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2020.3.31

#7 年金の差し押さえ~未納はNG! 実際に財産が差し押さえられることも~

年金の差し押さえ~未納はNG! 実際に財産が差し押さえられることも~

「年金保険料を支払いたいけど余裕がない」という方は少なくありません。しかし、年金保険料を未納のまま放置しておくと、財産が差し押さえられることがあります。

この記事では、年金の差し押さえについて解説します。差し押さえのタイミングや、差し押さえの期限を延ばす方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

年金保険料納付の現状は? 未納率は増える一方……。

・国民年金の未納率は約30%

日本の公的年金には、国民年金と厚生年金があります。厚生年金は、会社員や公務員などが加入する年金です。保険料は、給与の中から会社が国に支払います。

国民年金は、20歳以上の国民すべてが加入する年金です。自営業や学生、無職の方などは毎月自分で保険料を支払う必要があります。国民年金の保険料は令和元年度時点で月1万6,410円ですが、加入者全員が支払っているわけではありません。
国民年金保険料の未納率
※厚生労働省「国民年金の加入・納付状況」を基に、株式会社ぱむ作成。
このように、約3分の1の方は国民年金の保険料を支払っていません。納付率は多少改善されているものの、未納者数はまだ多いと言えます。

・未納の原因は将来への不安?

未納者が出る主な理由として、収入が低く生活が苦しいことと、将来年金を受け取ることができるか不安になっていることが考えられます。

国民年金は、現役世代が年金受給世代に年金を支払う「仕送り方式」です。少子高齢化により、高齢者の数に対して現役世代が少なくなっているため、「将来自分が年金を受け取るとき、本当に受け取ることができるのか」と思っている方もいるのではないでしょうか。さらに、「自分たちは現在の年金受給世代に比べて負担が大きい」という不満や不信感もあります。

国民年金の保険料を満額支払った場合、老後に受け取れる金額は約月6万5,000円です(2019年11月時点)。この金額を一生涯受け取り続けることができます。
仮に、支払う保険料ももらえる年金額も今の水準と同じだとして、保険料を満額支払い、65歳から80歳まで年金を受け取るとしましょう。その場合、約788万円の保険料に対し、1,170万円の年金を受け取ることができます。人生100年と言われる時代ですので、受け取る年金はもっと多い可能性もあります。このように計算してみると、保険料の未納は損しているように感じるのではないでしょうか。

財産の差し押さえは実際に行われている!

・未納により、年間1万4,000件差し押さえられている

国民年金未納者の多くは、国民年金の未納によって財産の差し押さえが本当に行われているのか気になることでしょう。下記のグラフをご覧ください。
国民年金保険料の未納率
※日本年金機構「国民年金の加入・納付状況」を基に、株式会社ぱむ作成。
最終催告状は納付書とともに送られる文書で、指定期限までに納付しないと財産の差し押さえが行われることを警告するものです。

督促状は、最終催告状の指定期限を過ぎても納付されないときに納付を督促する文書です。それでも納付されない場合は延滞金が発生したり、世帯の財産の差し押さえが行われたりします。

実際に財産の差し押さえが行われた件数は、平成28年度は1万3,962件、平成29年度は1万4,344件でした。

差し押さえの対象者は、所得額300万円以上で7ヵ月以上保険料が未納の方です。ただし年々条件が厳しくなっているため、今は大丈夫でも来年以降も差し押さえをされないという保証はありません。

年金保険料未納による差し押さえのタイミング

・未納から差し押さえまでの4ステップ

差し押さえまでの流れ
※厚生労働省「国民年金の未納者に対する対応」を基に、株式会社ぱむ作成。
こちらの図のとおり、いきなり財産が差し押さえられることはありません。

■納付督励
納付督励は、電話や訪問、催告状によって納付を促し、それでも納付されないときは特別催告状によって納付を促すものです。

■最終催告状
納付督励でも納付されない場合は、最終催告状が送られます。これは納付書とともに送られ、指定期限までに納付しないと財産の差し押さえが行われることを伝えるものです。

この段階では分割納付が認められる可能性があり、また猶予を申請することもできます。リスクなく納付するなら、ここが最終ラインと考えていいでしょう。

■督促
督促の段階になると、督促状が送られます。これも、指定期限までに納付されないと財産の差し押さえが行われることを伝えるものです。ただし、このままだと延滞金が課される旨や、世帯主や配偶者の財産の差し押さえが実施されることも書かれており、最終催告状よりも重い内容です。

■差し押さえ予告
督促状を無視していると財産調査が入り、差し押さえが現実味を帯びてきます。延滞金が課され、分割納付もできなくなるなど、デメリットはかなり大きくなります。そして差し押さえ予告が送られ、いよいよ財産が差し押さえられます。

■差し押さえ
差し押さえの対象は、所得や不動産、生活必需品以外の動産、預金口座や有価証券などです。このような強制徴収にならないように、国民年金保険料は早めに払うようにしてください。

差し押さえの期限を延ばすための方法がある!

・保険料の免除や猶予申請

国民年金保険料が未納だと財産の差し押さえが行われることは理解できても、できれば今は支払いをしたくないという方もいるでしょう。その場合は、国民年金保険料の免除・猶予申請をすることをおすすめします。

日本年金機構のホームページで国民年金保険料免除・納付猶予申請書をダウンロードし、記入して送付します。申請が認められれば、国民年金保険料の納付の免除または猶予を受けることができます。

日本年金機構の国民年金保険料免除・納付猶予申請書があるページは以下のとおりですが、できれば直接窓口や年金事務所に行って相談したほうが確実です。

【関連サイト】日本年金機構「国民年金保険料に関する手続き


免除や猶予以外では、最終催告状が届いた段階で役所の年金窓口または年金事務所で分割納付の相談をする方法があります。分割で支払うことを約束しておけば、財産の差し押さえへと手続きが進むということを避けられます。

いずれにしても、困ったときには役所の年金窓口か年金事務所で相談しましょう。払いたくないから無視するのではなく、解決の方法を調べて行動することが大切です。

差し押さえの直前になって慌てても、延滞金がかかってしまいます。できるだけ早い段階で免除や猶予、分割の相談をして、問題を解決するようにしましょう。

国民年金は誰もが払うべきものなので、問題は先送りにせず、人に頼りながら少しずつでも支払う方法を探しましょう。

まとめ

国民年金保険料は、加入者の約3分の1の方が未納という状況です。しかし未納のまま放置していると、財産を差し押さえられるリスクがあります。平成29年度は、実に約1万4,000件もの差し押さえが行われました。

財産の差し押さえまでには段階があり、納付督励、最終催告状、督促、差し押さえ予告と進んでいきます。いきなり財産を差し押さえられることはありませんが、差し押さえが行われるタイミングは覚えておきましょう。

国民年金保険料の納付が難しい方は、免除・猶予申請や分割の相談をするべきです。無視して未納を放置せず、できることを探して対処するようにしましょう。

※この記事は2020年1月現在の情報を基に作成しています。今後、変更されることもありますのでご留意ください。
記事提供元:株式会社ぱむ

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