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2021.5.12
マネービバ3周年を記念して行われたInstagram投稿企画「マネービバ家計簿マラソン」。参加いただいた方への特典として抽選で3名の方に、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんによる家計相談を受けていただきました。その家計診断の様子をレポートします。
■一人目の相談者、ちょこさんの記事はこちら。
二人目の相談者は、8歳と6歳のお子さんのママ、ゆみさん。現在は、共働きで世帯年収の高いご夫婦ですが、今後夫の転勤をきっかけにゆみさんが仕事を辞める可能性もあり、将来が不安とのことです。現在の家計について細かくヒアリングしながら、今からできるアクションプランを横山さんがアドバイスします。
いえ、残っていないですね。保険や企業型確定拠出年金の支出も含め、家計としては1〜3万円程度の赤字になる月もあります。やはり、食費がどうしてもかかってしまっているので、もっと減らしたいです。
収支が赤字ということもあるので、改善できる部分であればしたいですよね。まずは家計のなかで「お金をどこにどれくらいかけたいか」の基準を持っておくことが大切です。特に食費は娯楽や健康管理という側面もあるので、コントロールが難しい費目になり、「食費を制する者は、家計を制する」と言われることもあります。
今回、家計簿マラソンでは、生活費を1週間ごとに分けてつけましたが、一度食費だけにフォーカスを当てて管理してみるのもおすすめです。食費の予算は決めていますか?
10万円でやりくりするなら、5週間で割ると週2万円です。それを超えないように意識することがポイントです。うちの場合は、週予算分を現金で、毎週月曜日に食費用の財布に入れておきます。余ったら次の週に繰り越しても良いし貯蓄に回すのもあり。超えてしまった場合は翌週の予算をその分カットするというルールです。
わかりやすいですね。今回、私も家計簿マラソンで1週間ごとに家計簿をつけ、週単位でみるとお酒代もけっこう使っていることに驚きました。
お酒代を分けて書くのは良いですね。そうやって家計簿を細かく分けて振り返り、絞れる部分を少しずつ抑えていけば、週の2万円の予算を次は1万8,000円に絞っていく、というように管理できるかもしれません。
良いですね。スマホ料金は保険料と同様に、毎月支払う額がほぼ決まっている固定費なので、一度見直すと節約の効果が高い費目です。
この機に見直してみるのも良いと思います。保険はご主人やゆみさんにもしものことがあって、収入が得られなくなった場合に備えるという考え方を基本にしましょう。死亡保険(収入保障保険)や医療保険のなかでも特定疾病の保障※を優先させて、それ以外につけている保障があれば、本当に必要かどうかを検討してみてください。
※主に三大疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中)に対する保障。
ゆみさんもお分かりだと思いますが、今は支出額が大きいですよね。高所得のご家庭によく見られる、収入が上がるにつれて支出も多くなってしまう様子を「メタボ家計」と呼んでいます。月60万円の支出に慣れてしまうと、いざご主人が転勤になったとき、月40万円の支出に抑えるのはかなり難しいはず。老後に年金生活になったからといって、いきなり生活レベルを落として支出を抑えることが難しいのと同じです。
シミュレーションに出てくるような赤字にならないためには、やはり自分のなかで基準を決めることが大切です。支出の上限を決めて、抑えられる部分は抑えるということですね。そしてもう1つ、貯め方も大事なポイントです。今現在、資産はどれくらいありますか?
自分で自分の老後資金をつくるための企業型確定拠出年金やiDeCo(個人型確定拠出年金)は、積み立てた金額分が所得控除されるので、所得税や住民税の節税効果があります。できれば上限まで増やして、老後資金の準備をしておきましょう。また、ゆみさんが会社を辞めても、企業型確定拠出年金はiDeCoで引き継ぐことができますよ。2022年10月からは企業型確定拠出年金とiDeCoの同時加入要件が緩和されるので、iDeCoでさらに上乗せするのも良いでしょう。
貯め方という観点で言うと少し気になったのが、預金が多いことです。コロナ下なので多めに預金を持っておくことは大事ですが、必要以上に持ちすぎなくても良いはずです。目安は月の家計支出額の7.5〜12ヵ月分なので、ゆみさんの場合、最大700万円までは預金で持っておいて、残りの900万円は運用に回すという考え方もできます。ただし、一度に投資をするのではなく、時間を味方につけてコツコツと資産を育てていくようなイメージです。
ポートフォリオとは金融商品の組み合わせのことで、どのような投資信託を購入するかを決めることを「ポートフォリオを組む」と言います。
資産運用をする際は、国内の株式、海外の株式、国内の債券、海外の債券など、値動きの異なる複数の投資先に資産を分散することで、値動きのリスクを軽減する効果が期待できます。より積極的な運用をしたいか、手堅く運用したいかなど、投資の方針に合わせて資産の配分を決めていきます。
ジュニアNISAは2024年で終了するので、年間80万円×残り3年=240万円の非課枠を使って資産運用できます。つみたてNISAは、年間40万円までは20年間、利益に対して非課税で資産運用でき、20年かけてリスクを分散しながら育てていけます。もちろん、両方を利用することもできますよ。
積み立てた金額(元本)合計1,584万円に、運用で得た利益(運用益)が約583万円加わり、合計約2,167万円になるという試算です。
教育資金は保険でも備えているとのことなので、不足分を準備していくことになるでしょう。どのような進路を取るかによっても変わってきますが、私立大学に入学する場合は、4年間で717万円(入学費用・在学費用)かかるというデータもあります※。それまでに習いごとや塾代などにどこまでかけるか、自分の基準を持つことが大事です。教育費に使わなければ、その分を老後資金に回すことができます。
※日本政策金融公庫「令和元年度 教育費負担の実態調査結果」より
※ 2021年5月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。
執筆:横山 光昭
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