iDeCoの疑問

2021.6.30

#14 確定拠出年金「個人型」(iDeCo)と「企業型」(企業型DC)の違いは? 併用できる?

確定拠出年金「個人型」(iDeCo)と「企業型」(企業型DC)の違いは? 併用できる?

iDeCo(イデコ)は「個人型」確定拠出年金のことですが、「企業型」の確定拠出年金もあります。「個人型」と「企業型」は何が違うのでしょうか。会社員のどれみさんは、FP(ファイナンシャルプランナー)に教えてもらうことにしました。

確定拠出年金の「企業型」とは?

企業型DCってどんなもの?
掛金を拠出し、加入者自らが資産を運用して年金(運用益)を受け取る確定拠出年金には、「個人型」と「企業型」の2種類があります。

個人型確定拠出年金、通称「iDeCo」は、加入者自身が毎月一定の掛金を積み立て、60歳まで運用する制度のことです。

60歳以降に受け取る年金額は、運用商品の選択や掛金の配分によって異なる運用成果で決まる仕組みになっています(iDeCoは2022年10月に改正を控えており、改正後は最大65歳になるまで加入可能年齢と運用期間が延長されます)。

iDeCoについて、くわしくはこちらの記事で解説しているのでぜひご覧ください。

iDeCo(イデコ)ってなに? ~基本をイラストで理解しよう~

一方、企業型確定拠出年金は、毎月一定の掛金を企業が積み立て、加入者(従業員)が運用する企業年金制度のことです。

iDeCoに対して「企業型DC」とも呼ばれており、掛金の積み立ては企業(事業主)が行いますが、運用の責任は加入者が負う仕組みになっています。

iDeCoと同様、最終的に受け取る年金(給付額)は運用成果によって増減するので、加入者は複数ある商品の中から自分に合ったものを選んだり、どの商品にどれだけ掛金を配分するかを決定したりして、資産を増やすための運用を行います。

積み立てられるのは60歳までで、原則60歳以降に運用してきた資産を一時金または年金として受け取ることができます。

くわしい内容については、次に掲載する比較表をもとに解説します。

確定拠出年金の「個人型」と「企業型」の違い

iDeCoと企業型DCの違いは?
iDeCoと企業型DCは、どちらも老後の資産づくりに活用できる年金制度ですが、掛金の負担者に違いがあります。
iDeCoは掛金を自分で出しますが、企業型DCは勤め先の企業が掛金を出します。

iDeCoと企業型DCの違いや共通点について、わかりやすく以下の比較表にまとめました。
iDeCoと企業型DCの比較表
以上のように、iDeCoと企業型DCでは、掛金の運用を加入者自身が行う点や、年金資産を一時金受取または年金受取から選択できる点は共通していますが、加入対象者や手続き方法、拠出限度額など、さまざまな違いがあります。

特に会社員の方は、その他の年金制度(確定給付企業年金や厚生年金基金)に加入しているかどうかによって掛金の限度額が大きく異なりますので、現在の自分の年金加入状況をあらかじめチェックしておく必要があります。
会社員のiDeCo掛金上限等ついてはこちらの記事でもくわしく解説しています。

会社員のiDeCo(イデコ)活用法! 加入条件や上限額、メリットは?

企業型DCの場合、掛金の管理を自分で行う必要はありませんが、運用自体は加入者自身が行いますので、商品の選択や掛金の配分(どこにどのくらい積み立てるか)をしっかり考える必要があることを覚えておきましょう。

確定拠出年金の「個人型」と「企業型」は併用できる?

iDeCoと企業型DCは併用できないの?
確定拠出年金がスタートした2001年当初は、iDeCoと企業型DCの併用は認められていませんでした。

しかし、2017年1月の法改正により、一定の要件をクリアした場合はiDeCoと企業型DCを併用できるようになりました。

確定拠出年金の「個人型」と「企業型」の併用条件

iDeCoと企業型DCの併用が認められる要件は以下の通りです。
iDeCoと企業型DCの併用が認められる要件
①勤め先が企業型DCに加入していること
②勤め先が企業型DCとiDeCoの併用を認めていること
③②の場合でマッチング拠出を導入していないこと

マッチング拠出とは、加入者が任意で企業型DCの掛金に上乗せすることです。
マッチング拠出で加入者が上乗せした掛金は、全額所得控除の対象となり、所得税・住民税の支払いが軽減されます。
マッチング拠出の概要
上の図のように、加入者が拠出した掛金は全額所得控除されますので、節税しながら老後資金づくりに励めるところが特徴です。マッチング拠出を行う場合、法令で決められた限度額を超えて月々のお金を積み立てることができないこと、加入者の掛金は会社の掛金以下にしなければならない点は注意しましょう。

確定拠出年金の「企業型」、ポイントは?

企業型DCに加入する際のポイントは?
企業型DCは掛金こそ企業が負担するものの、運用そのものは加入者に一任されます。

転職などで勤め先が変わった場合は、新しい勤め先の企業型DCに資産を持ち越すことが可能です。

ただ、転職先に企業型DCがない場合は、積み立てた資産を個人型に移換する必要があります。転職・退職の際のiDeCoの手続きに関しては、こちらの記事でくわしく解説しています。

転職・退職時には、iDeCo(確定拠出年金)の手続きを忘れずに!

企業型DCからiDeCoに資産を移換するには、所定の手続きが必要ですので、転職先に企業型DCがあるかどうか事前にチェックしておきましょう。

なお、2022年10月より法改正によって、企業型DCとiDeCoの同時加入要件が緩和されます。法改正の詳細については、こちらの記事でくわしく解説しています。

法改正で変わるiDeCo(イデコ)! 2022年から何がどう変わる?

まとめ

企業型DCは、iDeCoとは異なり、企業が掛金や運用の費用を負担するところが特徴です。

ただ、運用そのものはiDeCo同様、加入者自身が行いますので、運用商品の選択や掛金の配分は自分で工夫する必要があります。

また、企業型DCに加入していても、一定要件を満たしていればiDeCoとの併用が可能です。

現行では企業型DCとiDeCoの併用には複数の制限がありますが、2022年10月1日施行の改正で、企業型DC加入者のiDeCo加入要件が緩和されるため、会社員でもiDeCoに加入しやすくなります。

これまで企業型DCとの併用を諦めていた会社員の方でも、iDeCoに加入できる可能性が高くなりますので、2つの確定型拠出年金の併用を再検討してみてはいかがでしょうか。

iDeCoに加入するメリットや注意点について、くわしくはこちらの記事で解説しています。

iDeCo(イデコ)のメリット・デメリットはなに? どんな人が得する?

※ 2021年6月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

執筆:金子 賢司
個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務めるファイナンシャルプランナー。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。CFP、日本FP協会幹事。

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