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2020.9.16

#10 年金の追納~年金保険料を追納すると受給額が増える仕組みを解説~

年金の追納~年金保険料を追納すると受給額が増える仕組みを解説~

国民年金は日本に住む20歳以上のすべての国民に加入義務がありますが、経済的理由などで年金保険料の支払いの「猶予」や「免除」を申請することができます。猶予または免除された年金保険料は後で追納でき、追納したほうが得になることが多いことをご存じでしょうか。

この記事では、年金保険料を追納することでなぜお得になるのか、また追納方法や最適なタイミングも紹介します。現在年金が払えていない人や追納について検討している方はぜひ参考にしてください。

年金保険料は追納できる!

・国民年金と厚生年金

日本の公的年金には、国民年金と厚生年金があります。

国民年金は学生や無職の方、自営業者、専業主婦などにも加入義務があります。20歳から60歳まで月1万6,410円を支払うことで、老後に月約6万5,000円の年金がもらえます。

会社員や公務員の配偶者である専業主婦(主夫)は、国民年金保険料の負担はありません。

厚生年金は会社員や公務員が加入する年金です。厚生年金保険料は月給の18.3%で、その半分が給与から天引きされ、残りの半分は会社が負担します。厚生年金保険料には国民年金保険料も含まれており、国民年金と厚生年金の両方に加入していることになります。

厚生年金の受給額は収入によって異なりますが、国民年金と合わせて平均で月約145,000円です。
年金がいくらもらえるのかの詳細はこちらの記事をあわせて確認してください。

【関連記事】年金の受給額~わたしはいくらもらえる?年代・年収・職業別に解説~

・追納でもらえる年金額が増える

国民年金は月約6万5,000円もらえますが、これは60歳までの40年間、国民年金保険料をきっちり支払った場合です。年金保険料の猶予や免除、未納などがあると、受給額は減ります。

国民年金には、年金保険料の「猶予」や「免除」を申請できる仕組みがあります。「学生である」、「失業した」、「所得が低い」、「産前産後」などの理由で保険料の支払いが難しい場合、申請することで猶予や免除を受けられるのです。

具体的にどのような場合に「猶予」や「免除」できるのかの詳細はこちらの記事をあわせて確認してください。

【関連記事】年金の未納~払わなくても良い?払わないとどうなる?~


2020年51日からは、新型コロナウイルス感染症の影響により国民年金保険料の納付が困難となった場合の臨時特例免除申請も可能となっています。(20202月分以降支払い分における国民年金保険料が対象)

当事者にとってはありがたい制度ですが、猶予や免除された分、年金の受給額が減ります。

猶予や免除などによって、将来の年金が減ることを不安に思う方は多いでしょう。その救済措置として、「追納」という仕組みがあります。追納とは、免除や猶予された期間の年金保険料を10年まで遡って支払うことができる制度で、これによって年金額の減少を防ぐことができます。


追納は、一括払いと分割払いから選ぶことができます。ただし3年以上前の年金保険料を追納する場合は、経過期間に応じた加算額が上乗せされますので注意しましょう。

なお、猶予や免除の申請をせずに年金保険料を支払わないことを「未納」と言い、未納分の保険料を後から支払うことはできません。

年金保険料は追納したほうがお得

・2年分の追納で年金が月3,300円増える

せっかく猶予や免除された年金保険料を後から支払いたくないという方もいらっしゃるかもしれません。なぜ追納したほうがお得なのか、まずはもらえる年金額の違いを確認しましょう。
年金保険料未納による差し押さえまでの流れ
保険料を2年間猶予された後、追納した場合と追納しなかった場合を比べると、年金受給額は月3,300円、年間で約4万円の差があります。追納額は約39万円なので、年金を10年以上受け取るのであれば追納したほうが得ということがわかります。

現役世代の方のほとんどは65歳から年金を受け取れます。平均寿命を考えると、年金を10年以上受け取れる可能性は高いと言えるでしょう。

・年収500万円の方が40万円追納すると約12万円節税できる

年金の追納は節税という観点でもお得です。年金の追納分は社会保険料控除の対象なので、その分所得税や住民税が軽減されます。以下の図は、40万円追納した場合の節税額です。
年収300万円の場合は約8万円、500万円の場合は約12万円節税できます。

年金保険料を追納することで将来の年金額が増え、節税にもなるというメリットがあることがわかりました。追納に抵抗がある方も、これらのメリットを知ることで追納しようと思うのではないでしょうか。

いつ追納するのが吉? 追納の最適なタイミングを見極める方法

・おすすめは、追納することで所得税率が下がるとき

年金保険料の追納は3年以上経つと加算額が上乗せされるので、基本的には2年以内に追納するべきです。しかし節税のことまで考えると、必ずしも2年以内に追納するのがお得とは言えません。なぜなら、所得税と住民税は年収に応じて税金の額が異なるからです。

先ほどの図のように、40万円追納する場合、年収300万円なら約8万円、年収500万円なら約12万円の節税になります。年収が高くなってから追納したほうが節税効果が高くお得なのです。

追納の最適なタイミングは、追納することで所得税率が下がるときです。
所得税率は、課税の対象となる所得金額によって異なります。課税の対象となる所得金額は、年収から基礎控除や配偶者控除、社会保険料などを差し引いた金額です。
たとえば課税所得が700万円の場合の所得税率は23%ですが、40万円追納することで660万円になれば所得税率が20%に下がります。974,000円支払うはずの所得税が892,500円に減るわけですから、節税効果の大きさがわかります。

よって、追納は2年以内に済ませるか、収入が大幅に上がった時や、追納によって所得税率が下がる時に行うのがおすすめです。

年金保険料を追納する方法

・追納は書類を1枚書いて支払うだけ

年金保険料を追納することはメリットが多く、得であるということがわかりました。しかし、年金保険料を追納する方法を知らない方は多いでしょう。やり方がわからずに追納を後回しにしているという方もいるかもしれません。ここでは、年金保険料の追納手続きを紹介します。

年金保険料の追納方法はとても簡単です。住民票の住所を管轄する年金事務所で追納を申請し、厚生労働大臣の承認後に渡される納付書を使って追納分の保険料を支払うだけです。

年金事務所まで行かず、郵送で申請することもできます。その場合はパソコンなどで「ねんきんネット」にアクセスし、追納申込書をダウンロードしましょう。必要事項を記入後、捺印をして年金事務所に送ってください。後日送られてくる納付書で、追納分の保険料を支払います。

特に複雑なことはなく、必要書類を提出し、追納分を支払うだけで追納が完了します。何かわからないことがあれば、年金事務所に問い合わせましょう。

まとめ

公的年金には、国民年金と厚生年金があります。
国民年金は猶予や免除期間があると、将来受け取る年金額が減ってしまいます。
猶予や免除期間の年金保険料を後から支払うことを追納と言い、10年まで遡って支払えますが、3年以上経過したものについては加算額が上乗せされます。

追納には、「年金額が増える」「節税になる」というメリットがあります。所得税と住民税の節税を目的に、追納のタイミングを決めても良いでしょう。

追納は、年金事務所に行くか必要書類を郵送することで簡単に手続きできます。猶予や免除を受けたことのある方は、この機会に追納の検討をおすすめします。

※この記事は2020年3月に公開した内容を2020年9月に内容を更新して掲載しています。今後、変更されることもありますのでご留意ください。
記事提供元:株式会社ぱむ

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