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iDeCoの疑問

2021.6.30

#15 法改正で変わるiDeCo(イデコ)! 2022年から何がどう変わる?

法改正で変わるiDeCo(イデコ)! 2022年から何がどう変わる?

2022年からiDeCo(イデコ)の制度が改正されますが、いったい何が変わるのでしょうか。会社員のどれみさんは、FP(ファイナンシャルプランナー)に教えてもらうことにしました。

iDeCoは2022年から変わる!

2022年の改正でiDeCoはどう変わるの?
老後の資産形成に活用できるiDeCoは、2020年6月5日に公布された「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」によって、2022年から制度が改正されます。

iDeCoの法改正はこれが初めてではなく、2016年6月3日に公布された確定拠出年金法の改正では、第3号被保険者(専業主婦・主夫)や企業年金加入者の加入が可能となっています。

2022年の改正は、より多くの方が、より柔軟にiDeCoを活用して老後のための資産形成ができるようにという国の意向を踏まえ、以下のように見直されています。
iDeCo改正の概要
以下では、2022年に施行されるiDeCoの改正内容について、くわしく解説します。

iDeCoの改正内容
1. 64歳まで加入できるようになる(加入可能年齢の拡大)

2022年のiDeCo改正で加入年齢はどう変わるの?
現行制度では、iDeCoに加入できるのは60歳未満の方に限定されていますが、2022年5月1日からは加入対象年齢が65歳未満まで拡大されます。
企業型の確定拠出年金(企業型DC)も、現行では65歳未満の方しか加入できませんが、改正後は70歳未満に拡大されます。

働き方が多様化し、60歳以降も会社員や公務員として働く方が増えてきたため、かねてより加入可能年齢の拡大が求められてきましたが、2022年の改正によって実現されることになりました。

公務員や会社員以外の方(第1号および第3号被保険者)は、60歳以降も国民年金に任意加入することで、64歳までiDeCoに加入できるようになります。

ただし、すでにiDeCoまたは企業型DCの年金を受給している場合は、改正後の加入要件を満たしていても、iDeCoおよび企業型DCに再加入することはできません。

同様に、公的年金を65歳前に繰り上げ請求した方についても、iDeCoおよび企業型DCに加入することはできませんので注意が必要です。

iDeCoの改正内容
2. 会社員が入りやすくなる(企業型DCとの同時加入要件の緩和)

iDeCoの改正で企業型DCとの併用に変化はあるの?
2021年4月現在も、企業型DCとiDeCoの同時加入は可能ですが、勤め先が規約で企業型DCとiDeCoの併用を認めていることが前提条件となっているので、実際に併用できる人はごく一部にとどまっています。

しかし、2022年10月1日からは、加入者本人の意思だけでiDeCoに加入することが可能となります。

企業の規約に制限されない分、企業型DCに加入している会社員でも個人でiDeCoを利用しやすくなるのです。

また、手続き面でもiDeCoに加入しやすくなります。現状では、会社員がiDeCoに加入するために、企業型DCに加入している・いないに関わらず事業主証明書の提出が必要です。

所定の用紙を事業主に記載してもらい、提出するのは手間がかかりますが、2022年の改正後は事業主証明書の提出が不要になります。

ただし、企業型DCとiDeCoの併用にあたり、「マッチング拠出(企業型DCで加入者が掛金を上乗せすること)を利用していないこと」という条件は改正後も引き続き有効です。

マッチング拠出を利用するかどうかは任意で選択できますので、企業型DCとiDeCoの併用を検討しているのであれば、マッチング拠出の利用は避けましょう。
マッチング拠出と、iDeCoと企業型DCの同時加入を比較すると、会社掛金が低い場合はiDeCo併用の方が多く拠出可能です。

iDeCoの改正内容
3. 受取開始年齢は60歳~75歳まで選べる(受取開始可能年齢の拡大)

2022年のiDeCo改正後、何歳から受け取れるようになるの?
2021年4月現在は、iDeCoの受取開始年齢は60歳~70歳までの間で選ぶ決まりになっています。

しかし、2022年4月からは、受取開始年齢の上限が5歳延び、60歳~75歳の間で選べるようになります。

どのタイミングで受け取るかは個人のライフスタイルや将来設計によって異なります。公的年金の受給タイミングや受給額と合わせて考えることが大切です。

2021年4月現在、公的年金は65歳を基準に、最大60歳まで繰り上げ受給するか、最大70歳まで繰り下げ受給するかを選ぶことができます。

例えば、60歳0ヶ月から繰り上げ受給すると、受給額が30%減額されますが、逆に70歳0ヶ月から繰り下げ受給すると、42%増額されます。

なお、iDeCoの改正と同時期に、公的年金の受給開始年齢の上限も70歳から75歳まで引き上げられます。
公的年金の受給開始年齢を75歳から繰り下げ受給した場合、65歳受給時に比べて84%増額した年金を、一生涯にわたって受給することができます。

iDeCoを年金として受け取れる期間は最長20年です。退職後、まずはiDeCoを年金として受け取り、できるだけ公的年金の受給開始年齢を繰り下げて増額率をアップさせることで、一生涯にわたって安定した収入を確保しやすくなるでしょう。

なお、iDeCoの受給方法は年金と一時金のいずれかを選べますが、受給の上限年齢(現行は70歳、改正後は75歳)になると年金での受け取りができなくなってしまうので要注意です。

iDeCoの改正は会社員にどんなメリットがある?

2022年の改正による会社員のメリットは?
2021年4月時点のiDeCoは、企業型DCとの併用に一定の制限があるため、企業型DCに加入している会社員は自分の意思のみでiDeCoに加入することができません。

しかし、2022年の改正によって本人の意思のみでiDeCoに加入できるようになると、企業型DCに加え、iDeCoでも老後のための資金形成を行えるようになります。

これまでiDeCoに加入できなかった会社員が、iDeCoの節税効果を得ながら老後資金準備ができるようになる点が、2022年の改正の一番のメリットといえるでしょう。

まとめ

iDeCoは、より多くの人が積極的に老後のための資産形成ができるようにという国からの意向をもとに、2022年に内容が大きく改正されます。

加入年齢や受取開始年齢の拡大、企業型DCとの併用要件の緩和などにより、加入者の多様なニーズに対応できる制度となります。

これまで企業型DCとの兼ね合いでiDeCoの利用を諦めていた方も、2022年の改正後は併用しやすくなりますので、これを機に老後のための資産形成の方法を見直してみることをおすすめします。

※ 2021年6月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

執筆:金子 賢司
個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務めるファイナンシャルプランナー。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。CFP、日本FP協会幹事。
https://fp-kane.com/

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