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2020.4.1

#28 マイホームを担保に老後資金の融資を受けられる「リバースモーゲージ」って?

マイホームの前で寄り添うシニア夫婦

人生100年時代を迎え、リタイア後の長い期間を充実して過ごすために、老後の資産形成を見直す人が増えています。そんななか、注目されているのが、マイホームを担保に老後資金のための融資が受けられる「リバースモーゲージ」。

今回は、定年後のマネープランだけでなく、若い世代のマイホーム購入の検討材料としても気になるこの制度の特徴やメリット、踏まえるべきリスクをみていきましょう。

リバースモーゲージを取り扱う金融機関が増加中!

リバースモーゲージとは、自宅の土地・建物を担保に、金融機関や自治体から融資を受ける融資制度のこと。主に55歳以上を対象としたシニア向けの商品です。

毎月利息分のみを返済していき、契約者本人が亡くなった後、担保にした不動産を売却し、借入金の残高を一括返済するというのが基本的な仕組みです。ただし、配偶者が契約を引き継ぐことで、契約者の死亡後も自宅に住み続けることが可能です。
リバースモーゲージの仕組み
※筆者作成。
日本ではまだあまり聞き慣れない言葉ですが、欧米では古くから活用され、広く普及している制度です。1981年に国内で導入されたものの、これまで認知度が低く、なかなか浸透しませんでした。

しかし近年では、リバースモーゲージを取り扱う金融機関が急増。背景には、高齢化が進んだことに加え、子どもが家を引き継ぐことが当たり前ではなくなったという時代の変化があります。現在は、メガバンクでの利用も可能です。
金融庁も“民間金融機関のバックアップにより、リバースモーゲージの普及を図ることが大切”という意向を示していることからも、リタイア後の資金確保の選択肢のひとつとして、今後さらに広がっていくと思われます。

※金融庁「高齢社会における金融サービスのあり方について(平成30年10月11日)


対象となる物件は、土地付き一戸建てが原則ですが、評価額の高いマンションでは融資可能なケースもあります。

資金の受け取り方として、①一括で受け取る、②年金のように分割で受け取る、③限度額の範囲内で必要な金額をその都度受けとるといった、3つの方法から自分に適したものを選ぶことができるのも魅力です。

リバースモーゲージのメリットと押さえておきたい3つのリスク

リバースモーゲージの特徴は、自宅を売却せずに、住み続けながら融資が受けられること。融資額は、住宅の資産価値や金融機関によって異なるものの、100万円〜1億円程度と幅があります。

月々の返済は、借り入れた金額の利息分のみなので、金銭的な負担が少ないことが最大のメリットです。また、金融機関によっては、生存中は返済が不要というプランもあるため、手元資金が少ない人にとって、心強い制度と言えるでしょう。

基本的に、融資を受けたお金の使い道は自由です。老後の生活資金としてはもちろん、老人ホームの入居一時金、自宅のリフォーム、住宅ローンの残債の支払い、趣味やレジャーなど、個々の事情に合わせた使い方ができるため、老後の暮らしの可能性が広がります。ただし、事業や投資の資金として使うのはNGです。

また、住宅ローンが残っている場合には、リバースモーゲージに引継ぐことも可能です。

非常に魅力的な制度といえるリバースモーゲージですが、もちろんデメリットもあります。以下の3つのリスクをしっかり踏まえた上で、慎重に検討することが重要です。

①金利上昇
リバースモーゲージで借入額の利息が付く場合は、変動金利が適用される場合が多いため、金利が上昇すると、それに伴って返済額も増えてしまうリスクがあります。

②不動産価格の下落
担保となる自宅の評価は定期的に見直されるため、評価額が下落した場合、融資額が減少してしまうリスクがあります。

③長寿リスク
想定以上に長生きをした場合、生存中に融資枠をすべて使い切ってしまった場合、以降は融資を受け取れないというリスクがあります。

リースバックとリバースモーゲージはどう違う?

リバースモーゲージ同様、自宅を活用してまとまった資金を調達できる方法として、「リースバック」という仕組みがあることをご存じでしょうか。

リースバックとは、所有している自宅を不動産会社などの第三者に売却し、その後は売却先に毎月の賃料を支払うことで、そのまま自宅に住み続けることができるというもの。将来的に自宅を買い戻すことも可能ですが、その際は、売却した価格より高くなるケースが多い傾向があります。

メリットは、利用条件が比較的緩やかな点。リバースモーゲージが、主に55歳以上を対象としたシニア向け商品であるのに対し、リースバックは年齢や収入に制限がなく、マンションも売却が可能です。

デメリットは、毎月家賃を支払う必要があること。リースバックの賃料は、売却する金額に比例して上がります。住宅ローンの残債額がある場合は、利用が難しいケースも出てくるでしょう。

リバースモーゲージもリースバックも、慣れ親しんだ自宅に住み続けながら資金を調達できるという点では同じですが、自宅の所有権を持つか否かという点が大きな違いと言えます。仕組みや条件などの内容が異なるので、確認しておきましょう。
リバースモーゲージのメリット・デメリット
リースバックのメリット・デメリット
リバースモーゲージの利用に向いているのは、以下のような場合です。

●自宅に住み続けながら老後資金を得たい55歳以上の人
●土地付きの一軒家を持っており、配偶者以外に相続対象者がいない夫婦、あるいは、自宅を手放すことに対して相続人の同意が得られている場合
●独身者で相続人のいない人

老後資金に不安を感じている方はもちろん、より余裕のある暮らしを送りたい人にとっても、リバースモーゲージは資産形成の有効な選択肢になるでしょう。

また、シニア世代だけでなく、現在マイホームの購入を考えている人たちも、リバースモーゲージの活用を視野に入れた住宅購入や資産形成のプランを検討してみてはいかがでしょうか。

※2020年4月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

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