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~私の暮らしはどう変わる?~

2018.6.6

進む「働き方改革」
あなたの家計への影響は?

働く人の視点に立ち、企業文化やライフスタイル、働き方を抜本的に変革させると謳われている「働き方改革」。生活と仕事を共に充実させたものにする「ワークライフバランス」という言葉も一般的に使われるようになってきました。「働き方改革」は、私たちの暮らしや家計にどういった影響を及ぼすのでしょうか?

「日本流ワークスタイル」は時代遅れ?
日本の働き方が抱える3つの問題

働き方改革とは、多様な働き方を可能にするとともに、格差の固定化を回避し、成長と分配に好循環をもたらす社会の実現と、50年後も人口1億人を維持し、家庭・職場・地域で誰もが活躍できる「一億総活躍社会」を実現するために政府が取り組んでいる政策のことです。特に日本独自の雇用情勢にともなう、3つの問題を解決する目的があります。

1つ目は「長時間労働の是正とワーク・ライフ・バランスの実現」です。ご存知の通り、日本社会は「残業ありき」の風土の会社も多く、長時間労働をはじめとする高負荷、自殺や過労死といった社会問題を招いています。長時間労働する場合は、概ね私生活を犠牲にしている場合が多く、「ワーク・ライフ・バランス」とはかけ離れた生活を送られている方もまだまだ多いと思います。

2つ目は、「生産性向上と多様な働き方による労働者不足の解消」です。日本生産性本部によると、OECDデータに基づく2016年の日本の時間当たり労働生産性(就業1時間当たりの付加価値)は46.0ドルと、OECD加盟35カ国中20位で、先進7カ国中で最下位の状況です。 これは、日本全体を平均した場合、労働時間の割に成果が少ないことを意味します。時間当たりの生産性を上げて付加価値の高い働き方を行うことは大きな課題です。加えて、日本は少子高齢化・人口減を迎えており、労働者世代である生産年齢人口(15~64歳)は減る一方。ただでさえ働き手が足りないため、介護や育児をしながらでも働けるなど、多様なワークスタイルを受け入れることで労働者不足を補う必要があります。

3つ目に「格差の是正」が挙げられます。2000年以降、日本では非正社員の比率が高まるなか、若年層においても所得格差が広がっていきました。働き方改革によって非正社員の処遇改善などの動きが加速すれば所得格差の是正につながります。

※出所:公益社団法人 日本生産性本部「労働生産性の国際比較 2017年版」(2017)より

家計の視点で考える「働き方改革」
メリット・デメリットとは?

対策が進み、先述した3つの問題が解消に向かった場合、私たちの生活や家計にはどういった影響があるのでしょうか。さまざまな可能性を考えてみましょう。

はじめに、長時間労働が是正されると、残業が減って嬉しい反面、給与も減ってしまうかもしれません。多くの残業代を得ていた人にとっては、痛い収入減となるでしょう。また、余暇が増えることで交際費やレジャー費が膨れ上がる可能性もあります。

一方、デメリットばかりではありません。多様な働き方が認められると、いままでは働きに出られなかった主婦やシニアなどの雇用が促進し、世帯収入が増加する可能性があります。また、近年は副業を解禁する企業も出ており、本業とのダブルワークで収入アップも期待できます。さらに、働き方の多様化によりゴールデンウィークやお盆のピーク時以外に休暇をとることによって、レジャー費や帰省費用が逆に下がるという可能性もありそうです。

また、格差是正のための「同一労働同一賃金」の思想により、給与に変化が起きるでしょう。非正社員の処遇が改善して収入が上がることもあれば、正社員の待遇を引き下げて両者の処遇を均すことも予想されます。格差解消が目的ではありませんが、日本郵政グループでは一部の正社員にだけ支給されている住宅手当を2018年10月から段階的に削減すると発表しました。また、国民の給与水準が底上げされることで物価上昇を招く可能性もあります。物価の上昇が起きると、現金や預貯金の価値が相対的に下がってしまうため、これまでにも増して、投資など積極的な資産運用で対応していく必要が生じるかもしれません。

私の暮らしはどう変わる?

「働き方改革」は家計に焦点を当てると、メリット・デメリットの両面を生み出しそうです。変化を前向きにとらえて、ダブルインカムやダブルワークで収入を増やしたり、レジャー費などを削減したり、資産運用にチャレンジするなど、あなたやあなたの家族にとって、最適なワーク・ライフ・バランスを考えていけば、より良い人生を送ることができるでしょう。