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2020.9.16

#12 投資信託の「リバランス」って? みんなやっているってホント?

先進国の中でも預貯金率が高い日本人。なぜ、日本人は資産運用に対して消極的なのでしょうか?

マネービバが意識調査を実施して、読者の皆さんの本音に迫ります。第12回では、投資信託での「リバランス」がテーマ。

資産運用経験者がリバランスをしているかどうかについてアンケート調査した結果をもとに、ファイナンシャルプランナーの山口京子さんが長期運用のヒントを読み解きます

アンケート調査では65%が実施している、投資信託のリバランスとは?

「リバランス」とは、資産運用での資産配分が当初の割合から変わってきたときに、最初に決めた割合に戻すことを言います。

なぜ配分を元に戻す必要があるのでしょう? それは、配分が変わると、リスクが大きくなりすぎたり、期待通りの運用ができなくなったりするからです。

わかりやすい例として、株式と債券を半分ずつ持っていた場合を考えてみましょう。株式が値上がりしたら株の比率が高くなます。リスクが高いという株式の比率が高くなるということは、資産全体のリスクも当初より高くなることに。そこで、株式を売って債券を購入することで元のバランスに戻す(リバランスする)のです。
また、投資信託のなかには、バランス型ファンドと呼ばれる、自動でリバランスをしてくれる商品もあります。その場合は、自分でリバランスをする必要がありません。できるだけ手間を省きたいという方なら、バランス型ファンドを選ぶのも手ですね。

さて、その投資信託のリバランスについて、実際に行っているかどうかをマネービバ読者に聞いてみました。

Q1:購入商品のリバランスはしていますか?(%)

(n=115)<単一回答>
*「投資信託を購入したことがある」と回答した人に質問

今回のアンケート結果では、リバランスを定期的、もしくは定期的ではないけど行っているという人が、65%もいました。みなさん、きちんと投資の勉強をされて、投資効果を出すために、運用商品の配分をチェックしているということですね。

ただ、特に株式が値上がりしている時は、「早く株を売って債券を増やさないと、リスクが高くなるのでは?」と心配しがちですが、こまめにリバランスしすぎると逆に投資効果が落ちることもあるので、注意しましょう。

たとえば、値動きが大きなファンドと小さなファンドを持っていたとします。こまめにリバランスするということは、値が大きく上がる前に値動きが小さいファンドの割合を増やすことになり、リバランス前に比べると、値上がりする割合は減ってしまうのです。

また、NISA(少額投資非課税制度)のような非課税口座を利用していない場合は、信託財産留保金がかかるファンドを売る時に手数料や運用益に対する税金がかかります。当然その分は、リバランス後の再投資に回すことはできないことも覚えておきましょう。

アクティブ型でもインデックス型でも、リバランスする人が多数派

Q.2 <購入した商品のタイプ別>購入商品のリバランスはしていますか?(%)

(n=106)<単一回答>
*「投資信託を購入したことがある」と回答した人のうち、購入した投資商品のタイプについて「アクティブ型メイン」「インデックス型メイン」「アクティブ型とインデックス型を半々程度」のいずれかを選んだ人の回答を抽出

アクティブ型の投資信託とは、値上がりを見込める商品に積極的に投資する商品。一方、インデックス型の投資信託とは、日経平均株価など特定の指標の値動きに連動することを目指す商品です。

今回、購入した商品タイプごとにリバランスをしているかどうかを見てみたところ、「アクティブ型がメイン」、「アクティブ型とインデックス型を半々程度」の人の方が、「インデックス型メイン」で購入している人に比べてリバランスをしている割合が多いことがわかりました。

「インデックス型メイン」の人は、日経平均株価やTOPIXなど、それぞれの指標に含まれる企業全体に投資することで、すでに十分分散投資はできているから、「買ったら後は特に何もしなくていい!」という人が多いのかもしれません。

理想的な資産配分をキープするために、リバランスしよう

投資信託の「リバランス」には、大きく分けると3タイプあります。

1つ目は、値上がりして割合の多くなった投資信託の値上がり分を売却して、割合の減った投資信託を購入する方法。リバランスでよく使われるやり方です。

2つ目は、割合が減った投資信託を、新たな資金で追加購入する方法。資金に余裕があるときにできるリバランスです。「割合が減った=値下がった」商品を積極的に買い増すので、心理的なハードルが高くなります。

3つ目は、各投資信託の積立額を調整して、バランスを戻す方法。たとえば、株が値上がった場合は、株の投資信託の積立をストップして、債券だけ買っていきます。リバランスが完成するまでに時間がかかりますが、つみたてNISAでリバランスする場合に使いたい方法です。

つみたてNISAの場合、毎月積立で購入するため、値下がりした投資信託を一気に買い増すというリバランスができません。リバランスが必要な時は、各投資信託の積立額を見直して、目標の配分に戻すのが良いでしょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の場合は、「配分変更」と「スイッチング」ができる仕組みになっています。「配分変更」はこれから買う、各投資信託の配分を変更すること。「スイッチング」は、値上がりした商品Aの一部を売って、その金額で値下がりした商品Cを買い増ことで、購入済みの商品の割合を変えることができます。

では、どのくらいのタイミングでリバランスをするのが良いでしょうか? 時間でいうなら「3年に1度くらい」、配分の割合で言うなら「10%以上資産の割合が変わった時」を目安として覚えておきましょう。

また、ライフスタイルが変化したときは、リバランスではなく、ポートフォリオ(運用商品の組み合わせ)自体を見直す「リアロケーション」をする必要があります。

たとえば、20~30代などの若い世代で、年収が増えて余裕資金が増え、将来に備えて資産を大きく育てたいという場合は、よりリターンを得るためのポートフォリオへ。

子どもが義務教育を終え、教育費の支出が増えるようなタイミングや、定年が近づき老後資金を目減りさせないように運用したい場合は、リスクを抑える守りのポートフォリオへ、という具合です。

「〇〇ショック」のような株価が大きく変動するタイミングでは、株を売って債券に変えてリスク回避をするケースもありますが、積立型の場合であれば株の投資信託を積極的に買っていきたいところです。

なぜなら、値下がっている時は、たくさん口数を買える時。積立型の投資にとっては有利な局面です。そういう時は、株の投資信託を買うのをストップしないこと。もし、株の投資信託以外の配分が10%以上変わっていたら、その分の資産を売って株の投資信託を買い増しても良いでしょう。

リバランスのタイミングやポートフォリオの選び方に迷った場合は、金融機関などでも丁寧に教えてもらえます。気軽に相談してみましょう。

【アンケート調査概要】
●調査時期:2019年12月26日~2020年1月17日
●調査方法:インターネット調査
●調査地域:全国
●有効回答数:302人

※ 2020年9月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

執筆:山口京子

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