お金も時間も自由に使えて、自分らしい生活を送ることができる「おひとりさま」。日本では年々未婚率が上昇していることもあって、おひとりさまのライフスタイルが注目を浴びています。実際、公私ともに充実しているおひとりさまは多いけれど、一方では、「このままずっとひとりで生きていけるのかな」「貯蓄が少なくて老後が心配」など、今後の人生に不安を感じている人がいるのも事実です。そこで、Money VIVA編集部がマイナビニュースとコラボし、おひとりさまのお金事情を調査! ベールに包まれたおひとりさまの意外な事実を、辛口FPと一緒に明らかにしていきます!
おひとりさまは、どれくらいためている? 人によって貯蓄額に大きな差が……!?
「毎月入るお給料のすべてを自分のために使える」「いつ、どこで何をしようと、誰にも文句を言われない」など、自由な生活を望んでいる人にとって、おひとりさまはメリットがいっぱいに思えるかもしれません。しかし、心のどこかにある「不安」はなかなか消えないものです。
なぜなら、生涯ひとり暮らしをする「おひとりさま」には、老後も含めてすべての生活を自分自身でまかなっていく必要があるからです。そのため、早くから老後のことを考えて、資産形成を行っているおひとりさまもいるようです。
今回、アンケートに協力してくれたのは、30~49歳のおひとりさま男女。約850名の方が、年収や貯蓄額、老後に対する意識、資産運用の状況などについて答えてくれました。
まずは、おひとりさまの貯蓄額についてみていきましょう。
「金融資産の総額を教えてください」との質問に対して、100万円未満と答えた人が40%以上いました。一方、「1,000万円以上」と回答した人が20%弱いて、貯蓄額に格差があることがわかりました。
超低金利が続く日本では、銀行にお金を預けてもほとんど増やすことができないため、最近は、資産運用でお金を増やしている人が増えています。今回の調査では、おひとりさまもその傾向が高いことがわかりました。
「資産運用を行っていますか?」という質問に対して、30%近くの人が「行っている」と回答。「始めたいと思っている」と回答した人を加えると、実に75%もの人が資産運用を前向きに考えています。
では、おひとりさまは、どのようなきっかけで資産運用を始めたのでしょうか。
■貯蓄を始めたきっかけを教えてください。
・30歳になって、老後の生活費をためる必要性を感じた。
・老後資金に不安を感じた。
・一人っ子で、頼りになる人が周囲にいないため。
・50歳でセミリタイアしたいから。
最も多かったのは、「老後への備え」という回答。やはり老後に不安を感じて資産運用を始めたおひとりさまが多いようです。老後に限らず、「不測の事態に備えるため」という理由から貯蓄している人もいました。1,000万円以上の金融資産を達成しているおひとりさまのなかには、「使い道がないから」「勝手にたまっていく」と答えたツワモノもいました。

- <辛口FPのコメント>
私も夫と離婚してから長いことおひとりさま生活をしているけれど、今回のアンケート結果と同じようなことを感じていたわ。だって、ひとりで生活をしていく以上、一番の支えとなるのがコツコツとためてきた「金融資産」だもの。人生を謳歌するのも大切だけれど、ほどほどに使って、しっかりためる。これが老後に備えるための一番の近道よね。
貯蓄がほとんどできていない人は、使いどころとためどころのメリハリをしっかりつけてほしいわね。
老後の不安が尽きないおひとりさま。すでに資産運用を始めている人も!
1,000万円以上の金融資産をもっているおひとりさまの多くが、「老後に備えている」ことがわかりました。でも、どうすれば1,000万円以上の金融資産をためることができるのでしょうか。そもそも、老後に不安を感じているおひとりさまはどれくらいいるのでしょうか。
「老後資金に不安を感じたことはありますか?」という質問に対して、約80%のおひとりさまが「ある」という結果に。ほとんどの人が老後にかかるお金への不安を感じていることがわかりました。
次に、資産運用をしたことがあるおひとりさまに、「どのような資産運用をしているか」聞いてみました。
ダントツで多いのが「つみたてNISA」で、42%の105名が老後のお金のためにつみたてNISAをしていることがわかりました。また、「国内株式」(39.6%)や「投資信託」(37.2%)を購入している人も多く、「iDeCo」で積み立てをしていると回答した人も32.8%いました。
資産運用以外にも、老後のためにできることはたくさんあります。今回の調査でも、さまざまな意見が飛び出しました。
■老後のためにしていることは?
