ボーナスで投資する人が増えている!?

身近な同僚や友だちとも、なかなかしにくいのがお金の話。まわりの人がボーナスをどう使っているのか、気になりますよね。そこで、ボーナスの使い道を調査したデータを見てみましょう。

ボーナスの使い道

1位は、2位以下と大きく差をつけ「預金・貯金」でした。この傾向はここ数年変わりません。注目したいのが9位の「投資信託」。同調査によると、2021年の夏のボーナスに続き、冬のボーナスでは調査8年目にして初のトップ10入りをしたそうです。単に貯めるだけではなく、投資をすることでお金を少しでも増やしたいと思う人が徐々に増えていることが分かります。

「預金・貯金」と「投資信託」は、どちらもお金を貯蓄しておくための方法ですが、どのように使い分けていけば良いのでしょう。将来を見据えたうえで、ボーナスをより有意義に活用するためのヒントを紹介します。

使う? 貯める? 投資する? ボーナスの上手な使い方

ボーナスの使い方は、現在の貯蓄状況や生活の満足度、これからの予定などをもとに、「使う」「貯める」「投資する」の3つを軸で決めるのが基本的な考え方です。

自分がどれを優先したいか、どれくらいのバランスで3つを配分していくか、見極めていきましょう。

●「使う」を優先する人

たとえば、新しいパソコンや家電など、ほしくても高額なために我慢していたものがあるなら、ボーナスで購入して生活の満足度を上げましょう。気持ちよく過ごせることで、モチベーションアップも期待できます。
また、スキルアップをめざして、資格取得やセミナーの参加などへの自己投資にまわすのもボーナスの有益な使いみちです。

ただし、ボーナスを使うのは半分まで。残りは預金や投資に回しましょう。生活費3ヵ月分以上の貯蓄がないなら、いざというときに備えるために「貯める」を優先しましょう。貯蓄が一定額あるなら投資を検討しましょう。

「使う」を優先する人の使い方の例〈生活費3ヵ月分以上の貯蓄がない場合〉
「使う」を優先する人の使い方の例〈生活費3ヵ月分以上の貯蓄がある場合〉

●「貯める」を優先する人

貯蓄が生活費の3ヵ月分以下の人は、「貯める」を優先しましょう。思いがけないケガや病気、失業など人生何が起こるかわかりません。いざという時のために、生活費の3ヵ月分は最低限持っていたい貯蓄額です。
ただし、旅行や引っ越し、自己投資など、近々お金が必要な予定があるなら、それに充てる分は今後使う予定のお金として考えておきます。

「貯める」を優先する人の使い方の例

●「投資する」を優先する人

生活費の3ヵ月分以上の貯蓄があり、直近で優先度の高い出費がないのであれば、将来に向けた資産づくりのために「投資する」という考え方もあります。
その場合も、リスクをコントロールするため、一部は預金に回します。また、投資する際も、一度に買わないで、何度かに分けて買ったり、積立にしたりするとリスクの分散効果が期待できます。

「投資する」を優先する人の使い方の例
  • 預金と投資の比率は、手持ちの貯蓄額などをもとに調整する。

ここまで基本的な考え方を紹介しました。上記を参考に、20代会社員で、以下のような予定や希望がある場合の割合について考えてみます。

例 20代会社員

<今後の予定や希望>

  • ボーナスを使って趣味の楽器を購入する予定がある。
  • 貯蓄は定期預金が250万円ほど(生活費の3ヵ月分以上)あるがもう少し増やしたい。
  • 投資に興味があるので、ボーナスで投資デビューを考えている。

<ボーナスの支給額>

50万円

<ボーナスの活用割合>

使う:貯める:投資する=1:1:3

ボーナス支給額50万円の20代会社員の例

上の例では、ボーナスが50万円もらえた場合、「使う」の10万円で趣味の楽器を購入し、「貯める」の10万円で預金額を増やしながら、残りの30万円で「投資する」といった配分になります。

はじめての投資であれば、30万円を一括で投資するのではなく、リスクの分散効果が期待できる積立投資がおすすめです。たとえば、毎月2.5万円ずつを12ヵ月かけて投資していくようなイメージです。

投資をはじめるなら、つみたてNISAで。口座開設から始めよう!

ボーナスで投資を始める場合に、ぜひ検討したいのがつみたてNISAです。つみたてNISAは、投資初心者をはじめ、さまざまな人が将来のための資産づくりを行えるよう導入された制度です。
年間40万円まで投資信託による積立投資ができ、運用で出た利益に対して非課税になります。

ボーナスから回せる投資額が40万円程度あるなら、毎月3万円ずつの積立をこれから1年間続けて少しずつ投資していくことができます。40万円以内なので、それ以下の金額でもOKです。

つみたてNISAの特徴をまとめると次の通りです。

つみたてNISAのメリット・デメリット

デメリットを受けないためには、長期で積み立ててリスクを低減させることが大切です。今回のボーナス分で積み立てた後も、毎月の貯蓄や次のボーナスで積立投資を続け、時間をかけて資産を増やすことを目標にしましょう。

つみたてNISAは期間限定の制度で、当初は2037年で終了予定でしたが、延長され2042年まで利用できることになりました。

2022年からはじめれば、40万円×20年間(2041年まで)=最大800万円を運用することができます。またその利益は非課税になります。

今年のボーナスをきっかけに、将来のための資産づくりの第一歩として、つみたてNISAデビューを考えてみませんか。

つみたてNISAとは?

つみたてNISAの始め方について、くわしくはこちら

  • 2022年6月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

豊田 眞弓(とよだ まゆみ)

CFP® /1級FP技能士。大学在学中より雑誌の編集に携わり、卒業後に取材記者として独立。1988年より女性誌、マネー誌などで金融に関する記事を執筆。家計管理、保険、資産運用に関する記事をはじめ、銀行の商品・サービスについても雑誌やWeb媒体で多数執筆。執筆に加え生活者対象のセミナー、家計相談も行っている。著書に「今さら聞けない お金の超基本(朝日新聞出版)」「まだ間に合う!50歳からのお金の基本(エムディエヌコーポレーション)」、「年収200万円の私でも心おだやかに毎日暮らせるお金の貯め方を教えてください!(SBクリエイティブ)」など 。

Webサイト:http://www.fpsakamoto.jp

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