くらしのマネー辞典
2022.10.5
2022年は、食料品や電気、ガソリンなど値上げラッシュとなっています。値上げは家計にどのくらい影響を与えているのでしょうか。
値上げの背景を考えると、このトレンドは今後も続くと予想されます。私たちにできる対策として、短期・長期でそれぞれどのようなことがあるのか、考えてみましょう。
2022年は身の回りのさまざまなモノやサービスの値上げが続きました。全国消費者物価指数の前年同月比の上昇率は、7月まで4ヵ月連続で2%台※1となっており、値上げを実感されている人も多いのではないでしょうか。主に以下のような品目で値上げが続いています。
※1 出典:総務省「消費者物価指数 2022年(令和4年)7月分 生鮮食品を除く総合指数」
●食料品
食料品では、小麦の価格上昇により小麦粉やパン、パスタなど多くの商品が値上げされました。その他の食料品や外食などあらゆる分野で値上げがなされている状況です。
また、ビールや飲料も10月から値上げされました。
●電気
電気料金も上昇が続いています。たとえば、東京電力の「平均モデル」(従量電灯B・30A、使用電力量260kWh/月)の電気料金は、2022年9月には9,126円となりました。これは、前年同月より2,000円以上高くなっています。
2016年以降の電力の小売全面自由化によって、地域の電力会社より安く電気を提供していた新電力会社でも、電気料金の値上がりにより撤退や新規受付の停止が相次いでいます。
※東京電力「電気料金の燃料費調整について」をもとに筆者作成。
今回の値上げの理由として、まずは原油価格の高騰が挙げられます。原油はエネルギー価格や運送費、プラスチック素材など、企業活動に与える影響が大きいため、多くの品目の値上げの要因となっています。原油価格は2021年も上昇傾向にありましたが、ロシアのウクライナ侵攻以降、さらに上昇しています。
そして、2022年3月以降、急速に進んだ円安が原油高の影響をさらに大きくし、そのほかの輸入原材料の価格上昇にもつながっています。小麦の価格上昇は、世界的な天候不順などにより昨年から価格が上昇していたところに、ウクライナ侵攻や円安の影響も受けています。
いずれもいつ頃収束に向かうか見通せない状況にあるため、値上げは今後も続くことが予想されます。
総務省の「家計調査」と消費者物価指数の上昇率から食料品、電気、ガソリンの値上げによる平均的な世帯への家計影響を試算すると、下記のようになります。
※4 出典:総務省「家計調査」2人以上世帯の支出額
※5 出典:総務省「2020年基準消費者物価指数」2022年7月分より、食料、電気代、ガソリン代の対前年同月比
上記の3つだけでも値上げの影響が月5,000円以上、年間では約7万円となります。これら以外の品目や今後の値上げも含めれば、年間で10万円前後の負担増となることも考えられます。
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家計管理とは
支出増への対策として、どのようなことが考えられるでしょう。
値上げの影響がとくに大きいのは食料品ですが、食費を継続的に減らすのはストレスにもつながり、難しい部分があります。
まず、すぐにできる対策として、固定費の削減があります。電気代は、使用量を減らすために、こまめに節電するほか、古い大型家電があれば省エネ家電に買い替えるのも一つの選択肢です。
ほかにも、スマートフォン代などの通信費や保険の見直しといった、固定費を減らす工夫が考えられます。カーシェアリングの利用などによって自動車を持たない暮らしをすることができれば、自動車関連の費用も大きく減らせるでしょう。
今後も値上げが続くと、物価が継続的に上がる現象「インフレーション(インフレ)」につながります。物価が上昇すると円の価値が実質的に目減りするため、預金のように低金利の資産は価値が下がる可能性があります。
そのため、資産運用でコツコツ増やしながら貯蓄を守るという、長期的な対策も必要になるでしょう。毎月、一定額を投資信託で積み立てる「つみたてNISA」などを利用することも、ひとつの手です。固定費の見直しに加え、これを機に、資産運用をはじめてみてはいかがでしょうか?
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※2022年10月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。
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