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2020.4.8

#29 2024年からスタートの新NISA、どう変わる?どんな人にオススメ?

2024年からスタートの新NISA、どう変わる?どんな人にオススメ?

投資初心者におすすめの制度、「NISA(少額投資非課税制度)」が、2024年に新しくなります。

2019年12月に政府与党より2020年度の「税制改正大綱」が発表され、その中にはNISA制度の改正が盛り込まれました。
ただし、今回の制度改正の内容はなかなか複雑で、その内容を誤解している人も少なくありません。

そこで、今回は、気になる新NISAの仕組みについて、わかりやすく解説していきます。

利用者が増加傾向のNISA、2024年にどう変わる?

現状、NISAには「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類があります。

ジュニアNISAは2024年の制度改定で廃止されることが決まりましたが、一般NISAとつみたてNISAは引き続き利用可能です。

制度改正の内容を解説する前に、まずはNISA制度の基本について見ていきましょう。

2014年にスタートした一般NISAと2018年にスタートしたつみたてNISAは、老後資産の形成手段として人気が高く、口座数は年々増加傾向にあります。
一般NISAとつみたてNISAの口座数の推移
※金融庁「NISA・ジュニアNISA利用状況調査」のデータを基に、筆者作成。

※各年9月末時点のデータ(2014年のデータのみ6月末時点)。
※一般NISAの口座数は、基準日時点において、金融機関に対してマイナンバーの告知がされておらず、 2019 年の投資利用枠が設定されていない口座数も含む。
※つみたてNISAの口座数は、基準日時点において、投資利用枠が設定されている口座数。

口座数の推移を見ると、現段階では一般NISAがつみたてNISAと比べて、より世間に浸透していることがわかります。
一般NISAとつみたてNISAの世代別口座数
※金融庁「NISA・ジュニアNISA利用状況調査(2019年9月末時点)」のデータを基に、筆者作成。
一方で、世代別の口座数を見てみると、株式も対象となり比較的投資経験者の利用が多い一般NISAは、高齢層での人気が高いことがわかります。そして、少額からはじめられて投資初心者に向いているつみたてNISAは、若年層からの人気が高いことが見えてきます。

現行のNISAでも新NISAでも、一般NISAとつみたてNISAの併用はできず、どちらかを選択することになります。

ここからは一般NISAとつみたてNISA、それぞれの仕組みと改正のポイントについて見ていきましょう。

一般NISAの仕組みと改正のポイント

<概要>
年間120万円までの投資について、運用益が非課税になる仕組み。期間は最長5年です。対象商品は上場株式、株式投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資)など。

5年経過後には、新たな一般NISA口座にロールオーバー(乗り替え)することで、引き続き、さらに5年間にわたって非課税で運用を続けることができます。

<改正のポイント>
・新規にはじめられる期限が、これまでの2023年までから5年間延長され、2028年までになります。

・投資対象商品が、2階建ての構造に。1階部分と2階部分それぞれに、対象商品と年間の上限額が設定されます。1階部分は、現状のつみたてNISAの商品が対象となり、積立のみの投資枠に。2階部分は、個別株や株式型投資信託に投資することができますが、値動きの激しいレバレッジ型投信などは対象から除外されます。
新・一般NISAのイメージ
1階部分、2階部分を合わせて年間最大122万円、5年間で最大610万円の投資金額に対して、運用益が非課税になります。

1階部分は必ずしも上限20万円の枠を埋める必要はありません。少額でも積立投資を行えば、2階部分で投資を行うことができます。

このように、中長期の運用に適した低リスクの商品に優先して投資される仕組みにして、個人に安定的な資産形成を促すのが、今回の改正の一番の狙いと言えます。

つみたてNISAの仕組みと改正のポイント

<概要>
毎年、最大40万円までの積立投資に対して、最長20年間非課税になるという仕組み。毎月、少額からじっくりと積み立てながら、長期にわたって資産形成することができます。ただし、対象商品は、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されています。

<改正のポイント>
新規に始められる期限が、これまでの2037年から5年延長され、2042年までになりました。

新NISAはどう使う? まずは正しい理解から!

今回の制度改正は複雑で、「わかりにくい」との批判も少なくありません。そこで、特に複雑になった新一般NISAの、間違いやすいポイントを3つ紹介していきます。

①新・一般NISAの1階部分は、すべて「低リスク商品」?
現状のつみたてNISAの対象商品と同じだからといって、すべての商品が低リスクというわけではありません。実際、対象商品はすべて株式型の投資信託。比較的低リスクとされる債券型は対象外になっています。

②新・一般NISAでは必ず“1階部分”の積立が必要?
必ずしも1階部分の積立が必要なわけではありません。NISA口座を既に持っている場合や、株式などの投資経験がある場合は、1階部分は使わず2階部分だけで個別株の投資をすることは可能です。

③将来、2つのNISAは「つみたてNISA」に一本化される?
今回、新・NISAについて公表される前は、「NISA一本化」が検討されていましたが、今回の税制改正で一本化の方向は消えました。

このように複雑化した新・一般NISAですが、制度が拡充される方向であることは間違いありません。

新・一般NISAの1階部分は、5年経過後に、つみたてNISAへのロールオーバー(乗り替え)もできるため、結果として最大25年の非課税保有が可能となります。老後の資産形成をしたい人には、これまで以上に積極的に活用すべき制度となったと言えるでしょう。

また、一般NISAでは、株式投資に対して、現状で毎年120万円、新・一般NISA以降も102万円という大きな投資枠があるので、「株式投資にまとまった資金を投資したい」という人には利用しやすい制度です。また、「年間100万円程度の金額で投資信託の積立をしたい」という人にもおすすめです。

自分の投資スタイルを考えて、今から一般NISAをはじめるのもひとつの考え方。2023年までに一般NISA口座を開設した場合は、2028年までの5年間、現行の一般NISAで運用することができます。

ただし、一般NISAはあくまで5年間の枠の間に売却をして利益確定をすることが必須。運用実績をウォッチして、ある程度収益が出たら売却するといった形で利用していきましょう。

新しい仕組みを正しく理解して、上手に活用しよう

老後資産の形成手段として、NISAとよく比較される制度にiDeCo(個人型確定拠出年金)があります。

NISAとiDeCoは、同時に利用することも可能です。おトクに資産を形成したい人は、両方を活用してみるのもおすすめです。

30代の子育て世帯の場合、積立期間が最長20年間のつみたてNISAは、教育費など少し先のライフイベント用に適しています。

一方、退職世代層の場合、現状のiDeCoでは、60歳までしか利用できないため、一般NISAやつみたてNISAを活用し、退職金の運用を考えてみてもよいでしょう。少額の積立投資ではなく、株式運用などでまとまったお金を運用したい場合には、一般NISAがおすすめです。

このように、一般NISA、つみたてNISA、iDeCoのそれぞれのメリット・デメリットを把握し、上手に使い分けをすることがポイントです。

新しくなった制度を正しく理解し、目的、年代、ライフスタイルに合った資産運用をはじめてみてはいかがでしょうか?

※2020年4月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

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