エンタメから衣食住まで、暮らしに広がるサブスク

サブスクといえば、音楽や映像、雑誌・書籍の配信など、エンターテイメント分野のサービスを思いつく人が多いのではないでしょうか。実は、こうしたサービス以外にも、サブスクは広がっています。
ICT総研の調査によると、サブスクの市場は年々拡大。2019年の市場規模は約1.1兆円で、2023年には約1.4兆円まで拡大する見通しです。
  • 出典:ICT総研「2020年 サブスクリプションサービスの市場動向調査」
音楽、映像、書籍、ゲームといった「デジタルコンテンツ」系はもちろん、ファッション、美容、飲食店、教育などの「サービス・健康・教育」系、飲食物の購入や自動車などの定額利用ができる「物品購入・レンタル」系など、暮らしに身近なサービスが増えていることが分かります。

仕事や育児に忙しい共働きファミリーにおすすめのサブスクはコレ!

共働きで忙しい世帯や、子育て中のファミリー層には、家事や育児の負担を少なくできるサブスクがおすすめです。

出張料理作り置きサービス(月額13,600円程度〜)

毎日の食事作りをサポートしてくれる、料理家による出張料理作り置きサービス。あるサービスでは、月額13,600円から、約16食分の食事を月2回作ってもらうことができます。献立に合わせて「買い物代行」を依頼することも可能です。
「野菜多め」「たんぱく質を摂りたい」などリクエストをしておけば、栄養バランスに配慮した食事をとることができるでしょう。

冷蔵食品の配送サービス(月額3,980円程度〜)

1ヵ月間冷蔵保存できる惣菜を、毎月届けてくれサービスもあります。月に1度、真空パックに入ったおかずが届き、温めるだけで1品が完成します。料金は10個で月額3,980円、20個で月額6,480円、30個で月額8,980円程度です。

最新家電の利用サービス(月額1,000円程度〜)

家電のサブスクもあります。英国家電メーカーのサブスクでは、月額1,000円からコードレスの掃除機を利用可能。3年ごとに新しい製品に交換できるため、「3年ごとに36,000円で掃除機を買い換えができる」と考えることができます。
また、米国家電メーカーのサブスクでは、月額1,200円から人気のロボット掃除機を利用可能です。
2〜3年で定期的に家電を買い換えている人は、サブスクを利用した方が費用を抑えられるでしょう。新しい機能を備えた製品を使うことで、家事の効率アップも期待できます。

TPOに合わせて洋服を借りられるサービス(月額5,800円程度〜)

「子どもが産まれて、着る服が変わった」という人も多いのではないでしょうか。子育て中に使い回す洋服は、サブスクでレンタルするのも1つの手です。
料金は、企業やプランによって異なりますが、一度に3点〜5点借りられて、月額5,800円程度。
新品の洋服が届き、返却時には洗濯する必要はありません。子どもの入学式や卒業式、運動会や遠足といったイベントなど、使用頻度の低い洋服をTPOに合わせてレンタルすれば、洋服代を節約できるでしょう。

毎月、ワイシャツが20着届くサービス(月額12,800円程度〜)

ワイシャツのアイロンがけが負担になっている人には、月初に20着のワイシャツが届くサービスを。1着あたり640円で、シャキッとアイロンがかかったワイシャツを利用でき、家事の負担がグッと減るでしょう。

自動車を3年ごとに乗り換えられるサービス(月額32,000円程度〜)

大手自動車メーカーが展開しているサブスクでは、月額32,000円から自動車を利用でき、3年ごとに新車に乗り換えることができます。家族構成やライフスタイルの変化に合わせて乗り換えられるので便利です。
料金は、コンパクト・ミニバンなら月額32,780円から。月額の料金には、任意(車両)保険や、メンテナンス代も含まれています。

結局おトク? 家族でサブスクを使うメリット・デメリット

サブスクを利用する際には、メリットとデメリットを把握しておくことが大切です。まずは、メリットについて考えてみましょう。

家族で共有すればおトクに

サービスの規定範囲内であれば、どれだけ利用しても料金が一定なところが、サブスクの大きなメリット。たとえば、家族で毎月何冊も雑誌を購入する、何枚もCDやDVDを購入・レンタルするといった場合は、サブスクを利用することで節約できるでしょう。
映像・音楽配信サービスの中には、1つのアカウントを家族で共有できるプランも。1人あたりの月額料金がおトクになるのでチェックしておきましょう。

家事の負担を減らし、子どもとの時間を増やせる

料理や洗濯、アイロンがけなど、家事の負担を減らせるサービスは、その料金と、負担が減ったことで得られる価値を比較して考えてみましょう。
あくまでも1つの例ですが、時給2,000円で働く人が、料理をする1時間を2,000円で依頼した場合、プラスマイナスはゼロ。気持ちに余裕が生まれ、空いた時間で子どもと過ごす時間を増やすこともできます。

モノを増やさずすっきり暮らせる

子育て中は、子どもの成長に応じていろいろなモノが増えていきます。洋服や書籍、家電のサブスクなどを上手に利用できれば、モノを増やさずスッキリと暮らせるでしょう。また、子どもの入学式や卒業式など、着る機会の少ない衣服もサブスクを利用すれば、クローゼットもすっきりとし、費用も押さえられます。

家計の管理がしやすい

サブスクの料金は毎月定額、つまり固定費となります。変動費と違い、家計の管理がしやすくなるのも、大きなメリットです。自分がどの分野にお金を使っているかも把握しやすく、ムダを見つけやすいでしょう。
一方、サブスクには、デメリットもあります。

利用しなくても料金がかかる

利用の有無に関わらず、契約期間中は一定の金額がかかるので、利用しなければ費用がムダになります。また、利用したいコンテンツや気に入る商品が利用できない可能性も。
無料のお試し期間を設けているサービスも多いので、利用する場合は、納得のいくサービスかどうか試してからはじめましょう。

購入した方がおトクな場合もある

また、家電や洋服の場合、1つのものをできるだけ長く使いたいという人は、商品を購入した方が安く済むケースも。自分たちのスタイルに合ったものを選ぶようにしましょう。
出産、子どもの進学などによって家族のライフスタイルが変われば、当然、利用したいサブスクも変わるでしょう。
サブスクの契約は1ヵ月ごとに更新するサービスが多く、基本的にはいつでも解約可能です。利用頻度の低いサービスがないか定期的にチェックしながら、上手に活用することで家計の節約へ。しっかりと家計を管理して、将来に向けた資産形成を行っていきましょう。
  • 2020年9月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

ファイナンシャルライター 瀧 健

『PRESIDENT Online』などの経済系Webメディアでも多数の執筆協力経験をもつ。ライフプランや資産運用の提案が得意。自らも株式・債券・投資信託などの運用を行っている。社会保障にも詳しい。

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