教えて先生! つみたてNISAのA to Z

2021.12.15

#9 つみたてNISAで失敗する原因は? パターンを知って積立マスターになろう!

つみたてNISAで失敗する原因は? パターンを知って積立マスターになろう!
つみたてNISAはリスクが低いけれど、なかには損をするケースもあると聞いたつみきさん。

実際につみたてNISAで損をするケースにはどんなものがあるんだろう? 気になったつみきさんは、よくある失敗事例についてFP(ファイナンシャルプランナー)に聞いてみました。

つみたてNISAで失敗したくない! 積立投資の特徴は?

そもそも積立とはどんな投資方法?
つみたてNISAで失敗する原因を説明する前に、まずはつみたてNISAを含む「積立投資」の特徴についてチェックしておきましょう。

積立投資とは、投資商品を定期的に一定額ずつ買い付けて投資する方法のことです。

あらかじめ投資するタイミング(毎週・毎月など)と投資額を決めてから、定期的に積み立てていきます。株式投資やFXなどによくある、自分で都度タイミングと投資額を決めて運用する一括投資とは異なる点です。

一般的に「投資」というと思い浮かべるのは一括投資かもしれませんが、積立投資での資産運用には以下のようなメリットがあります。

1.少額から投資を始められる

株式の短期投資やFXの場合、短いスパンで売買して利益を出すことを目的です。その際は、ある程度まとまった金額を用意する必要があります。

一方、積立投資はもともと中・長期投資を前提とした投資方法なので、1回あたりの投資額は少額で問題ありません。

特につみたてNISAの場合は年間の非課税投資枠が40万円までに制限されています。例えば、1年間で40万円投資する場合は、ひと月あたりの投資額は約3万円になります。

家計に大きな負担をかけずにコツコツ積み立てていけるので、ライフスタイルやお金を貯める目的(目標)に合わせて無理なく投資できるところがメリットです。

2.分散投資でリスクを低減できる

分散投資の3つの分散
積立投資の対象となる商品はバリエーション豊富で、国内はもちろん海外の株式や債券も投資対象となります。

ひとつの投資先に絞って投資すると、その投資先の価値が下がってしまった場合、資産の多くを失ってしまう可能性があります。しかし、さまざまな銘柄や地域に分散投資していれば、そのうちのひとつが暴落したとしても損失を抑えることができます。

さらに、積立投資を分散投資と組み合わせれば、より低リスクで資産運用することができます。

3.定額積立で買付価格を平準化できる

安いときに買い、高いときに売るという投資スタイルの場合、タイミングを誤ると高値のときに買い付けてしまうリスクがあります。投資経験の少ない方にとって、相場を見極めて売買のタイミングを決めるのは難しく不安に感じられますよね。

一方、積立投資は相場の値動きに関係なく、一定のタイミングで一定額のみ買い付ける方法です。高値のときは少なく、安値のときは多く買い付けることができます。

その結果、買付価格を平準化できるため、高値のときに多く買い付けて損をするリスクを低減できます。

4.長期積立で複利効果を期待できる

積立投資では、年の途中で得られる分配金を積立金に上乗せして再投資するのが一般的です。
つみたてNISAの複利効果
同じ利回りなら、元本が増えるほど利益が出やすくなります。積立投資では、積立期間が長期にわたるほど資産が雪だるま式に増える「複利効果」を期待することができます。

中でもつみたてNISAは、年間40万円までの新規投資額は最長20年間まで運用益に税金がかからないので、より効率よく資産を増やすことができます。

つみたてNISAでよくある失敗例

つみたてNISAでも失敗するケースはある?
前節でも説明した通り、つみたてNISA(積立投資)は長期・積立・分散投資することを前提とした商品です。

その特徴をよく理解せずに資産を増やそうとすると、失敗の原因となります。

以下に、具体的なつみたてNISAの失敗例をまとめてみました。

①価格が下がったので、これ以上損失が膨らまないように、すぐ売ってしまう
②価格が上がったので、下がらないうちに売って利益を確定してしまう
③家計の収支バランスを考えずに、限度額いっぱいまで投資する
④積立額をひんぱんに変えてしまう
⑤投資先の運用方針をよく理解しないまま投資する

