持っている人は多いのに、利用率が低いデビットカード

「デビットカード」とは、デビット機能を持ったカードのこと。預金口座と紐づけておくことで、支払いと同時に口座から引き落とされる仕組みになっています。クレジットカードのような後払いではなく、即時支払いできるのが特長です。

お手持ちのキャッシュカードにデビット機能がついていることも多いため、銀行口座のキャッシュカードを持っている場合は、デビット機能を利用できる可能性が高いです。一度、お手持ちのキャッシュカードを確認してみましょう。

利用できる人は多くいるにもかかわらず、デビットカードの利用率は非常に低く、日本銀行が実施した「生活意識に関するアンケート調査」(2018年6月調査)では、日常的にデビットカードによる決済をおこなう人はわずか4%という結果でした。

日常的に利用する現金以外の決済手段
  • 出典:日本銀行「生活者に関するアンケート調査」(2018年6月調査)

まだ日本で普及しているとは言い難いデビットカードですが、その使い勝手の良さやメリットを知れば、活用シーンも見えてくるはずです。

デビット機能、どこで、どうやって使える?

先述したように、デビットカードは、クレジットカードのような後払いでも、プリペイドカードのような前払いでもなく、支払いと同時に銀行口座から引き落としが行われる仕組みです。

現金のような感覚で管理できるため、預金口座の残高以上に使いすぎる心配もなく、ポイント還元などもあるため、買い物もおトクになります。

利用方法は簡単。デビットカードの加盟店で支払い時にデビットカードを提示してお店の端末に暗証番号を入力するだけです。

さらに、Visaのタッチ決済やiD決済などが可能なタッチ決済対応のデビットカードの場合は、暗証番号を入力する手間すらかかりません。

キャッシュレス派に聞いたアンケートを見ると、ショッピングモールや飲食店、スーパーマーケットでの買い物では、10%を超える人がデビットカードによる決済を日常的に行っていることがわかります。

日常生活の各画面における支払い決済種別
  • 出典:MMD研究所「2019年5月 キャッシュレスウィークとキャッシュレス利用に関する調査」

また、海外旅行でのデビットカード利用もおすすめです。スマホ決済では充電が切れたり、クレジットカードでは使いすぎてしまったり……といった不安があります。

特に、海外旅行の失敗談としてよく聞くのが、予算オーバーして買い物をしてしまうこと。つい浮かれて財布の紐がゆるんだという、苦い経験があるのは、決して筆者だけではないでしょう。

その点、デビットカードなら口座残高以上のお金を使ってしまう心配もないため安心です。

さらに、Visaデビットであれば、海外でも提携ATMで現地通貨引き出しが可能。次回の海外旅行ではデビットカードも利用してみてはいかがでしょうか?

デビットカードの5つのメリット

最後に、デビットカードを使う5つのメリットをまとめてご紹介します。

@ 現金を持ち歩かなくてよい

キャッシュレス決済全体におけるメリットでもありますが、現金を持ち歩かなくて良いのはデビットカードの大きなメリットです。

支払いがスムーズになるうえ、大量の小銭で財布がパンパンに膨れてしまう筆者のような人間にとっては、非常に助かります。

A 海外での普及率の高さ

欧米諸国ではデビットカードの普及率が非常に高く、たとえばドイツやイギリスなどの利用率は、クレジットカードを上回っています。

そのため、海外の様々な場所で食事・買い物をするなら、クレジットカードだけでなくデビットカードも持っておくと、より便利です。

  • 「J-Debit」のデビットカードは海外では利用できません。

B 使いすぎの心配がない

先述しましたが、デビットカードは即時決済のため、口座の残高以上にお金を使う心配がありません。そのため、予算オーバーになるリスクを避けることができます。

C 盗難補償もついている

デビットカードは、各銀行の盗難補償がついているため、安全性にも優れています。残高のチェックなど最低限のリスクには備えておきましょう。

D 利用金額に応じた還元サービス

デビットカードの中には、ポイント付与やキャッシュバックによって利用金額に応じた還元サービスも多く実施されています。なかには1%以上の高還元となるカードも存在します。

以上のようにデビットカードにはメリットがたくさんあります。
日本ではまだ利用率が低い状況ですが、使い勝手は抜群! これまでデビットカードを使っていなかった人も、明日から活用して賢い家計管理をはじめてみてはいかがでしょうか。

  • 2020年2月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。
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