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2020.10.7

#3 まずは休日で月5万円稼ぐことから始めよう。トイアンナさんがフリーランスになりたい人に伝えたいこと

働き方が変わりつつある昨今、自分らしい働き方をすでに実践している人に、仕事、生活、お金についてリアルな話を聞く連載企画「理想のワークスタイルの見つけ方」。第2回目はライターのトイアンナさんです。

帰国子女だったトイアンナさんは、慶應義塾大学卒業後、P&Gジャパンに就職。マーケターとしての経験を積みます。そんなキャリア職をひた走っていた彼女が、なぜ恋愛コラムを中心に活躍するWEBライターになったのでしょうか? そして、お金事情はどのように変化したのでしょうか。会社員時代からライターへ、そして現在にいたるまでを聞いていきます。

<プロフィール>
トイアンナさん

1987年生まれ。慶應義塾大学卒業後、P&Gジャパン、LVMHグループで約4年間マーケティングを担当。会社員時代から始めた人気ブログ『トイアンナのぐだぐだ』は最高月間50万PVを記録。このブログをきっかけとしてWEBライターの道へ。著書に『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』など。
□ まずは趣味としてブログをスタート。ゴールを明確にした「読ませる記事」で読者=ファンを獲得 □ 会社員時代からWEBメディアに寄稿し、ライターとしての地盤を固めてから独立 □ 会社員時代に培った「マーケティング力」を武器にすることで、ライターとしてのオリジナルポジションを築き上げる □独立したいなら、まずは会社員+月5万円の副収入から目指そう

仕事選びで重視していたのは、マーケティング力を身に付けられるかどうか。

意外にも学生時代の起業は失敗に終わったというトイアンナさん
意外にも学生時代の起業は失敗に終わったというトイアンナさん
女性の生き方や恋愛、キャリアについて執筆している人気ライターのトイアンナさん。
実は、トイアンナさんが初めて独立したのは学生時代。2つの会社を立ち上げたものの、ターゲットを見誤ったり、サービスのUI(ユーザーインターフェース)を追求できなかったりしたことから、いずれも失敗に終わってしまいます。

「その苦い経験から、マーケティングのスキルを身につけなければと痛感しました。そのため、就職活動は部署別採用をしている企業に絞り、マーケティングの部署に応募しました」

その結果、入社を決めたのがP&Gでした。男女平等に出世できることも決め手になったものの、その分、徹底した実力主義。厳しい職場で即戦力として扱われたことで、マーケティング力は磨かれました。しかし、帰宅が深夜になることもしばしば。このまま働き続けると、心身ともに疲弊してしまうと転職を決めます。

余暇を使ってブログをスタート! これが独立のはじめの一歩だった

次の職場は世界中のハイブランドを傘下におさめるLVMH。非常にゆったりと働ける環境で、完全週休2日制で残業もほとんどありませんでした。

「激務に慣れていたので、余暇があると『何かしなければ!』と感じてしまうんですね(笑)。そこで、当時流行っていたブログを、主にマーケティングや女性のライフスタイルといったテーマで書き始めることにしました。もともと書くことは得意。学生時代から友達に卒論のアドバイスをしたり、小説を書いたりしたことも……。小説は今読むと目も当てられませんが(笑)」

ブログというと日記のようなものが多いですが、トイアンナさんの場合、文章を書く際には、それを企画として練り上げ、ゴールを明確にした記事として成り立たせる力が、マーケティングの仕事によって磨かれていました。「読ませる記事」として完成されたブログ記事は人気を博し、読者やツイッターのフォロワーがじわじわと増えていきます。

まずは就業規定に違反しない形でWEBライターをスタート。これが結果的に独立の基盤に

ブログを書いている中で、転機がありました。それは、女性向けのWEBメディアから記事を書いてみないかという声がかかったことです。

しかし、当時は会社員。就業規定で問題のない範囲でWEBライターをスタートすることになりました。
「子どもの頃から書くのは得意で、息をするようにできた」というトイアンナさん。
ライティングは楽しんでやっていましたが、それでも独立については、ライターを始めたこの時点では考えておらず、実際にそれを検討し始めたのには、プライベートでの事情がありました。

「当時の夫がロンドンに転勤することになったんです。マーケティングの仕事を続けたかったのですが、日本の大学卒で、かつ日本の職歴しかない私が現地で就職活動をするのはハードルが高すぎますし、いわゆる駐在員妻をするのも向いていないなと感じていたので、フリーランスになりライターとしてお仕事をすることを考え始めました。すでにいくつかの媒体で執筆していたため、仕事を増やせば海外に行っても仕事として成り立ちそうだという算段があったんです」

そこで、退職することを伝え、もっと仕事が欲しい、また可能であれば別の媒体も紹介して欲しいと担当の編集者に依頼しました。

「それまで終業後など余暇の時間に執筆していたので、本業になれば、さらに仕事ができる上、先方に足を運んで営業することもできます」

とはいえ、ライターという仕事はすでにライバルも多い状態。その中で生き残っていけるかどうか不安はなかったのでしょうか。特に恋愛系コラムは、読者からの人気がある分、目指す人も多そうですが……。

「これは飛び込んでみてわかったのですが、実は恋愛ライターって非常にライバルが少なかったんです。メディアは常に新しい書き手を探している状態でしたが、締め切りを守る、仕事としてきちんと受発注できるという書き手が少なかったんですね」

