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2020.7.27

#7 地方公務員・国家公務員の退職金相場はいくら? 今後はどうなる?

「人生100年時代」と言われるようになり、長い老後生活の資金面に不安を持つ公務員の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、地方公務員・国家公務員の退職金制度や相場、自分でもできる老後資金の準備方法を解説します。

公務員の退職金制度

・公務員の退職金制度は法律で定められている

国家公務員の退職金は「国家公務員退職手当法」により定められており、地方公務員の退職金も各地方の条例で定められています。
会社員の退職金制度に関する法律はありませんが、公務員の退職金制度は法律で定められているのです。

・公務員の年金制度が変化している

公務員が国からもらえる年金は、以前は共済年金と呼ばれる3階建てのものでしたが、201510月に厚生年金に一元化され、会社員と同じ2階建てになりました。

これまで共済年金の3階部分であった「職域加算」と呼ばれる独自の加算が廃止され、新たに「年金払い退職給付」という制度ができました。

「職域加算」は特別な保険料を支払わなくても一生涯にわたって年金額が加算されるものでしたが、「年金払い退職給付」では保険料負担が発生し、年金額の半分は一生涯、残り半分は一時金もしくは分割して10年か20年での受け取りを選択するようになっています。

年金一元化の背景には、公務員に比べ社会保障の薄い会社員との格差を埋めて公平にしたいという国の考えがあります。

退職金も年金も、老後の大切な収入源です。将来に備えるために、まずは制度をしっかりと理解しておくことが大切です。

公務員の職種・勤続年数別の退職金相場

・公務員の退職金の相場

地方公務員の退職金の相場をみてみましょう。

地方公務員の退職金の平均

自己都合などを含む全退職者の平均では、警察職が目立って高く約1,748万円、定年(60歳)退職者の平均はどの職種も2,200万円前後であることがわかります。

国家公務員も地方公務員も、退職金は「基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続年数別支給割合)+調整額」で計算されます。

以下の条件で退職金を計算してみましょう。

・国家公務員
・勤続年数:35年
・退職理由:任期終了
→(退職理由別・勤続年数別支給割合:47.709)
・棒給月額:40万円
・調整額:195万円


退職手当=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続年数別支給割合)+調整額
    =(40万円×47.709)+195万円
    =2,1033,600

この例では、退職金の受け取り額は約2,100万円となります。

公務員の退職金支給額の推移

・公務員の退職金の平均は減っている

公務員の退職金の平均は減少しています。
地方公務員の退職金額の推移を確認しましょう。

地方公務員の定年退職金の平均

2006年は約2,800万円が支給されていましたが、2018年には約2,200万円に減少しています。今後も会社員との格差是正や法改正などの理由から、退職金が減る可能性があるでしょう。

また、国は公務員の定年を段階的に65歳まで引き上げることを検討しています。まずは国家公務員の定年を延長しようという流れがあり、国家公務員の定年が延長されれば地方公務員の定年も延長されることが予想されます。

定年延長で気になるのは、退職金の額はどうなるのかという点ではないでしょうか。
2018年8月の人事院の発表によると、国は60歳~65歳の給与を退職直前の7割にしようと検討しています。
このまま検討が進むと、たとえば65歳に退職する場合、退職金の計算のベースとなる基本額が60歳時点の7割に減ってしまう可能性があります。
定年延長は、退職金を考える上で外せない話題と言えるでしょう。今後の動きにも注目しておきましょう。

公務員が自分で老後資金を準備するにはどうする?

上記で説明したように、退職金は年々減少しています。
定年が延長されると、退職金額はさらに減少するかもしれません。福利厚生が充実していると言われる公務員ですが、老後も安心して暮らすための資金を自分でも準備しておくことをおすすめします。

ここでは、公務員が自分で老後資金を準備する方法を3つ紹介します。

・iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)

2017年から、公務員もiDeCoに加入できるようになりました。

iDeCoとは、「個人型確定拠出年金」の愛称で、毎月の掛金を自分で支払い、60歳まで自分で運用します。iDeCoを利用すると、掛金を支払うとき、運用で利益が出たとき、受け取るときに税金が安くなるというメリットがあります。

ただし公務員は掛金の上限が月12,000円で会社員などに比べ低く、原則60歳までお金を引き出すことができないことに注意しましょう。

iDeCoは掛金を運用しながら節税もできる制度であり、長期の資産形成に向いています。
iDeCoについて詳細はこちらの記事で解説していますので、あわせて確認してください。

【関連記事】iDeCo(イデコ)ってなに? ~基本をイラストで理解しよう~

・つみたてNISA

つみたてNISAとは、長期での積立投資を支援するための非課税制度です。投資初心者でも利用しやすいよう、少額ではじめられ、比較的リスクの低い投資信託などの金融商品が投資対象となっています。

つみたてNISAの掛金は年40万円までで、運用期間は最長20年です。また、つみたてNISAで増えた運用益が非課税になるというメリットがあります。投資に抵抗がある方は、まずは少額から始めてみると良いでしょう。

・個人年金保険

個人年金保険とは、民間の保険会社で加入する私的年金の一種です。加入時に将来受け取る金額がわかります。受け取りは60歳や65歳からが一般的ですが、50歳や70歳など柔軟に設定できる商品もあります。

また掛金は保険料控除の対象となり、年末調整で申告すると所得税と住民税の負担が減ります。

途中解約も可能ですが、それまでに支払った掛金よりも少ない額しか戻ってこないことがほとんどですので、注意が必要です。将来の年金や退職金の上乗せとして確実な金額を用意しておきたいという場合に活用すると良いでしょう。

まとめ

公務員の退職金は、法律などで定められています。公務員の退職金の平均は約2,200万円前後です。もらえる退職金額は年々減っており、今後も定年の延長など仕組みが変わる可能性がありますので、制度をしっかりと理解しておくことが大切です。

また退職金以外に老後資金を確保する方法として、iDeCo(イデコ)やつみたてNISAなど長期的な資産運用も活用しましょう。

資産運用を行う上で「時間」はとても大切です。将来の安定した老後資金確保のため、早めに行動に移しましょう。

※この記事は2020年3月時点の情報を基に作成しています。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

執筆:花 惠理(はな えり)
不動産会社や住宅メーカーに勤務後、現在は不動産・金融関係をメインに執筆しているWebライター。大手メディアなどに多数寄稿。不動産業務には年金・保険・税務・保険などの知識も必要だと感じ、FP2級などの資格を取得。不動産や金融などのテーマを初心者にもわかりやすい言葉で解説することが得意。 ファイナンシャル・プランニング技能士2級/宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士
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