①~④は、つみたてNISAの基本である長期・積立・分散投資に相反する行為です。この場合、資産を増やす機会を失ったり、かえってリスクを高めたりする要因となります。

つみたてNISA(積立投資)は、短期間で売買するものではなく、中・長期にわたって資金を積み立てることが最大のねらいです。

短いスパンの中で、積立額を変えたり、必要以上に売買を繰り返したりすると、資産がマイナスになり投資に失敗する可能性が高まります。

ライフスタイルや家計、将来設計に合わせて毎月の積立額を設定したら、値動きは気にせず、長期的な視点でコツコツ運用することが大切です。

また、つみたてNISAの運用方針は、投資先によって大きく異なります。

たとえば、株式に100%投資する「株式型」の場合、一般的に債券や不動産など複数の商品に分散投資する「資産複合型(バランス型)」に比べて投資リスクが高くなる傾向にあります。

こうした基本的な仕組みを理解せず、利回りだけで投資先を選ぶと、知らない間にハイリスクな投資になってしまうこともあります。投資先を選ぶときは自分のニーズに合った運用方針かどうかもチェックすることが大切です。

つみたてNISAで損をしやすい例について、くわしくはこちらの記事でもご紹介しています。

つみたてNISAで損をするのはどんな人?失敗しないための方法は?

積立投資は何年やればリスクを抑えられるの?

つみたてNISAは具体的にどれくらいやればリスクを抑えられる?
つみたてNISAは運用実績に基づいて利益を得る投資方法ですので、「◯年投資すれば◯円の利益を得られる」という確たる保証はありません。

特につみたてNISAは長期運用を前提としているため、将来いくらぐらい利益を得られるか、正確に把握するのは困難です。

以下では例として、三井住友・DCつみたてNISA・全海外インデックスファンドの過去の運用実績をもとに、2011年から10年間積立投資した場合に資産がどのように変化するのかをグラフにしました。
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドに毎月3万円積み立てた場合のシミュレーション
上記はあくまで一例ですが、運用をするなかで一時は少し利益が減ってしまった場合でも、長く運用をすることで最終的に大きな利益につながっていることがわかります。

資産形成を始める際は、ライフプランを描き、いつまでにいくらぐらい必要かを具体的に考えることが大切です。そのうえで、目標達成に向けたファンド選びをするために、上記のようなシミュレーション結果を参考にするとよいでしょう。

もちろん、運用実績は今後の値動きに左右されるので、シミュレーション結果はあくまで予測でしかありませんが、目標額を設定したうえでシミュレーションすれば、選ぶべきファンドをある程度絞り込むことができるでしょう。

つみたてNISAで失敗しないために

つみたてNISAで失敗しないためのコツは?
前述のように、つみたてNISAでも失敗する可能性があります。ここでは、つみたてNISAを活用して将来に向けた資産形成を目指すうえで、失敗しないためのコツを3つご紹介します。

1. 目標と期間を明確にして始める

つみたてNISAで資産運用するのなら、まず最終的な目標と、積立期間を明確にするところから始めるのがポイントです。

たとえば、子どもが大学に進学する15年後までに300万円貯めたい! という目標を立てた場合、そこから選ぶべきファンドや毎月の積立額を逆算することができます。

もちろん、明確にお金の使途がなくても大丈夫です。「積み立ての期間中はよほどのことがない限りこのお金には触れない」「将来のためのお金としてこのお金は取っておく」という目標でも問題ありません。

ただ、つみたてNISAは長期・積立・分散投資でリスクを抑えながら運用することを目的とした制度ですので、3年後に100万円増やしたい! といった目標には不向きです。あくまで中長期的な目線で取り組めるような目標を設定するようにしましょう。

2. 投資先や投資金額もしっかり考える

つみたてNISAの対象商品の中には、リターンの高いファンドもありますが、そのぶんリスクも高いので注意が必要です。無理をしてハイリスクな商品に手を出すと損失を生む確率も高くなりますので、目標に見合う投資先を選ぶようにしましょう。投資先選びが難しい場合は、お近くにある金融機関の窓口で相談してみることをおすすめします。

3. 毎月コツコツ、長く続けて複利効果を狙う

つみたてNISAは、長期間にわたってコツコツ積み立てていけば、複利効果で資産を着実に増やしていくことができます。家計に負担をかけない範囲内で、毎月一定額を地道に投資することを目指しましょう。

まとめ

つみたてNISAは、もともと少額から長期・積立・分散投資することでリスクの少ない投資を行うことをメリットとした制度です。

つみたてNISAの趣旨に反して、短期間で多額の利益を出そうとしたり、家計に負担をかける無理な投資を行ったりすると、損失や挫折の原因となることがあります。

まずはいつまでにどのくらいのお金を貯めたいのか、投資の目標と期間を明確にした上で、無理なく投資していけるファンド・投資額を選ぶようにしましょう。

※2021年12月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

執筆:金子 賢司
個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務めるファイナンシャルプランナー。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。CFP、日本FP協会幹事。
https://fp-kane.com/

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