通う場合を想定

今、社会人やシニアがあらためて勉強し直す「学び直し」が注目されています。"人生100年時代"と言われる今、定年後の趣味や教養として、セカンドキャリア形成として取り組む人が多いようです。スキルが身に付けば、再就職やボランティア活動などに活かし、さらに充実した日々につながることも期待できます。

ソニー生命保険会社「シニアの生活意識調査2018」のデータによると、3人に1人が「学び直し」の意欲があるとのこと。
学び直し意向があるシニア(331名)に、今後どのようなことを学習したいか聞いたところ、1位「語学」(53.2%)、2位「歴史」(36.0%)、3位「パソコン・インターネット」(30.5%)、4位「音楽」(27.5%)、5位「健康」(20.2%)でした。

そこで、上の調査で人気があった「英会話教室(語学)」とセカンドキャリアを見据えたスキルが身につく「プログラミングスクール(パソコン・インターネット)」に、週1回程度通った場合のシミュレーションを行いました。

英会話教室・プログラミングスクールに通う場合の学費をシミュレーション

英会話教室
(週1回程度×1年間、グループレッスン想定)
約10万円〜※1
プログラミングスクール
(週1〜2回程度×半年間)
約20万円〜※2
  • 大手英会話教室の入学金、教材費、受講費を参考に算出(2019年7月時点)
  • 大手通学講座の受講料を参考に算出(2019年7月時点)
  • *2019年8月時点の目安価格であり、実際の価格とは異なる場合があります。

大手英会話教室の場合、週1回程度(月に3〜4回)のグループレッスン費用は、毎月約8,350円です。「もっと頻繁に通って習得したい...」という人は、週2回通った場合、概ね上記の2倍程度かかると考えてください。

また、マンツーマンのレッスンに年間60回(月に5回程)通うと、約38万。毎月約3,170円です。

一方、プログラミングスクールでは、内容別に受講回数が設定されていることが多く、大手の場合、週1〜2回受講すると約6ヵ月、週3〜4回受講すると約3ヵ月で修了します。月謝は36,000円(6ヵ月受講)〜72,000円(3ヵ月受講)かかることになります。

習い事のメリットは、スキル習得をできるのはもちろん、「同じ分野に興味をもつ人とコミュニケーションをとれること」もあります。同じ目標を持つ人たちとのコミュニティができれば、モチベーションも保ちやすいでしょう。

そして、英会話・プログラミングともに、インターネット上で受講できるサービスもあります。教室に通うよりも割安な場合が多いため、費用を抑えたい場合に利用するのも1つの手ですね。

<プランB>思い切って、大学・大学院で学び直し!

大学の授業風景

夢の金額

大学のシニアコース:1年間で約40万円〜

大学院:2年間で約145万円〜

近年、シニア用のコースを設ける大学が増えています。明治大学大学院の商学研究科では、2012年度入学からシニア入試(60歳以上の人が対象)を実施、立教大学では50歳以上を対象に1年制の「立教セカンドステージ大学」を創設し、12年目を迎えています。この他、4年制大学でも、シニア入試を実施しているころがあります。

社会人を対象にした学科・コースであれば、基本的に上記にような対象年齢の制限はありません。少子化で生徒数が減少していることもあり、今後、社会人やシニアに門戸を開く大学は増える可能性があります。

では、大学や大学院で学び直すにはどれくらいの費用がかかるのでしょう。一例をご紹介します。

大学・大学院に通う場合の学費をシミュレーション

明治大学大学院の商学研究科
シニア入試
(2年間通学)
約145万円〜※1
立教セカンドステージ大学
(1年間通学)
*終了後、専攻科(1年)に進学可能
約40万円〜※2
  • 2019年8月時点の目安価格であり、実際の学費とは異なる場合があります。
  • 明治大学大学院商学研究科のシニア入試では、現在修士課程のみ募集しています。
  • 立教セカンドステージ大学では、終了後に「履修証明書」が発行されます。

明治大学大学院・商学研究科の学費を月額換算すると、約52,000円です(入学金など除く)。この学科では、一般の大学院生と同じ条件で通学・履修する必要があり、月〜土の午後の時間帯に通学することになります。

