投資信託Q&A

2021.10.13

投資信託の購入後に確認すべきこととは?

投資信託の購入後に確認すべきこととは?
これから投資を始めよう! と考えている投資初心者の方に、知っておいてほしい「投資信託」の基本を学ぶ本連載。前回は、「投資信託」の概要や購入方法を紹介してきました。

▼前回の記事はこちら
投資信託の商品の選び方

では、購入後は何もすることはないのでしょうか。
投資信託はその価値が変動しますので、自分が購入したファンドに利益がでているのか、時々見ておく必要があります。また、購入時に確認した運用方針どおりに運用されているかも確認したほうが良いのです。

今回は、自分が購入したファンドの運用状況をチェックするのに役立つ、収益に関連する用語やその確認方法を解説します。

Q:「基準価額」とは?

A:投資信託の値段のことで、株価のように毎日変動します。

基準価額とは、投資信託(ファンド)の値段のことで、投資信託の売買単位である「口数」当たりの値段を表しています。ファンドが保有している株式や債券を時価で評価し(「純資産総額」といいます)、「口数」の総数で割ると算出することができます。
基準価額とは
基準価額は、市場の終値をベースに1日1回算出され、多くのファンドでは1万口あたりの価格で表示されています。

ファンドが保有している株式や債券の価格が上がれば基準価額も上がり、下落すれば下がります。ただし、それ以外の要因で基準価額が変動することも。例えば、ファンドから分配金や運用会社等への手数料などが支払われると、純資産総額が減るため、基準価額は下がるのです。

基準価額が高いから良いファンド、安いから悪いファンドというものではありません。基準価額は異なるファンドの比較に使えるものではなく、あくまで自分が買ったファンドの価値が上がっているか、下がっているかを判断するために使うものと覚えておきましょう。

Q:「分配金」とは?

A:「分配金」はファンドの資産の一部を、投資家に現金で支払うものです。

投資信託の分配金とは、ファンドが運用して得た収益を、保有している口数に応じて投資家に支払うものです。

株式の配当金と似ていますが、いつ、どのくらい分配金を出すかは各ファンドによって変わります。ファンドによっては、収益が出ていなくても当初の方針に沿って分配金が支払われることがありますが、それは投資したお金(元本)が単に返ってきているに過ぎません。ですから、分配金が多いファンド=利益が多いファンド、良いファンドとは限りません。

分配金のあるファンドの場合、お金を受け取るか、受け取らずに再投資(そのファンドをさらに購入)するかを投資家が選択できます。元々分配金を出さず、収益を再投資する方針のファンドもあります。

再投資すると複利効果が見込めるので、長期投資で効率的に資産を増やしていきたい人は、「再投資」か「分配金なし」のファンドを選びましょう。

Q:値動きはどう確認する?

A:月次レポートや運用報告書などで確認できます。

基準価額の推移は、ファンドの運用状況や資産状況などをまとめた、月次レポートや運用報告書で確認できます。また、月次レポート・運用報告書ともに、販売している金融機関のサイト等でも見ることができます。

もし保有しているのがインデックスファンドであれば、基準価額は投資している資産(株式や債券)の市場の動きに概ね連動します。ファンドが保有している株式の市場平均は上昇しているのに基準価額が下がっているような場合は、分配金が多すぎることもあるので注意が必要です。

なお、基準価額が上下したことによる損益と、受け取った分配金(累計受取分配金額)を合わせた投資信託の総合的な収益を、トータルリターンといいます。

トータルリターン=保有ファンドの評価金額+累計受取分配金額+累計売却金額-累計買付金額

Q:売却はどうやったらできる? 注意点は?

A:売値は指定できません。入金は数日後になり、税金もかかります。

投資信託は、解約の注文をすることで、原則いつでも換金できます。ただし、ファンドによっては解約できない期間(クローズド期間)を設けているケースもあるので、保有するファンドが該当しないかチェックしておきましょう。

解約の注文はネットからいつでも出せますが、売買が成立する(「約定」といいます)のは1日1回です。例えば国内資産へ投資している場合、15時までに注文すれば当日、15時以降の注文なら翌日に約定することが多いです。ファンドの種類や投資対象の地域、金融機関によって約定のタイミングは異なります。

また、注文時点では適用される基準価額はわからず、約定日(注文日や翌日)の終値によって基準価額が決まります。1日分の変動があるので、「思っていたより安い値段で売れた」ということもある点は注意しましょう。

入金は通常、注文の4~5営業日後になります。売却にかかる日数は、Webサイトにあるファンド情報のページなどで確認しましょう。
投資信託の売却申込から代金受渡しまでの流れ
※解約申込の当日扱いは午後3時まで(投資信託や金融機関によって異なる)。以降の申込は翌日扱い。
換金にかかる手数料を解約する人が負担する「信託財産留保額」が設定されているファンドの場合、その分が差し引かれて入金されます。また、購入時より基準価額が高く、利益が出ていれば、約20%の税金がかかります。源泉徴収あり口座ならその分が引かれて入金され、源泉徴収なし口座の場合は後で確定申告して納税する必要があります。
NISAなど税金がかからなくなる制度もあります。次回ご説明します。

三井住友銀行のサイトでファンドの情報を見る!

・基準価額は、一言でいうと「投資信託の値段」。
・基準価額の推移は月次レポートや運用報告書でチェック
・売却価格は注文した後で決まる。譲渡益には税金がかかる。
・投資をするときは長期投資を念頭に、分配金を受け取るよりも再投資で資産を増やすことを考えよう

次回は投資信託の収益が非課税になる制度について解説します。

※2021年10月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

執筆:歌代 将也(うたしろ まさなり)
ファイナンシャルプランナー(CFP®)、社会保険労務士。妻と子ども2人、住宅ローンありという普通のサラリーマンから、「うたしろFP社労士事務所」代表に。社会保険、マネー関連記事の執筆・監修やセミナー講師などを行い、お金のことで必要以上に不安を感じることなく、楽しく働き続けたい人と会社をサポートしている。

おすすめ記事

本サイトの掲載情報は、各記事の掲載時点で当行が信頼できると判断した情報源をもとに作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当行は保証を行っておりません。