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2020.2.19

#8 iDeCo(イデコ)は途中で解約できない? 解約できる条件を解説

iDeCo(イデコ)は途中で解約できない? 解約できる条件を解説
iDeCo(イデコ)は途中で解約できないというのは本当でしょうか?「どういうこと?」が口癖のことこさんは、FP(ファイナンシャルプランナー)に教えてもらうことにしました。

iDeCoは原則、途中解約できない

iDeCoは途中解約できない?
iDeCoは原則、途中解約できませんが、どうしてなのでしょうか。iDeCoの制度概要を確認することで、その理由がわかります。

・iDeCoは「老後資金」をつくるための制度

iDeCoは、自分で60歳以降の老後資金をつくる「私的年金制度」です。
毎月一定額を積み立てながら投資信託や保険商品の運用を行う制度で、原則60歳まで掛金の支払いと運用が続き、60歳以降に受け取ります。たとえば支払いが苦しくなったとき、掛金の減額や支払いの停止はできますが、原則、途中解約は認められていません。

iDeCoの制度について、詳しくはこちらの記事で説明しています。

【関連記事】iDeCo(イデコ)ってなに? ~基本をイラストで理解しよう~


iDeCoで運用したお金は、原則60歳からの受け取りですが、加入期間によって受取可能年齢が異なります。
iDeCoの加入期間別の受取可能年齢
積み立てている途中で、「一時的にお金を引き出したい」「解約してまとまったお金を受け取りたい」と思っても、受取可能年齢になるまでは引き出せません。
iDeCoで積み立てるお金は一時的に使うものではなく、あくまで老後のために使うお金なのです。

例外的に解約できる3つのケース

iDeCoを解約できる3つのケース
iDeCoは、どんな理由であっても絶対に解約できないというわけではありません。
ここでは、例外として解約できる3つのケースを紹介します。

・死亡や高度障がいなど、やむを得ない場合に解約できる

解約できる3つのケースとは、

1. 加入者が死亡し、積み立てたお金を「死亡一時金」として受け取るケース
2. 加入者が高度障がい者になり、積み立てたお金を「障害給付金」として受け取るケース
3. 加入者が一定の条件を満たし、積み立てたお金を「脱退一時金」として受け取るケース

です。

1と2は、基本的には想定できない事象により、やむをえず解約となるケースです。3は、一定の条件をすべて満たせば解約できるのですが、その条件はとても厳しいものです。

3にある一定の条件とは、以下5つです。

【脱退一時金を受け取るための条件】
●自営業者など(国民年金の第1号被保険者)で、保険料免除者であること
●障がい給付金の受給者ではないこと
●iDeCoの掛金支払い期間の通算が1ヵ月以上3年以下、または積み立てたお金(個人別管理資産)が25万円以下であること
●iDeCoまたは企業型DCの加入資格を喪失した日から2年以内であること
●企業型DCから脱退一時金の支給を受けていないこと
保険料免除者とは、生活保護、申請免除、学生納付特例、若年者納付猶予などにより、国民年金保険料の納付が免除されている方のことです。

上記の条件をすべて満たす必要があるため、脱退するのは、非常に難しいことなのです。

月々の掛金が支払えないときは?

iDeCoの掛金の支払いが厳しくなったら?
iDeCoは、原則60歳まで途中解約できません。では、掛金の支払いが厳しくなったときにはどうすれば良いのでしょうか。2つの方法を紹介します。

・掛金が支払えないときは、減額か支払い停止を

掛金の支払いが厳しくなったときの対処法は、

●掛金を減額する
●掛金の支払いを停止して、それまで積み立てたお金の運用のみを続ける

という2つがあります。

減額は、加入している金融機関に「加入者掛金額変更届」を提出すれば可能です。
最低金額は月5,000円で、1,000円刻みでの設定が可能です。ただし、1年に1回しか変更できないことに注意しましょう。

支払い停止は、加入している金融機関に「加入者資格喪失届」を提出すれば可能です。
支払いを停止したあとは、それまで積み立ててきたお金の運用のみを続けることになりますが、運用指図者として手数料が毎月66円必要です。

なお、支払いを停止するとiDeCoのメリットである所得控除が受けられなくなるほか、支払い再開時には、もう一度加入申し込み手続きが必要です。そのため、減額と比べると、手数料だけ毎月差し引かれる上、税制メリットがない状態になるため、安易におすすめできません。

停止の場合はよく考えてから手続きをして、再開できる経済状態になったらすぐに再開しましょう。

日々の生活を圧迫しない掛金設定をしよう

iDeCoの掛金は無理のない範囲で
iDeCoは老後の生活を支える大切な資金源ですが、老後のために「今の生活が苦しくなる」のでは本末転倒ですよね。

掛金を設定するときは、いきなり上限いっぱいにするのではなく、生活に影響しない範囲で何よりも「長く続けること」を優先しましょう。

長く続けたほうが良い理由は、iDeCoの節税効果と、長期運用によるリスクの分散効果です。

iDeCoは掛金を支払うことで所得税や住民税が安くなるほか、運用による利益(運用益)がすべて非課税になるという税制優遇があります。
つまり、長く続ければ続けるほど、節税効果が大きく効いてくる制度なのです。

また、iDeCoで選べる商品は長期運用になるほど運用益が大きくなる可能性があります。投資信託は元本変動型商品ですが、毎月コツコツと掛金を支払うことで時間分散の効果が働き、リスクを抑えた運用が可能です。

iDeCoに加入する目的は、老後資金の積み立てだけではなく、節税も含まれることがあります。どんな目的であっても長期運用を念頭におき、無理のない掛金を設定するようにしてください。

まとめ

iDeCoは原則、途中解約ができず、60歳までお金を引き出せません。例外的に解約できるケースはあるものの条件は厳く、解約するのはかなり難しいと考えておくほうが良いでしょう。

もし掛金を支払っている途中で掛金の支払いが厳しくなれば、減額や停止という方法があります。困ったときにはこのような措置をうまく利用し、できるだけ長く運用を続けるようにしましょう。

iDeCoの魅力は、簡単に解約できないからこそ、老後資金を強制的に貯められる点にあります。また、長期運用すればするほど運用益や節税額が大きくなる可能性が高く、時間分散によりリスクを抑えた運用が可能です。

「老後資金には不安がある」「貯蓄は苦手」という方こそ、解約できない点を逆手に取り、iDeCoを活用してみてはいかがでしょうか。

※この記事は2019年12月時点の情報を基に作成しています。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

執筆:服部 椿(はっとり つばき)
ファイナンシャル・プランナー。金融代理店での勤務経験と、自身の投資経験を活かしたマネーコラムを多数執筆中。子育て中のママFPでもあるため、子育て世帯向けの資産形成、ライフプラン相談が得意。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。
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