みんなのマネーニュース

2022.9.14

#34 2022年10月から児童手当の特例給付が廃止に! 影響を受けるのはどんな世帯?

2022年10月から児童手当の特例給付が廃止に! 影響を受けるのはどんな世帯?
児童手当法の改正で、2022年10月支給分(6〜9月分の手当)より、高所得者世帯における児童手当の特例給付が廃止されます。夫婦いずれかの年収が1,200万円を超える世帯が対象とされていますが、この年収はあくまで目安。実際は扶養人数によって、ボーダーとなる年収が変わってきます。

自分たちの世帯が特例給付の廃止対象に該当するのか判断できるよう、児童手当の概要や目安となる年収について確認し、教育資金の準備をどのように行うか考えておきましょう。

そもそも「児童手当」とは?

児童手当は、子育て世帯を支援するための手当で、0歳から中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している、一定所得以下の世帯に支払われるものです。

手当額は、満額で受け取れる世帯の場合、3歳未満が月1万5,000円、3歳以上小学生までが月1万円(第3子以降は1万5,000円)、中学生は一律月1万円となっています。
児童手当の支給額(満額の場合)

※高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の養育している児童のうち、3番目以降をいう。

出典:内閣府Webサイト「児童手当制度のご案内

子どもが誕生後、自治体などに児童手当の認定請求について申請を行うと、申請月の翌月から支払われます。月末に誕生した場合などは、申請が誕生月の翌月になっても、出産翌日から15日以内に申請すれば、特例で誕生月の翌月から支払われるルールもあります。

児童手当が支給されるタイミングは、6月、10月、2月の年3回で、それぞれの前月分までの4ヵ月分が振り込まれます。

<支給タイミング>
●6月(2~5月分)
●10月(6~9月分)
●2月(10月~1月分)

保護者の所得が所得制限の限度額以上の場合は「特例給付」の対象となり、児童1人当たり月5,000円の支給となります。

児童手当の所得制限は夫婦のいずれか高い方の所得で判定します。例えば、児童2人+扶養配偶者の会社員世帯の場合、夫婦のうち年収が高い方の年収が960万円程度(実際の判定は所得)を上回る場合は特例給付の対象となり、支給額は子ども1人につき月5,000円となります。

ちなみに、年収とは、会社員であれば給与やボーナスなど1年間の収入金額の総額で、所得はそこから給与所得控除額を引いた金額です。
児童手当の所得制限

※「扶養親族等の数」は、所得税法上の同一生計配偶者や扶養親族、扶養控除の対象でない児童で、前年12月31日時点で生計を維持していた者の数を指す。
※限度額(所得額)は、1人につき38万円(70歳以上の同一生計配偶者や老人扶養親族は44万円)を加算。
※年収(収入額)は、所得額に給与所得控除額等相当分を加算した額。実際の適用は所得額で行う。

出典:内閣府Webサイト「児童手当制度のご案内

改正で「年収1,200万円以上」は特例給付が停止に

児童手当法の改正により、2022年10月支給分からは、「年収1,200万円」を目安とする高所得者世帯における児童手当の特例給付が停止となります。

対象から外れる子どもの数は約61万人(全体の4%)で、年間で約370億円の公費削減になる見通しです。削減できた資金は、保育所整備など待機児童対策に充てられることになっています。
児童手当の見直し(年収は扶養親族等が3人の例)

出典:内閣府「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案の概要

ここで注意すべきは、「年収1,200万円」のボーダーラインがひとり歩きをしている傾向があることです。実際には扶養人数によって、金額は変わってきます。
特例給付の所得制限

※「扶養親族等の数」は、所得税法上の同一生計配偶者や扶養親族、扶養控除の対象でない児童で、前年12月31日時点で生計を維持していた者の数を指す。
※限度額(所得額)は、1人につき38万円(70歳以上の同一生計配偶者や老人扶養親族は44万円)を加算。
※年収(収入額)は、所得額に給与所得控除額等相当分を加算した額。実際の適用は所得額で行う。

出典:内閣府Webサイト「児童手当制度のご案内

年収の目安が「1,200万円」となるのは、扶養人数が3人の世帯。児童2人と年収103万円以下の配偶者を扶養している場合などです。
扶養人数がより少なければ、所得制限となる年収の目安は1,200万円よりも低くなります。子どもが誕生したばかりで、前年末の扶養人数が0人の場合は、所得制限となる年収の目安は1,071万円です。
逆に、扶養人数が多ければ、年収の目安は1,200万円よりも高くなります。

2022年度から、「現況届」の提出が不要に!

今回の児童手当の改正で、もう1点変更になったことがあります。

児童手当をもらい続けるには、これまでは、毎年6月頃に、家族の状況や職業、年収などを書いて出す「現況届」の提出が義務づけられていました。郵送で届き、必要事項を記入して返送するものでしたが、中には忙しさから忘れる人もいます。

2022年度からは、この現況届の提出が原則不要になりました。6月1日現在の受給者の状況は住民基本台帳などで確認されます。児童の養育状況が変わっていなければ、提出は不要です。

現況届の提出が必要な人は、離婚協議中で配偶者と別居している場合や、配偶者からのDVなどにより住民票の住所地が実際の居住地と異なる場合など。状況の確認が必要な場合に限られるようになりました。

私たちの暮らしはどう変わる?

お子さんの進路によって異なりますが、教育費は大学進学時にピークを迎えます。現在、児童手当や特例給付を受給できている人は、そのお金は大学以降の教育資金として、コツコツと積み立てておきたいものです。一方、「特例給付」の支給から外れた人は、自力で準備をしておく必要があります。

▼子どもの教育費はいくらかかる?
みらいのおかねガイド-子育て編

教育資金として、子どもが小さいうちから、毎月一定額を積み立てておくと、まとまったお金を準備することができます。ただし、時間が長いぶん、将来的に物価が上がってしまう「インフレリスク」があることも頭に置く必要があります。

インフレリスクを軽減するためには、金利の低い預金だけに頼るのではなく、積立金額の一部を、長期積立投資に回すことも選択肢となります。税制面で優遇を受けながら長期の積立投資ができる「つみたてNISA」を活用した資産運用も検討してみてはいかがでしょう。

▼「つみたてNISA」の基本を知りたい人へ
いまさら聞けない! つみたてNISAって?

▼教育資金をつみたてNISAで貯めるには?
子どもの将来に備えたい! 教育資金を貯めるなら「つみたてNISA」

※ 2022年9月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

執筆:豊田 眞弓(とよだ まゆみ)
ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、相談診断士。FPラウンジ代表。マネー誌ライター等を経て、94年より独立系FP。現在は、個人相談のほか、講演や研修講師、マネーコラムの寄稿などを行う。6カ月かけて家計を見直す「家計ブートキャンプ」も好評。亜細亜大学等で非常勤講師も務める。「50代・家計見直し術」(実務教育出版)など著書多数。座右の銘は「今日も未来もハッピーに!」。
Webサイト:https://happy-fp.com/
シリーズの記事一覧を見る >

本サイトの掲載情報は、各記事の掲載時点で当行が信頼できると判断した情報源をもとに作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当行は保証を行っておりません。