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2020.12.3

#3 一般NISAが使えるのはいつまで? 期限が過ぎるとどうなる?

一般NISAが使えるのはいつまで?期限が過ぎるとどうなる?

NISAには一般NISAとつみたてNISAの2種類があり、いずれも投資で得られた利益に税金がかからないことが大きなメリットです。
しかし一般NISAの非課税期間は5年間で、5年経過後はこれまでの投資したお金をどのように取り扱ったら良いのか疑問に思う人もいることでしょう。
この記事では、一般NISAの非課税期間が終了したあとの対処法について、具体例を含めて解説しています。

一般NISAが使えるのはいつまで?

一般NISAの非課税期間は5年間

一般NISAは国の「貯蓄から投資へ」の方針により、国民の資産形成の後押しをすることを目的として2014年1月にスタートした制度です。一般NISAは投資で得た利益を非課税で受け取ることができる制度で、非課税となる期間は5年間です。

一般NISAは2014年からスタートした制度なので、2019年に初めて非課税期間の5年間を経過する人が現れ、どのように対処していいのかということに疑問を持ち始める人が多いようです。

まずは一般NISAの制度をおさらいし、5年経過後はどうすれば良いのかを確認しましょう。

一般NISAの概要

一般NISA制度は、上場株式や投資信託に投資をして、値上がり益や分配金が生じた場合は利益に対して税金がかからないというものです。しかし、いくら投資をしてもその分の利益に税金がかからないわけではなく、年間の非課税枠は120万円と決まっています。

一般的な投資では、利益に対して20.315%の税金がかかります。
一般NISAでは、年間の最大非課税枠120万円を投資して150万円になった場合、30万の利益に対して税金がかかりません。
しかし一般NISAを利用していない場合、利益30万に対して20.315%の税金がかかるため、6万945円が税金となり、手元に残る利益は23万9,055円になってしまいます。
一般NISAとは

また、一般NISAで利益に税金がかからない期間は「5年間」と決まっています。
では、その5年間という期限がきたとき、どのような対応が必要なのでしょうか。 

一般NISAの詳しい仕組みや活用方法については以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】NISAとは?基本や注意点、活用方法を知ろう!

一般NISAは1度だけ「繰り越し」ができる

一般NISAの非課税期間(5年間)終了後の選択肢

1つ事例を挙げてみましょう。
2016年に元本120万円で投資をスタート。順調に資産は増加し、2020年に非課税期間の5年が終了しようとしています。120万円の元本は2020年で150万円まで増加したとします。

5年経過後の選択肢としては下記の3通りです。 
① 翌年の非課税枠に繰り越しをする(ロールオーバー)
② 売却をして非課税効果を享受する
③ 特定口座・一般口座で保有する

①次の非課税枠に繰り越しをする(ロールオーバー)

1つ目の方法は、150万円を2021年の一般NISAの非課税枠に入れる方法です。
このようにこれまで運用していたお金を5年間経過後に繰り越しをすることをロールオーバーといいます。ロールオーバーの場合は、120万円の非課税枠を超えていても繰り越しをすることが可能です。つまり今回の場合は120万円の非課税枠を超えて150万円を繰り越すことが可能です。
NISAロールオーバー時の図

ロールオーバーの注意点

ロールオーバーを活用すれば5年の非課税期間を過ぎても引き続き運用ができるので、便利な制度といえますが、以下のような注意点があることも知っておきましょう。

新たな投資ができない
150万円を2021年分の非課税枠に繰り越ししたことで、2021年分の120万円の非課税枠はすでに使い切ってしまいました。そのため、2021年に新たに120万円分の投資をすることができません。

ロールオーバーの結果元本割れすることも
また、投資は価格が変動するため150万円を繰り越したからといってその後も利益が出るとは限りません。元本120万円が150万円に増えたのに、ロールオーバーしたことで後々元本割れする可能性もあるので注意が必要です。

ロールオーバーは大きな資金でさらに大きな収益を狙って、なおかつ非課税の恩恵も受けたいという人に向いています。

②売却をして非課税効果を享受する

元本120万円だったものを150万円で売却し、そのまま受け取るケースです。NISA制度を利用しているので利益30万円分に税金がかかりません。非課税効果を最大限享受して、終了するパターンです。
しかしそのあと、仮にどこにも投資をせずに預金口座などに入れておくだけの場合は、大きく資産を増やすことはできないでしょう。