・病気などで出費しないよう、日頃から健康管理を行っている。
・筋トレをして、健康を維持する。
・健康的な生活を送るため、サプリメントを摂取する。
・生活水準を過度に上げない。
筋トレをしたり、サプリメントを摂取したりといった、「健康」を意識したコメントが多いことがわかります。日本は世界有数の長寿大国として知られていますが、最近は、平均寿命から寝たきりなど介護状態の期間を差し引いた「健康寿命」が注目を浴びています。長く健康な生活を送るためにも、日頃から健康な生活を心掛けているおひとりさまが多いのでしょう。
おひとりさまの思いは複雑で、「老後資金に不安がある」という理由からすでに資産運用を始めたり、健康維持を心掛けている人もいれば、「資産運用をしたいが、まだ始めていない」「現在は、資産運用を行う気がない」と答えている人もいます。では、なぜ資産運用をしていないのでしょうか。
「老後資金のために資産運用していない理由」について聞いてみると、どうやら資産運用に対して「わからない」「怖い」といった印象を抱いている人が多いようです。
■老後資金のために資産運用していない理由は?
・知識不足で、何から始めればいいのかわからない。
・元本割れのリスクがあるし、投資に対して恐怖心を感じるから。
・そもそも運用の仕方がわからない。
・興味はあるが、忙しくて資産運用をする時間がない。

- <辛口FPのコメント>
とても興味深い調査結果が出たわね。すでに資産運用を始めて大きく増やしている人もいれば、「資産運用を行う気がない」ときっぱり答えている人もいる。仕事もプライベートも自分のスタイルを貫いているおひとりさまらしい結果なのかもしれないわね。でも、資産運用を行う気がない人は、投資に対して正しい理解をしていない人が多いのかもしれないわ。おひとりさまの大先輩として、モノ申したいことがある。それは、人生は短く、あっという間に老いるということよ!だからこそ、老後が来る前にいろいろと準備しておくことが大切よ。
辛口FPからのまとめ:ひとりで生きていくために必要なお金を把握して、今すぐ資産運用を始めて!
もしもあなたが生涯、おひとりさまを貫きたいのなら、これから先の人生について具体的にイメージしてほしいの。
たとえば、
老後の生活費はどれくらいかかるのか。いつ、どんなことが起きて、どれくらいの支出がかかるか。これから先も、あなたが自分らしく自由に生き生きと暮らしていくためにも、老後の支出を想定して、今のうちから準備を始めて。
「老後の支出なんて、イメージできない」って? そんな人は、自分に似た収入の人や、自分に似たライフスタイルを送っている人を参考にするのもよい方法よ。
実際、イメージしてみると、老後までにまとまったお金を準備しなくちゃって思う人がほとんどだと思うの。残念ながら、
コツコツ預金するだけではお金は増えないから、資産運用をすることが大切よ。資産運用は「怖い」「よくわからない」って思っている人も多いと思うけど、正しい方法を知れば、怖くもないし、難しいものではないの。
いずれにしても、
資産運用は早ければ早いほど、有利になる。特に積立投資なら、「複利」と「時間」の効果で大きく増える可能性があるわ。だから、今すぐにでも老後の資金を把握して、資産運用をスタートしてちょうだい。
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年金シミュレーション▼アンケート出典調査タイトル:お金事情についてのアンケート
調査主体:マイナビニュース
調査時期:2022年11月4日~11月6日
調査対象:30歳から49歳の未婚男女
調査数:845人
調査方法:インターネットログイン式アンケート
※2023年1月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。
高山 一恵(たかやま かずえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)、一級FP技能士。株式会社Money&You取締役。
全国での講演活動、執筆、マネー相談を通じて、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。女性向けWEBメディア『FP Cafe®』や『Mocha』も運営。また、『Money&You TV』や「マネラジ。」「Voicy」などでも情報を発信している。 主な書籍には、「はじめてのNISA &iDeCo」(成美堂出版)「1日1分読むだけで身につく お金大全100」(自由国民社)」「はじめのお金の基本」(成美堂出版)「マンガと図解 はじめてのFIRE」(宝島社)などがある。
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