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2018.5.9

福利厚生で使える資産形成の制度、上手に活用してる?

財形や企業型確定拠出年金、持株会、そして2018年にスタートした職場つみたてNISAなど、会社の福利厚生にはお金にまつわるいろいろな制度があること、ご存じですか?知ってはいるけど、活用していない方も多いのではないでしょうか?実は、味方につければ、資産形成の大きな助けになるものなんです。今回は「会社のお金の制度」について、その活用術を学んでいきましょう。

福利厚生で、みんな資産形成してる?

福利厚生の資産形成制度で代表的なものとして、財形(労働者財産形成貯蓄)、企業型確定拠出年金、持株会などがあります。

それぞれの5年間の契約状況や加入状況を見てみると、財形は減少傾向に、一方で企業型確定拠出年金や持株会は増加傾向にあることがわかります。それぞれの特徴やメリット・デメリットをチェックしてみましょう。

お金との付き合いが苦手な人でも貯蓄体質に!?天引きで財産形成

私のまわりにも「お金があると使っちゃって…」という、お金との付き合いが苦手な人はたくさんいます。そんな方におすすめなのが、財形などの「給与天引き」で貯める仕組み。毎月のお給料から、設定した金額をあらかじめ引いた状態で銀行口座にお金が振り込まれるため、振り込まれたお金を全額生活費などで使ってしまったとしても、自然に先取り貯蓄ができていることになります。

<財形は大きく分けて3パターン>

●一般財形貯蓄
財形の中でも一番「一般的」で多くの方が利用しているのがこちら。何歳でも加入でき、資金使途は自由、さらに1年間は払い出し不可ですが、それ以降はいつでも引き出しできる流動性の高さが魅力です。

さらに、会社によって異なりますが、7年経過ごとに会社から給付金などの支給がある、住宅購入やリフォーム時に低金利で借入ができるなどのメリットもあります。

デメリットは特にありませんが、強いて言えば、お金を引出す際に会社を経由する必要があり、普通の預金より手続きがやや面倒だと感じる方もいることでしょう。

●財形住宅貯蓄
この制度は、給与天引きでお金を貯める点では一般財形と同じ。違うのは、使途が限定(住宅の購入・建築・リフォーム要件など)されていること。将来住宅取得を検討している方におすすめです。年齢は契約時に55歳未満であること、積立期間は原則5年以上などの条件があります。

メリットはやはり、住宅購入・リフォーム時に低金利で融資を受けられること。また、財形年金貯蓄と合わせて元本550万円までの利子に税金がかからない点も大きいですね。デメリットとしては、住宅購入・リフォーム以外の使途で使う場合、この優遇が受けられない点でしょうか。

●財形年金貯蓄
こちらはその名の通り、老後資金を作るための財形です。財形住宅貯蓄と同様、55歳未満の方が契約可能で、積立期間は5年以上。60歳以降に5年以上20年以内の期間で受け取ることができます。 メリットは、財形住宅貯蓄と合わせて元本550万円までの利子に税金がかからない点ですが、使途(=退職後の年金)以外でお金を払い出す場合は課税対象となります。

増えている!?財形以外の資産形成制度!

財形制度はお金を貯めていく上でいろいろメリットがあるものの、インフレには対応できないという欠点があります。

安倍政権は、日本の経済をインフレ(物価上昇)させようとしています。物価が上がれば、相対的に現金の価値が下がることになりますので、せっかく貯めた現金が今と同じ価値ではなくなってしまう可能性も。そこで出てくるのが財形以外の資産形成制度です。

お金を資本市場に参加させることで、短期間には増えたり減ったりを繰り返すものの、長期的には経済成長とともにお金を運用していけるのがポイントです。

※いずれの運用も元本が保証されてるわけではありません。

●企業型確定拠出年金
会社が掛け金を拠出し、運用は従業員自身が行う退職金制度です。企業の掛け金に、従業員が上乗せで拠出する「マッチング拠出」もあります。運用した結果、受け取る金額が増えるか減るかは自己責任となりますが、それを老後資金の原資にします。また、原則60歳まで引き出せませんが、税制優遇が大きい制度です。

●持株会
自社の株式を毎月一定額ずつ購入していく制度です。会社によっては、奨励金などが出るため、時価よりも安く株を買うことができます。また、業績が伸びている(伸びる可能性がある)場合には資産を大きく増やせる可能性も。ただし、お給料を会社からもらい、自分の資産も会社に投じてしまうと、万が一会社が破綻した場合、大きな損失を被ってしまうため、適度に配分するよう留意しておきましょう。

その他、2018年1月スタートの職場つみたてNISAも、企業型確定拠出年金同様に従業員が自分で運用を行います。運用益が非課税になるという税制優遇があり、また、いつでも解約することができるので、企業型確定拠出年金と比較すると流動性に優れています。

まとめ<資産形成制度のチェックポイント>

財形貯蓄 企業型確定拠出年金 持ち株会
期間の長さ
  • ・一般財形:3年以上(ただし、1年以降は払い出し可)
  • ・住宅財形:5年以上
  • ・年金財形:60歳まで
60歳まで引き出し不可 制限なし
税制面の優遇
  • ・一般財形:特になし
  • ・住宅財形/年金財形:合算して550万円までは利息に税金がかからない(指定の目的以外で使った場合は適用外)
  • ・掛け金が所得控除になる
  • ・運用益が非課税
  • ・受取時には退職所得控除等の優遇
なし
その他のメリット 通常の預金よりも金利が高い 運用結果次第でアップサイドがある
  • ・業績次第でアップサイドがある
  • ・奨励金が出ることが多い
リスク 元本保証 元本割れの可能性あり
(運用は自己責任)
※元本保証の商品もあり
  • ・元本割れの可能性あり
  • ・会社の経営が悪化すると、仕事と資産の両方に影響が出る
期間の長さ
財形貯蓄
  • ・一般財形:3年以上(ただし、1年以降は払い出し可)
  • ・住宅財形:5年以上
  • ・年金財形:60歳まで
企業型確定拠出年金 60歳まで引き出し不可
持ち株会 制限なし
税制面の優遇
財形貯蓄
  • ・一般財形:特になし
  • ・住宅財形/年金財形:合算して550万円までは利息に税金がかからない(指定の目的以外で使った場合は適用外)
企業型確定拠出年金
  • ・掛け金が所得控除になる
  • ・運用益が非課税
  • ・受取時には退職所得控除等の優遇
持ち株会 なし
その他のメリット
財形貯蓄 通常の預金よりも金利が高い
企業型確定拠出年金 運用結果次第でアップサイドがある
持ち株会
  • ・業績次第でアップサイドがある
  • ・奨励金が出ることが多い
リスク
財形貯蓄 元本保証
企業型確定拠出年金 元本割れの可能性あり
(運用は自己責任)
※元本保証の商品もあり
持ち株会
  • ・元本割れの可能性あり
  • ・会社の経営が悪化すると、仕事と資産の両方に影響が出る

水野 綾香(みずの あやか)

「女性のためのマネーセミナー講師」としてこれまで全国で6,000人以上の方に講演。むずかしく思われがちなお金の情報を、楽しくわかりやすく伝えることがモットー。FPとして、各メディアでのマネーコラム執筆も多数。ライフミッションは、精神・経済・キャリアにおいて自立していて、自分の人生を自分で選択できる女性をもっともっと増やすこと。

水野 綾香(みずの あやか)