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教えて先生! つみたてNISAのA to Z

2021.11.17

#5 つみたてNISA、20年後はどうすると賢い? 暴落したときの対処法は?

つみたてNISA、20年後はどうすると賢い? 暴落したときの対処法は?
つみたてNISAの非課税期間には上限があると聞いたつみきさん。

20年後に満期を迎えた後、積み立てたお金はどうなるの? もし元本割れしてしまっていたらどうしよう……

不安になったつみきさんは、FP(ファイナンシャルプランナー)に対処法を聞くことにしました。

つみたてNISAの非課税期間は最大20年間

つみたてNISAの非課税期間には上限があるの?
つみたてNISAとは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するために2018年1月からスタートした非課税制度のことです。

つみたてNISAの対象商品に積立投資することを条件に、毎年40万円を上限として、運用によって得られる分配金や譲渡益が非課税となります。

なお、つみたてNISAの対象商品は、長期・積立・分散投資に適した投資信託に限定されており、購入時手数料が0円、運用にかかる手数料が低いなどの特徴があります。

通常の投資信託であれば、投資で得た分配金や譲渡益に対して20.315%の税金が発生するのに対して、つみたてNISAを利用すれば、節税しながら資産運用することが可能になります。

毎年の新規投資上限額が40万円までに制限されていることから、月々の積立も必然的に少額になるため、これまで投資の経験がない方でも始めやすいところが特徴です。

ただ、いつまでも非課税投資枠が適用されるわけではなく、非課税期間は最初につみたてNISAで投資した年から最長20年間と決められています。
つみたてNISAの非課税期間
たとえば2021年中に限度額いっぱいの40万円を投資した場合、その40万円の投資から生まれた運用益は、20年目にあたる2040年まで非課税で保有できますが、それ以降は自動的に普通口座または特定口座に資産が移管される仕組みになっています。

一般NISAの場合、非課税期間である5年を過ぎた後も、保有している金融商品を翌年の非課税投資枠に移す「ロールオーバー」を行えば、再び非課税枠の5年間延長が可能です。

しかし、つみたてNISAにはロールオーバーの概念がないため、非課税期間の20年間が終了したら、別の方法での資産運用を考える必要があります。
一般NISAとつみたてNISAの比較表

20年の非課税期間が終わった後はどうするの?

つみたてNISAの非課税期間が終わった後の資産はどうするの?
以下では、つみたてNISAの非課税期間が終了した際の具体的な対処方法を2つご紹介します。

対処方法① 課税口座に移して再投資を始める

つみたてNISAの非課税期間が終了すると、つみたてNISAの口座を開設していた金融機関の普通口座または特定口座へ、自動的に資産が移管(再投資)されます。何も手続きをしないと自動で再投資されてしまうので気をつけましょう。

さらに、非課税期間終了後、翌年のつみたてNISAの非課税枠を使って保有を続ける(ロールオーバー)はできないため、課税口座に移管した資産(つみたて元本+運用益)=購入金額になる点に注意が必要です。
つみたてNISAの非課税期間終了後は課税口座に移管
移管先の口座は運用益に対して20.315%の税金が発生する課税口座となりますが、非課税期間中に発生した利益について課税されることはありませんので、つみたてNISAで保有資産が増えていたとしても安心です。

逆に元本割れを起こした状態で資産を課税口座に移管した場合、その後の運用で元本まで戻したとしても、そのぶんは値上がり益とみなされてしまいます。
つみたてNISAの非課税期間終了時に元本割れしていた場合
投資家からすればまったく利益は出ていませんが、課税口座に移した後に資産額が増えた場合は、そのぶんについて譲渡益課税が発生することを念頭に置いておきましょう。

なお、つみたてNISAが暴落していた場合の対処法については、詳細を後述します。

対処方法② 売却して現金化する

つみたてNISAは、任意のタイミングで売却し、現金化することができます。

課税口座に移管する前に売却すれば譲渡益課税は発生しないので、税金の負担を軽減することが可能です。

売却して現金化するのであれば、必ずしも20年間待つ必要はないものの、本来 つみたてNISAは長期・積立・分散投資を行うことを前提とした制度ですので、長い期間保有しないと大きな複利効果を得られません。

特に投資経験の少ない方は、元本割れすると焦って売却してしまいがちですが、長く保有し続ければ元本割れが解消される可能性もありますので、なるべく長く運用することをおすすめします。

もし20年後に暴落してしまったら……賢い選択は?

