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2022.11.30 更新

#2 退職金、わたしはもらえる? 退職金制度を知り、将来に備えよう

退職金、わたしはもらえる? 退職金制度を知り、将来に備えよう
会社を辞めたとき、あるいは定年まで働いたとき、退職金をいくら、どのようにもらえるのかご存知ですか?

この記事では、一般的な退職金制度の概要や種類、退職金の相場、計算方法について、わかりやすく解説していきます。
また、「自分の会社には退職金がない」という方のために、ご自身で準備する方法も紹介します。

ぜひ、将来への備えの参考にしてください。

退職金制度の基本について

退職金制度とは

退職金制度とは、一定の年数以上働いた場合、働いた年数や在職期間中の業績などに応じてお金が支給される制度のことです。何年目から支給される、どんな計算方法が用いられる、というのは各企業によってゆだねられており、明確に定められたルールは存在しません。以下では、どれくらいの企業が退職金制度を採用しているか見てみましょう。

退職金がある会社は全体の8割!

法律上、退職金制度の導入は義務ではなく、勤める会社によって退職金のあり・なしは異なります。

では、実際に退職金制度を導入している会社はどれくらいあるのでしょうか。
退職金制度の有無
【図①】退職金制度の有無
従業員数別(規模別)退職金制度の有無
【図②】従業員数別(規模別)退職金制度の有無

出典:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」
※上記調査の対象企業:全国の民間企業(日本標準産業分類(平成25年10月改定)に基づく16大産業)。

厚生労働省が平成30年度(2018年度)に調査した内容によると、「退職金制度がある会社」は80.5%、「退職金制度がない会社」は19.5%でした。

従業員数が多い会社ほど退職金制度を導入している傾向にありますが、それでも100%ではありません。
従業員数が1,000人を超える大企業でさえも、7.7%の会社は退職金制度を用意していないことから、会社によって導入状況は千差万別だということがよくわかります。

自分の会社の退職金制度を確認する方法は2つ!

あなたの会社には、退職金制度はありますか? それはどのような内容でしょうか?
もし「自社の退職金制度がよくわからない」という場合は、

●会社の人事や総務担当に聞く。
●社内のイントラネットなどで『退職金規程』を確認する。

※退職金規程は、一般的に『就業規則』と一緒に保管されている。


といった方法で確認しましょう。
給与所得者として、自社の退職金制度を確認することは当然の権利です。

退職金制度は、会社によって制度内容も異なります。会社の業績や社会的な情勢によっては、途中で規程が変更される可能性もあります。
退職後の生活のためにも、制度を一度確認して終わるのではなく、規程に変更がないかを定期的に確認することも大切です。

退職金制度には種類がある!

退職金制度の種類は大きく4つに分けられる

退職金制度は、退職金の受け取り方や準備の仕方によって複数の種類があり、会社によってどの方法を採用しているかも異なります。

退職金制度の種類を、以下の表にまとめました。
退職金制度の種類
【図③】退職金制度の種類

出典:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」「3 退職給付(一時金・年金)制度」
※上記調査の対象企業:全国の民間企業(日本標準産業分類(平成25年10月改定)に基づく16大産業)。

このように、

●退職金をどのように受け取るのか(一時金形式か、年金形式か)
●会社が退職金をどのように準備するのか(独自に用意するのか、外部機関を利用するのか)

によって退職金制度が異なります。

いずれか1つとは限らず、複数の制度を採用しているケースや、退職金制度を利用するかどうかを従業員が選べるケースもあります。
退職金と外部機関を使った確定拠出年金については、下記の記事でもくわしく解説しておりますので、ぜひチェックしてみてください。

【関連記事】退職金と確定拠出年金の違い? 退職金もらえないとなる前に制度や活用方法を理解しよう

退職金の主な算出方法

会社が独自に準備している場合、退職金の算出方法も会社によって異なるため、注意が必要です。どんな算出方法があるのか、どの方法を採用している会社が多いのかを以下の図にまとめました。
退職金の算出方法の種類と比率
【図④】退職金の算出方法の種類と比率

出典:日本経済団体連合会「2021年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果」
※上記調査の対象企業:経団連企業会員と東京経営者協会会員企業(都内の大手企業が中心)。

年功制
従来の日本では、賃金額と勤続年数を掛け合わせる「年功制」の算出方法が主流でした。
しかし、大手企業を対象に経団連が調査した結果によれば、近年では賃金額とは別のポイント制を導入する会社が増えており、その割合は69.9%を占めています。

ポイント制
ポイント制とは、従業員の勤続年数や役職、成果、資格などの要素をポイント化し、ポイントあたりの単価を乗じて計算するという方法です。

退職金の相場はいくら? 計算方法は?

