見る。考える。資産運用
2018.2.28
実際に投資を実行した後は、年1回程度、資産配分(投資内容)の見直しをする方法があります。健康診断を受けて要検査項目が見つかるときのように、投資内容も検査項目が見つかることがあるからです。
ファンドの投資対象となっている金融商品は、商品ごとに異なる値動きをしています。プラスのほうに大きく値が動けば、ポートフォリオの中の相対的な割合が大きくなり、当初考えたポートフォリオのバランスが崩れてしまいます。このようなバランスが崩れた状態が見つかったら、「リバランス」といって資産配分の見直しが必要になります。
例えばある時点で、株式と債券を半分ずつ持っていたとしても、株が上昇すれば株式の比率は高まります。逆に株が下落すると、株式の比率が低くなり、バランスが崩れてしまいます。これを元に戻すのがリバランスです。
上の図は、毎年1回リバランスをした場合としなかった場合とでのリスクとリターンを比較したグラフです。
図をみてわかるように、リバランスをしているグラフの方がリスクは低く、リターンは高くなっており、値動きが小さくなっています。このように、リバランスをすることによって資産配分のバランスが整えられ、リスクを低く抑えることが期待できます。もちろん、タイミングによってはリバランス後に資産が減少する場合やリバランスによる売買によって購入手数料などが発生する場合があるため、総合的に検討することが必要でしょう。
出所:イボットソン・アソシエイツ・ジャパン Copyright © 2018 Ibbotson Associates Japan, Inc.
グラフは、国内株式:東証一部(現プライム市場)時価総額加重平均収益率、海外株式:MSCIコクサイ(グロス、円ベース)、国内債券:野村BPI総合、海外債券:FTSE世界国債(除く日本、円ベース)の4資産分散ポートフォリオ(国内株式、海外株式、国内債券、海外債券の4資産に25%ずつ投資)で1984年12月末~2017年12月末の期間、リバランスなしの場合と年1回リバランスした場合。
(注)上記のデータ・分析等は過去の一定期間の実績に基づくものであり、将来の投資成果および市場環境の変動などを保証もしくは予想するものではありません。
(注)上記のデータはすべて円建てで、配当や利息などのインカム・リターンは再投資されたという前提に立っています。特に断りのない限り、税金やコストは考慮していません。また、実際にこれらの資産クラスやインデックスには直接投資できるわけではありません。
投資対象の資産の割合が変化したときに重要なリバランスですが、ライフスタイルが変わったときも必要です。
例えば、今までは、株式やリート(REIT)を中心としたリスクが大きい代わりにリターンが大きくなるポートフォリオで運用していたが、子どもが生まれ、将来必要なお金の額が見えてきたので、リバランスを行って債券中心のポートフォリオとなるようにする場合など。
子どもが小学校に入るときなどまとまったお金が必要なときに、資産価値が下落していて必要な資金が手に入らないと困ってしまうので、ライフスタイルが変わったときもリバランスを考えてみましょう。
ただし、ケガで入院した、転職したなど生活していくなかのすべてのライフスタイルの変化を契機としてリバランスするのはかえって効率が悪くなってしまいます。多くてもせいぜい年2回を限度として見直しをするようにしましょう。
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