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2018.3.22

退職金の受け取り方は「一時金」と「年金」どっちがおトク?

退職の時期は企業によって様々ですが、公務員の方など、3月に退職を迎える方も多いと思います。まだまだ退職は先、と思っている方も、退職金については気になるところですね。ところで、そもそも退職金の受け取り方は複数あることをご存知ですか?受け取り方によって何が違うのか、どう受け取るのがおトクなのか早速見ていきましょう。

みんなどれくらい退職金を受け取っているの?

まずは、退職金の金額別の割合を見てみましょう。あるデータによると、退職金の金額で最も割合が多いのは1,000万円~2,500万円未満(約32%)、僅差で500万円未満(約29%)、次いで2,500万円~5,000万円未満(約23%)でした。間の500万円~1,000万円未満(約13%)が少ないという少し意外な結果でしたね。いずれにしても、退職後つづくセカンドライフを考えると大事に管理していかなくてはならないお金です。
また、退職金の受け取り方は3パターンが考えられます。全額を一括で受け取る「退職一時金」、年金のように何年かに分けて受け取る「退職年金」、そして「退職一時金と退職年金の併用」です。どのパターンを選べるかは企業により異なります。

退職金の受け取り方で税負担が変わる!

次に、受け取り方の違いによる、税負担の違いを見ていきましょう。

■退職金を一括で受け取る「退職一時金」
「退職所得控除」が適用され、所得税が優遇されます。企業に勤めていた期間が長いほど、この退職所得控除額も多くなります。

例えば、退職金額が2,000万円で30年間勤続した場合、1,500万円が退職所得控除となります。他の所得とは分けて税金計算されるため、税負担がかなり軽減されます。一時金でできるだけ退職金を受け取っておくと、税金の面では有利な場合が一般的です。

■年金払いで受け取る「退職年金」
国民年金や厚生年金などの公的年金と同じ扱いになり、「公的年金等控除額」が適用されます。

例えば、退職金額が2,000万円で10年間(運用率2%)の年金受け取りの場合、額面上は一時金よりも多く受け取れるように見えます。しかし、控除額は公的年金と退職年金を合わせて65歳未満で年金額130万円未満なら年間70万円、65歳以上で年金額330万円未満なら年間120万円までが非課税となり、一時金に比べて控除額が少なくなります。
また、受け取る年金が多くなると、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料の負担が大きくなる可能性もあります。

一時金で受け取り、自分で運用するという方法も

額面で考えると「退職年金」、税制的に考えると「退職一時金」、それぞれメリット・デメリットがあることがわかります。
どちらを選択するとおトクなのかは、企業年金の運用率や年金額、各自治体の保険料などによっても変わってきますので、一概にどちらがいいとは言えません。

私自身は退職金が無いため、自助努力で準備していく予定ですが、もし退職金があるとしたら、一時金を受け取り自分で運用していきたいですね。退職後はあまり大きな収入は見込めないため、リターンもリスクも低めの金融商品を慎重に検討します。
なお、一時金で受け取る場合は急に大きなお金が手に入るため、気持ちが大きくなってムダ使いしてしまうことのないように注意することも大切です。

まずは、受け取り方を選べるのかどうか、年金がある場合の運用利率はどれくらいなのか等、ご自身の企業の退職金制度を調べて、しっかりと退職後のマネープランを検討してみましょう。

まとめ<退職金の受け取り方>

退職一時金 退職年金
メリット ・税制上の優遇あり ・定期的に収入が得られる
・長生きすると有利なことも
デメリット ・計画性が無いと使い果たしてしまう ・各年の所得税、住民税、社会保険料が
アップしてしまうことも

水野 綾香(みずの あやか)

「女性のためのマネーセミナー講師」としてこれまで全国で6,000人以上の方に講演。むずかしく思われがちなお金の情報を、楽しくわかりやすく伝えることがモットー。FPとして、各メディアでのマネーコラム執筆も多数。ライフミッションは、精神・経済・キャリアにおいて自立していて、自分の人生を自分で選択できる女性をもっともっと増やすこと。

水野 綾香(みずの あやか)