退職金は何年働いたらもらえる?

退職金が支給されるには、一定期間は会社に所属しなければならないことが多いです。何年経過すれば支給の対象になるかは会社ごとに定められていますが、厚生労働省の調査によると、勤続3年以上経過した時点から退職手当の支給対象になる、としている企業が多いようです。3年以上4年未満を必要最低勤続年数としている企業は、自己都合で42.2%、会社都合では56.2%で最も多く、約半数程度を占めていることがわかります。

退職金の相場はおよそ2,000万円

退職金の相場は、勤続年数や最終学歴、退職の理由(自己都合か会社都合退職か)によって変化し、また、どのような計算方法を採用しているかによって異なります。

先ほどの経団連の調査によれば、
学校卒業後すぐに入社し、標準的に昇進・昇格をした方の退職金は以下のとおりです。

<管理・事務・技術労働者(総合職): 60 歳時点>
・大学卒:2,243.3万円
・高校卒:1,953万円

会社を途中で辞めることなく勤続年数を経た場合の相場は、2,000万円程度ということです。

ただ、先述したように、退職金の金額は会社が採用している計算方法によって異なります。会社の制度を確認する際は、退職金制度の有無や種類だけでなく、どのような計算方法になっているのかも確認しておきましょう。
一般的な退職金の計算方法は、下記のとおりです。

退職金の計算方法は5種類

退職金の計算方法
【図⑤】退職金の計算方法
従来は賃金額に勤続年数を掛ける計算方法(基本給連動型)が主流でしたが、近年では、賃金額とは別に退職金を計算する新しい方法を導入する会社が多くなっています。

どの計算方法でも、支給率など細かい制度設計によって、退職金の金額は大きく変わってきます。大切なのは計算方法ではなく、細かい算出条件です。
そのため、退職金制度を確認する際は、表面的な計算方法だけではなく、「どのような要素が重視されているのか」という点を確認しておきましょう。

退職金の計算方法についてもっと詳しく知りたい方は、以下のページを確認してください。

【関連記事】退職金、いくらもらえる? 自分で計算して老後の生活を考えよう

退職金がもらえない場合はどうする?

自分の退職金は自分で作れる! iDeCo(イデコ)やつみたてNISAで準備

「今の会社で退職金制度がない」という方や、「退職金制度はあるけど、金額に不安がある」という方もいると思います。

また、たとえ退職金制度があっても、会社の状況や社会情勢次第では、条件や支給額などが変わる可能性があります。人によっては、育児や家族の転勤、介護などでやむをえず途中退職し、退職金が減額されてしまう方もいるでしょう。

終身雇用が崩れつつあり、多様な働き方が生まれている現代では、退職金だけで老後資金を十分に賄うのは、難しくなってきているのではないでしょうか。

退職金制度がある方も、ない方も、不満や不安を感じている方も、退職金とは別に何らかの老後資金準備をしておくと安心です。
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つみたてNISAについて詳しくはこちらの記事でも解説しておりますので、気になった方はぜひご覧ください。

【関連記事】つみたてNISAとは? メリット・デメリット、向いている人を解説!

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まとめ

退職金制度は義務ではなく、勤める会社によって、制度の有無も内容も大きく異なります。

そのため、自社の退職金制度を調べるときは、

●退職金の受け取り方(一時金形式か、年金形式か)
●準備方法(会社が用意するのか、外部機関を利用するのか)
●計算方法(賃金額や勤続年数など、どのような要素が重視されているのか)

という3つのポイントを細かく確認することが大切です。

ただ、退職金規程は会社の業績などで見直される可能性がありますし、定年前に退職すれば退職金が減額されるかもしれません。退職金制度があってもなくても、退職金だけで十分な老後資産を賄うことが難しい時代です。

だからといって悲観する必要はありません。
まずはどんな老後生活を送りたいのか、そのためにはいくら必要なのかを家族で話し合うこと。次に退職金制度と公的年金の受給額をしっかり確認すること。不安があれば、iDeCoやつみたてNISAを活用し、将来の自分のためにできることをはじめていきましょう。

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※この記事は2020年3月時点の情報を基に作成し、2022年11月に情報を更新しています。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

執筆:服部 椿(はっとり つばき)
ファイナンシャル・プランナー。金融代理店での勤務経験と、自身の投資経験を活かしたマネーコラムを多数執筆中。子育て中のママFPでもあるため、子育て世帯向けの資産形成、ライフプラン相談が得意。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。
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