つみたてNISAの価値が暴落する可能性はある?
つみたてNISAは、長期間にわたって少額をコツコツと積み立て、複数のファンドに分散投資するので、一括で投資する場合と比べてリスクを抑えながら運用益を見込むことができます。

ただ、投資商品である以上、元本割れする可能性もありますので、万一損失が出てしまった場合は以下のような対処が必要です。

1.非課税期間が終わった分のお金を引き出す

まずは、非課税期間が終了した分のお金だけを小分けにして引き出します。

つみたてNISAの非課税期間は、毎年の新規投資額に対して適用される仕組みになっています。

たとえば2021年からつみたてNISAをスタートした場合、1年目の新規投資額に対する非課税期間は2040年までですが、翌年(2022年)の新規投資額に対する非課税期間は2041年になります。

つまり、つみたてNISAで運用を開始してからきっかり20年後に、20年間積み立ててきた全額を引き出さなければならないわけではなく、2040年には1年目の分を、2041年には2年目の分を、それぞれ小分けにして引き出すことが可能です。

逆に、非課税期間が終わっていないぶんを引き出すのは運用面でメリットがありませんので、やや面倒でも非課税期間が終わった分だけ小口で引き出しましょう。

2.課税口座などで再投資を行う

引き出したお金は、投資額に対して元本割れを起こしている状態なので、他の方法で再投資し、資産を増やしていく必要があります。

再投資の手段は主に2つあり、1つは課税口座に移管して投資信託で運用する方法です。

つみたてNISAの非課税期間が終了した分は、自動的に口座開設していた金融機関の普通口座・特定口座に移管されますが、元本割れを起こしているのなら、投資商品の選定を見直した方が良いかもしれません。

投資商品は金融機関によって取り扱いが異なりますので、自動移管に任せず、引き出したお金の運用先を再度検討することをおすすめします。

もう1つの方法は、iDeCo(イデコ)に移し替えて老後の資金づくりに活用することです。iDeCoとは個人型確定拠出年金のことで、自身で申込みを行い、掛金を拠出し、資産を運用します。

ただし、iDeCoには加入できる年齢に制限があるので注意しましょう。iDecoに加入・掛金を拠出できるのは60歳までで、さらに運用している資産は原則として60歳以降でないと引き出すことができません。

好きなタイミングで資産を引き出せないのはネックですが、掛金の全額が所得控除の対象となるため、通常の投資信託よりも効率よく資産を運用できます。

つみたてNISAで成功するために気を付けるポイントは?

つみたてNISAで元本割れしないためのポイントは?
つみたてNISAで賢く資産形成するために、気を付けたいポイントを3つ紹介します。

1.長期でコツコツ積み立てる

つみたてNISAの運用期間中には、一時的に元本割れを起こす可能性もあります。

ただ、つみたてNISAはもともと安値の時を狙って購入し、高値の時に売却するといった投資法ではなく、毎月一定額をコツコツと積み立てて買付価格を平準化する「ドルコスト平均法」を採用した投資法です。
ドルコスト平均法とは
安値で買い、高値で売却する方法に比べると短期間で大きなリターンを得られるわけではありませんが、売買タイミングを外して大きな損失を被る心配もないので、リスクを抑えて運用することが可能です。

一時的に元本割れを起こしたとしても、根気よくコツコツと積み立てていれば損失を取り戻せる可能性が高いので、焦らずじっくり腰を据えて投資することが大切です。

2.よりリスクの少ない投資商品を選定する

つみたてNISAの投資商品には複数の種類があり、株式のみを対象にしたものもあれば、債券のみを対象としたもの、性格の異なるファンドを組み合わせたバランス型、複数の投資信託を組み合わせてひとつにまとめたファンド・オブ・ファンズ(Fund of Funds)などもあります。
リスクの少ない投資商品の例
一般的に、株式よりも債権の方がローリスクで運用できるといわれているため、株式のみを対象にしたファンドで運用してきたのなら、債券を取り入れたバランス型投信や、ファンド・オブ・ファンズなども候補に入れてみましょう。

3.投信のプロである金融機関に相談する

初めて資産運用を行う人は、投資に関する知識・経験が少ないので、どんなファンドを選べばいいか、どのように投資すれば低リスクで運用できるのか、判断するのが難しい場合があります。

そんなときは自分だけで判断せず、つみたてNISAを取り扱っている金融機関に相談しましょう。

金融機関は投資のプロとして豊富な知識と経験を有していますので、判断に迷ったときに相談すれば、適切なアドバイスをもらえます。

つみたてNISAを取り扱っている金融機関は複数ありますが、困ったときに近くの店舗やWebで気軽に相談できるところを選ぶのがおすすめです。

まとめ

つみたてNISAは、長期・積立・分散投資を行うため、一括で投資する場合と比べてリスクを抑えながら運用益を見込むことができます。ただし、つみたてNISAも資産運用のため、元本割れする可能性はゼロではありません。

つみたてNISAの非課税期間は最長20年間なので、20年が経過したら、他の方法で資産を運用する必要があります。

もし20年後に暴落していた場合は非課税期間が終了した分からこまめに引き出し、投資信託で再運用するか、iDeCoに移し替えて損失の補填に努めましょう。

適切な運用方法がわからずに悩んだり困ったりしたときは、つみたてNISAを取り扱っている金融機関に相談し、アドバイスを仰ぐことをおすすめします。

※2021年11月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

執筆:金子 賢司
個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務めるファイナンシャルプランナー。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。CFP、日本FP協会幹事。
https://fp-kane.com/

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