また、当時はWEBメディアの黎明期で様々なメディアが立ち上げ時期だったことも追い風になりました。

「予想通り仕事を増やすことができ、まとまった量の受注を得られました。いくつかの媒体で連載を確保して、海外に引っ越せたんですね」

海外生活を送りながらも記事を提供し続け、帰国後はさらに仕事の幅を広げたトイアンナさん。現在は執筆に加え、イベントへの登壇やメディアへの露出も行っているそうです。また、オウンドメディア(企業が自社で保有・運営するメディア)への記事納品も行っているそうで、特にその仕事では、マーケターとしての経験が役に立っているのだとか。

「クライアントから求められるのは、ターゲットにしっかりと刺さる記事。そのため、企画の際には、ターゲットを設定し、ペルソナ(人物イメージ)を作り、担当編集者に提案しているんです。これは、マーケティングと似た仕事だと感じますね」

外資系企業OLからライターへ。年収はどう変化した?

<トイアンナさんの年収表>

トイアンナさんの年収表
※現在のトイアンナさんの年収は非公開のため、年商で表記いたしました。
会社員時代は、外資系ということから女性の平均年収より多めの給料を受け取っていましたが、退職の際は一時的に収入が減ったそう。しかし後には営業努力により、年商数千万円まで成長したそうです。
とはいえ、経費込みかつ、ここからイギリスの高い税金が引かれるため、手取りは年商の半額程度だったのだとか。

現在は法人化し、ライターという枠を飛び超えて、講演やTV出演など、仕事の幅をさらに大きく広げているトイアンナさん。周りのライターの2~3倍の記事本数を書き続けたこともあり、現在の月商は数百万円になることも。生活費は、月数十万円を使える状況だと教えてくれました。

「この仕事のためにお金と時間をいくら使うのか」を真剣に考えるようになった

独立後、金銭的な価値観はどのように変わったのでしょうか。

「経費を意識するようになりましたね。例えば、会社員時代に友人とお茶をしたら単なる出費ですが、現在、恋愛相談を受けた時に支払うカフェ代は経費として落とせます。出費を適切に経費として使えるという決定権が自分にあるので、何を仕事とするか、その仕事の経費としていくら使うのかを真剣に考えるようになりましたね」

また、税金の支払いについては、とても苦労した部分だと話します。毎年確定申告をして、税金や社会保険を納付書が来るたびに支払うのは、天引きされる会社員とは大きく違います。

「特にロンドンにいた時は税率も高かったので、納付書が届くたびに怯えていましたね(苦笑)」

なんと、税金のためにクレジットカードで借り入れしたこともあるそう。でも、それを教訓に出費を見直しました。

「2018年に離婚したのですが、そのタイミングで引っ越しなどでそれまでの貯金がなくなっちゃったんです。そこで、再婚を機会に『子どもを持っても破綻しないでしょうか?』とFPさんに相談をしたんです。そうしたら、『独身でも破綻する。このままだと1億円の赤字になりますよ』と脅されまして。病気になって入院したとしても生き延びられる程度の現金を残しつつ、老後を含めた将来に向け資産形成をはじめました」

<トイアンナさんの資産分布>
トイアンナさんの資産分布
「保険はセーフティネットとして備えているため安全性重視。ただし、iDeCoと投資信託はアグレッシブに投資をしています」

福利厚生が充実した企業に勤めているなら、独立には慎重になったほうがいいかも?

自由に働きたい読者へのアドバイスを聞いてみました
積極性と努力により、とてもスムーズにまとまった収入を得られるようになったトイアンナさんですが、「もしフリーランスになりたいなら、段階を踏んだ方がいい」と話します。

「特に、日系企業は福利厚生が恵まれています。個人に支給されているパソコンやソフトウェア、OA機器、研修、家賃補助など実際にかかっているお金を給料に上乗せして計算してみましょう。福利厚生が整っていればいるほど、自分で用意しなければならない出費が多くて、そのギャップに苦しみます」

働く上では手厚い環境を用意してくれている会社。独立するのであれば、勤めている会社に片足を置きつつ副業としてスタートできるなら、それに越したことはありません。

「昨今の風潮で、いきなり独立を煽る方もいますが、それってどう考えても危険ですよね。周りを見渡してみても、フリーになって食べていけるのは約半数程度です。まずは副業で月5万円を目指し、月20万円を稼げるようになってきたら独立を目指すというように、段階を踏んでいくことをオススメします」

ちなみに、月5万円というのは、土日を使って得られる収入として目指しやすい金額だということです。自由に働くために独立を考えている方は、まずは月5万円の副収入を目指してみてはいかがでしょうか。

そんなトイアンナさんに、今の生活を点数で表すとどれくらいになるのかを聞いてみました。

「資産形成が30点で他が100点、全体としては60点くらい。マネー面が足を引っ張っています(苦笑)」

しばらくは資産形成の継続を目標にして、お金の点数を上げていくことを目指すと話してくれました。

得意なことが世の中からも必要とされている――つまり、仕事になる。それはきっととても幸運なこと。でも、その幸運にあぐらをかかず、マーケティングや営業力といったプラスαの力を身につけてきたからこそ、トイアンナさんの成功があるのでしょう。そんな向上心こそが、フリーとしてやっていけるかどうかの鍵を握っているのかもしれませんね。

<トイアンナさんのモチベーショングラフ>
トイアンナさんのモチベーショングラフ

※2020年10月現在の情報です。今後、変更されることもあるのでご留意ください。

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