iDeCoの疑問
2021.6.2 更新
iDeCo(イデコ)について調べていると、同じような制度である「NISA(ニーサ)」や「つみたてNISA」を知りました。3つの違いはどのような部分で、自分にとって良い制度はどれなのでしょうか?「どれ?」が口癖のどれみさんは、FP(ファイナンシャルプランナー)に教えてもらうことにしました。
「税制優遇が受けられる投資制度」を調べると、他に「NISA」や「つみたてNISA」という制度が見つかり、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も多いでしょう。
そこでまずは、それぞれの制度の違いを確認しておきましょう。
iDeCo、NISA、つみたてNISAの3つには、それぞれ以下のような違いがあります。
iDeCo、NISA、つみたてNISAには上記のように多くの違いがあります。共通点は「運用で増えた利益が非課税」という部分だけです。
一般的に、投資信託の売却益や株の配当金、定期預金の利息など、運用で増えた利益(運用益)には、20.315%(所得税(復興特別所得税含む)15.315%+住民税5%)の税金がかかります。
しかし、iDeCo、NISA、つみたてNISAを通じて購入した金融商品における運用益には、いずれも税金がかからないため、より効率的にお金を貯めていくことができます。
以下の図で、iDeCo、NISA、つみたてNISA、それぞれのメリット・デメリットを比較します。
iDeCoの最大のメリットは、運用益が非課税になるだけでなく、掛金を積み立てるときとお金を受け取るときに税金が安くなることです。
一方でNISAやつみたてNISAは、お金が必要になったらいつでも積み立てたお金を引き出せます。原則60歳になるまでお金を引き出せないiDeCoよりも換金性が高い制度です。
iDeCoのメリット・デメリットをより詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせて確認してください。
iDeCo(イデコ)のメリット・デメリットはなに? どんな人が得する?
ここまでiDeCo、NISA、つみたてNISAそれぞれのメリット・デメリットを解説しましたが、「どの制度が得なのか?」「どれが自分に向いているのか?」は、制度を利用する目的によって異なります。
ここでは、iDeCo、NISA、つみたてNISAのうち、自分に合う制度の選び方について解説します。
老後資金を確保するなら、iDeCoを選びましょう。所得控除などの節税効果を受けながら、長い期間をかけて老後資産を準備することができるからです。
iDeCoで積み立てたお金は、60歳になるまで引き出せません。しかし引き出せない仕組みがあるからこそ、貯蓄が苦手な方でも老後資金を貯めやすいと言えます。
積み立て投資ではなく、まとまったお金で一括投資をしたい方、個別の企業の株式に投資したい方は、NISAがおすすめです。iDeCoもつみたてNISAもコツコツ積立投資をするための制度です。また3つの制度で個別の株式に投資できるのはNISAだけです。
「株式に投資してみたい」という投資初心者の方や、「非課税枠を使って株式を効率よく運用したい」という投資経験者の方は、NISAを選ぶと良いでしょう。
老後を迎える前に、たとえば以下のような目的でお金を貯めたい方は、つみたてNISAがおすすめです。
●お子さんが大学に進学するための費用
●マイホームを購入するときの頭金
●定期的に海外旅行に行くための費用
このように、数百万円ほどの大きなお金を効率的に貯めたいときは、つみたてNISAを利用すると良いでしょう。
2016年以降、普通預金の金利は0.001%となりました。0.001%ということは、月1万円を20年間(合計240万円)積み立てた場合、20年でもらえる利息はわずか239円です。学資保険の返戻率も悪化し、18歳などの満期時に受け取るお金が、支払った掛金よりも低くなる事例も出ています。
月1万円を普通預金に預けた場合、5年後に約60万円、10年後に約120万円、15年後に約180万円です。
もし、つみたてNISAで月1万の掛金を投資信託に預け、年3%の利回りで運用できたとすると、5年後には約65万円、10年後には約140万円、15年後には約227万円になり、効率良くお金を貯めることができます。
以下のような方は、iDeCoとNISAの併用がおすすめです。
●老後資金を貯めつつ、10年内に使うお金も運用で貯めたい方
●一括投資や株式投資にも挑戦したい方
以下のような方は、iDeCoとつみたてNISAの併用がおすすめです。
●老後より前に必要なお金を効率的に貯めたい方
●iDeCoの限度額以上に老後資金を貯めたい方
iDeCoは、基本的に老後資金を積み立てるための制度です。一方でNISAやつみたてNISAは、老後よりも前に使うお金の準備手段として活用できます。
そのため、10年以内に使うお金を貯めたい方はNISAを、10年以上先に使うお金やiDeCoに上乗せして老後資金を積み立てたい方はつみたてNISAを併用すると良いでしょう。
iDeCoとNISA、つみたてNISAを併用する場合は、銀行や証券会社などの金融機関で、それぞれの口座を開く必要があります。同じ金融機関でiDeCoとNISAに加入するとしても、基本的に申し込み手続きは別々に行なう必要があるため、それぞれ別の金融機関で口座を開くという選択肢もあります。また、既に預金口座を持っている金融機関だとしても、別途iDeCoやNISA専用の口座を開く必要があるため注意しましょう。
iDeCoの金融機関の選び方は、こちらの記事で詳しく説明しています。
iDeCo(イデコ)でおすすめの商品・金融機関はどれ? 具体的な選び方を解説
口座の開設手続きは、NISAやつみたてNISAの方が簡単です。Web上で必要項目を入力し、本人確認書類のデータをアップロードするだけで口座を開くことができます。
一方でiDeCoの加入申込書の記入は基本的に手書きのみで、書類を金融機関に返送してから口座の開設まで1〜2ヶ月の期間が必要です。また公務員や会社員の方がiDeCoの口座を開く場合、勤務先に記入してもらわなければならない書類もあるため、少し手間と時間がかかります。
書面での手続きが一般的ですが、一部の金融機関ではWEBで完結させることも可能です。
たとえば、三井住友銀行であれば
①メールアドレスを登録
②メールが届いたら申込情報を入力
③手続き完了の通知を受け取る
という3ステップで、WEB上で簡単に申込手続きが完結できます。
詳しくは以下の関連サイトをご確認ください。
個人型確定拠出年金「iDeCo」:三井住友銀行
※この記事は2020年10月21日に公開した内容を、2021年6月2日に更新して掲載しています。今後、変更されることもありますのでご留意ください。
おすすめ記事
本サイトの掲載情報は、各記事の掲載時点で当行が信頼できると判断した情報源をもとに作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当行は保証を行っておりません。