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2018.10.17

住宅ローンの繰り上げ返済はしてはいけない?

記事提供:FROGGY(SMBC日興証券株式会社)
※本記事は2016年11月18日にFROGGYで公開されたものです。掲載内容は公開当初のものであり、最新情報と異なる場合があります。

できるだけ借金を早く返したいという考えから、住宅ローンの繰り上げ返済に励んでいる方も多いかもしれません。繰り上げ返済をすれば、支払い金利が減り、総返済額が抑えられますが、いちがいに得と言えない場合もあります。それは、住宅ローン減税があるから。繰り上げ返済が、どんな場合に得になって、どんな場合に損になるのかをまとめてみました。

意外に大きい、住宅ローン減税の力

住宅ローン減税とは、住宅ローンを使ってマイホームを購入したり増改築した場合に、最長で10年の間、年末のローン残高の1%相当額(年間で40万円まで。10年間で最大400万円)が所得税や住民税から控除されるという制度です。主な要件に、床面積が50㎡以上であること、借入金の償還期間が10年以上であること、年収が3000万円以下であることなどがあります。

マイナス金利が適用されている現状では、フラット35を使った場合は、全期間を最低0.950%の固定金利で借り入れることができます(平成28年10月現在)。変動金利を選んだり、民間の金融機関で長期固定のキャンペーン金利を上手に利用すれば、さらに低い金利で借り入れることが可能です。

繰り上げ返済そのものは有効な手段ですが、今の金利情勢を踏まえると、慌ててする必要はありません。なぜならば、1~10年目までに繰り上げ返済を実施すると、その分だけ各年度末のローン残高が減り、得られる住宅ローン減税の金額も減ります。仮に住宅ローンの金利を35年固定の約1%で考えても、控除も1%でほぼトントンな現在の状況下では、繰上げ返済することによって得られた金利削減効果を食いつぶしてしまうことになります。

繰り上げ返済とゆっくり返済、どちらが得?

たとえば、3000万円を35年間、全期間固定金利0.900%で借りた場合で考えてみましょう。繰り上げ返済を1年に100万円ずつ10年間続けた場合と、10年間はなにもせずに住宅ローン控除が終わった11年目に1000万円を一括で繰り上げた場合でどうなるのか、シミュレーションしてみます(前提条件:住宅ローンは、元利均等返済で、繰り上げ返済方法は、期間短縮型としています。繰り上げ返済にかかる手数料を含みません)。

ほとんど差がないという結果になりました。

この比較は、10年後に1000万円を繰り上げ返済するというケースで行いましたが、実際には、10年の間、繰り上げ返済をせずにすんだお金を運用に回して、リターンをプラスにできるのであれば、その分が得になるわけです。

住宅ローンについては、早く返すべきだという姿勢はとても大切ですが、金利の状況と、受けられる税制優遇をしっかりとシミュレーションし、受けられる恩恵はありがたく受けて、上手に付き合っていきましょう。

※シミュレーションについては概算であり、各金融機関の算出方法やお客様の個別の状況に応じて取り扱いが異なる場合があります。また、税務上の取り扱いについては、内容の正確性あるいは完全性について保証するものではなく、お客様を取り巻くすべての状況に適合してその効果等が発揮されるものではありません。
実際の取引等をご検討の際には、今後の制度改正等にも十分ご留意ください。