この場合は、2021年の非課税枠120万円を全て利用することが可能です。

増えた分の利益は確定させて、新たな120万円の非課税枠を利用したい人に向いている方法です。
NISA売却時の図

③特定口座・一般口座で保有する

特定口座・一般口座に移して保有する方法もあります。
特定口座や一般口座は課税される投資用の口座です。NISA口座で投資して増えた利益は非課税で受け取れるのに対し、特定口座・一般口座で投資して増えた利益には税金がかかります。

また、この場合も2021年のNISA口座の非課税枠は120万円分が未使用なので全て利用することができます。

NISAで非課税枠をつかった投資も行い、特定口座・一般口座でさらに追加で投資を行うという、投資に対して積極的な人が向いている方法です。
NISA移管時の図

①~③の組み合わせる方法もあります。

これまで述べてきた①~③の方法を組み合わせる方法もあります。150万円のうち50万円を売却して受け取り、50万はロールオーバー、残りの50万を特定口座・一般口座で保有するという方法もあります。組み合わせについてはご自身の現在の収入や貯蓄額、資産状況、今後の支出予定などを踏まえて検討していきましょう。

一般NISAは2023年に終了し、2024年から新NISAが開始

一般NISAは2023年終了(非課税期間は2027年まで)予定でしたが、新NISAが2024年からスタートするため、実質「NISA制度」への新規申し込み可能期間は2028年まで延長されることになりました。

新NISAの最大の特徴は、投資対象商品が2階建て構造になったという点です。今まではNISA対象商品でなおかつ年間120万円までなら自由に商品を購入することができました。
しかし新NISAでは、1階部分については分散投資効果がある、つみたてNISAと同じ商品で運用し、非課税枠の上限は年間20万円です。2階部分は個別株や株式投資信託で運用することができ、非課税枠は102万円です。
一般NISAと新NISAの違い
1階と2階に分けたのは、1階部分の積立運用をベースとすることで安定した資産形成を推進することが狙いと考えられます。

非課税期間は5年間で変更がないため、現状の一般NISAと同様で、短期~中期運用が目的の場合に向いています。また、新NISAも引き続き購入できる商品が多く、リスクの高い商品に積極的に投資して、なおかつ非課税枠の恩恵を受けたい人に向いています。

非課税枠を使って上手に資産形成しよう

一般NISAは取扱商品が豊富で、リスクは高いですがリターンの大きい商品に投資をすることができ、なおかつ利益がでれば非課税となります。
また商品の中には投資信託もあり、資産分散の効果で比較的リスクが低く安定したリターンを得られる商品も存在します。リスクが高い商品に抵抗がある場合は、投資信託を選択すると良いでしょう。

5年の非課税枠期間の経過後はロールオーバーも可能で、そのまま継続して投資をすることもできます。

今後、新NISAの導入によって、リスクを取りながらも大きなリターンを得る運用と、長期積み立てをしてゆっくり資産形成を行う運用を組み合わせることが可能になる予定です。

投資で利益が出た場合の税金は20.315%です。非常に大きな優遇ということを再認識して、上手に資産形成をしていきましょう。

まとめ

一般NISAは2014年からスタートし、非課税期間の5年をむかえる人が現れ始めました。NISAは非課税期間が終わった後は、繰り越し(ロールオーバー)をする方法、そのまま受け取って非課税効果だけを享受する方法、特定口座や一般口座に移して運用を続け、別途NISAでも投資をするという積極的に投資をするパターンがあります。
一般NISAは2023年の申し込み分で終了し、新NISAがスタートします。新NISAは低リスクの商品の取り扱いを促す仕組みになっており、安定した資産形成を推進する目的があります。
NISAからつみたてNISAへの切り替えも可能で目的によってNISAも使い分けをすることもできます。投資の利益に対しての非課税効果は大きな優遇制度です。それぞれのNISAを上手に活用して資産形成に役立てていきましょう。


※この記事は2020年12月時点の情報を基に作成しています。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

執筆:金子 賢司
個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務めるファイナンシャルプランナー。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。CFP、日本FP協会幹事。
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