一方、立教大学が50歳以上のシニアを対象に創設した「立教セカンドステージ大学」は月額約33,300円 (登録料100,000円+受講料300,000円=計400,000円/年 ※テキスト代など除く)。こちらは、月〜金の午後の時間帯に授業が行われています。

プランAの「習い事」と比べると、「大学・大学院への入学」は、まとまった費用と時間がかかりますが、図書館や研究施設なども大学設備を使えるほか、学会への参加など、最新の知識や情報を豊富に得ることも可能です。また、修了すれば修士号などの称号が取得できる場合もあり、より高度な学びを得た証になります。

学び続けることで定年後を豊かに!
人生設計に合わせた資産設計がカギ

定年後の学び直しは、基本的には、学生時代や社会人時代にかけて行うような、必要不可欠な学びではありません。新しい知識や考え方に触れ、豊かな毎日を過ごすということ自体が、目的の1つとなります。
誰かに強制されて学ぶわけではないので、自身でモチベーションを保つことが重要です。以下のようなポイントをふまえて、取り組んでみてはいかがでしょうか。

1.目標を決める

ざっくりでも構わないので、目標を決めましょう。
英会話であれば、「日常会話ができるようになる」「TOEIC700点を目指す」など。
プログラミングであれば「ウェブサイトを作る」「ゲームアプリを作る」など、学び直した後の自分を、具体的に想像しておきましょう。

2.進捗の記録をつける

時には、思うように学習が進まないときもあるかもしれません。そこでおすすめなのが、進捗の記録です。スケジュール帳などに記録をしておくことで、進んでいることを可視化・実感できます。

3.ネガティブな言葉に耳を貸さない

定年後に学び直すと言うと、周りの人から「いまさら遅い」「できない」といったネガティブな言葉をかけられることもあるようですが、時間をかけて努力すれば、目標は達成できることが多いでしょう。ネガティブな言葉にとらわれる必要はありません。

4.同じ目標を持つ人とコミュニケーションをとる

前述したように、学び直しをするメリットの1つに、同じ分野に興味をもつ人とコミュニケーションをとれることがあります。新しいコミュニティや行く場所ができれば、学ぶモチベーション維持にもつながるのではないでしょうか。

スキルを身に着ければ、セカンドキャリアにつながることもあるでしょう。現在、IT分野では人手が不足しています。プログラミングのスキルがあれば、再就職・転職が有利になる可能性も。簡単には難しいですが、フリーランスとして仕事を請け負うこともできるかもしれません。

そして、定年後の「学び直し」の選択肢を広げるためにも、気になっている分野があれば、今回ご紹介した以外にも実際にシミュレーションをしてみて、現役時代から資金計画を立てるのもおすすめです。

思うように貯蓄ができない場合は、まず支出を見直しましょう。特に毎月かかるような固定費は、年単位の支出を大きく減らすことにつながります。 例えば、余分な保険に加入していないか、電気・ガス・インターネット・スマホなど。自分に合ったプランを選んでいるか、無駄な出費はないかなどをチェックしてみてください。

支出の無駄を省いた分は、積立型の貯蓄や投資信託などを活用すると貯まりやすくなります。
「つみたてNISA」や「NISA」など、運用益が非課税になる税制優遇制度を活用して、資産運用を始めてみるのはどうでしょう。

いくつになっても夢をもって学び続けることは、人生を豊かにしてくれます。"人生100年時代"の定年後をどう描くか、現役時代から視野に入れてマネープランを立てておくことで、より充実した人生をおくれるのではないでしょうか。

  • 2019年8月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

ファイナンシャルライター 瀧 健

『PRESIDENT Online』などの経済系Webメディアでも多数の執筆協力経験をもつ。ライフプランや資産運用の提案が得意。自らも株式・債券・投資信託などの運用を行っている。社会保障にも詳しい。

企業型イデコ知らないと損? DC+iDeCo確定拠出年金制度が2022年10月に改正されました!

シリーズの記事一覧を見る

関連記事

NISA,つみたてNISA,投資信託,節税,退職後