資産運用の先輩に聞く! 私の積立スタイル

2023.2.8

節税対策×積立投資がベストのスタイル? 全力で趣味を楽しみながら無理なく投資を続けるJさんの資産運用計画

節税対策×積立投資がベストのスタイル? 全力で趣味を楽しみながら無理なく投資を続けるJさんの資産運用計画
「積立投資の先輩」に突撃取材! 投資を始めたきっかけや商品の選び方、気になる運用益などに切り込む企画「#私の積立スタイル」。投資を始めた人の話とFPの高山先生のアドバイスに耳を傾ければ、きっとあなたにあった運用の形が見つかるはずです。

第13回は、都内在住の会社員Jさん。多趣味で散財ばかりしていたというJさんですが、社会人になったタイミングで積立投資をスタート。節約を意識しなくても、無理なく積立投資ができています。そんなJさんに、積立投資を選んだ理由や、趣味と積立投資を両立させるための秘訣をお聞きしました!

Jさん

25歳、会社員。両親、弟と実家暮らし。バレエやオペラ鑑賞、アミューズメントパーク通いなど、多くの趣味を楽しんでいる。社会人になったタイミングで積立投資をスタート。好きなことを我慢するのではなく、節税からお金を捻出して、資産形成をしたいと思っている。
この記事はこんな方におすすめ

START
アルバイト代を趣味につぎ込んでいた学生時代。社会人になったタイミングで方針変更!?

アルバイト代を趣味につぎ込んでいた学生時代。社会人になったタイミングで方針変更!?
――Jさんは多趣味で、学生時代から人生を謳歌してきたと聞いています。

Jさん「私は一つ好きなことができると、とことん極めたくなるタイプなんです。グルメやテーマパーク、観劇、英語、ダンスなど、いろいろと楽しんでいます」

高山先生「その分、お金がかかるのでは?」

Jさん「学生時代は趣味にアルバイト代を全額つぎ込んでいました。でも、社会人になったときにこのままではいけないと思って、お金の使い方を改めました

――お金の使い方をどのように変えられたのですか。

Jさん「私にとって趣味のない人生は考えられませんし、面倒くさがり屋なので日々の支出を細かく管理して節約するのも苦手です。だから、先取り貯蓄で投資を始めようと思いました

高山先生「投資に対する不安はありませんでしたか?」

Jさん「株式投資をしている父と金融機関に勤めていた母に育てられたせいか、特に不安は感じなかったですね。むしろ、ニュースで老後2,000万円問題を知って、少額でもいいから一日も早く投資を始めたほうが良いと思ったくらいです
高山先生のワンポイントアドバイス
▼高山先生のワンポイントアドバイス
・最近は若い頃から節約を心がけて貯蓄する方が増えていますが、Jさんのように好きなことを楽しみながら、積立投資をする方もいらっしゃいます。節約しすぎてストレスを貯めるよりも、趣味や自己投資と貯蓄のバランスを程よく取って、人生を充実させることも大切です
・家計管理が苦手な方は、お給料が入ったタイミングで毎月の貯蓄分を先に分けておく「先取り貯蓄」がおすすめです

HAPPENING
積立投資の第一歩は、非課税の優遇措置があるNISAかiDeCoがベスト!?

積立投資の第一歩は、非課税の優遇措置があるNISAかiDeCoがベスト!?
――社会人になったタイミングで投資を始めたとのことですが、どのような商品を選びましたか?

Jさん「つみたてNISAとiDeCoを検討して、つみたてNISAを始めました。どちらも運用益が非課税になる分、お得かなと思って

高山先生「よくご存知ですね」

Jさん「ニュースで見たのが記憶に残っていたのだと思います。会社の先輩からも投資に関して教えてもらったり、研修でiDeCoの仕組みについて教えてもらったりしていたので、職場環境にも恵まれたのかもしれません」

高山先生「普段は、どのようにして投資関連の情報を得ていますか?」

Jさん「新聞社や通信社が発信しているニュースをチェックしています。始めた当初は、FP3級のテキストも。投資のリスクや法的な仕組みなど、幅広い情報が載っていて、とても勉強になりました。金融庁のサイトも、投資の情報が詳しくて参考になります」

高山先生「ご両親と投資の話をすることはありますか?」

Jさん「投資の話はあまりしませんが、子どもの頃から『借金の連帯保証人にはならない』『リボ払いはしない』と教えられて育ちました」

高山先生「それは大切ですね。SNSで情報を得ることはありますか?」

Jさん「投資系の著名なインフルエンサーの方はたくさんいますが、私自身はあまり参考にしていないんです。投資は元本割れのリスクと隣合わせですし、『絶対に儲かる』と過信しすぎないくらいがちょうど良いと思っています

高山先生「素晴らしい考えですね」
高山先生のワンポイントアドバイス
▼高山先生のワンポイントアドバイス
・FPのテキストには、ライフプランや資産形成など、お金に関する知識全般が網羅されています。資格取得を目指している方はもちろん、お金の基本を学びたい方、これから投資を始めようと思っている方にもおすすめです。
・Jさんが話していた金融庁のサイトには、NISA特設ウエブサイトを始め、投資に関するさまざまな情報が掲載されています。いずれも中立的な立場に立ってわかりやすく解説してあるので、こちらも投資初心者におすすめの情報です。
▼つみたてNISAをもっと知りたい人に
つみたてNISAとは?

▼iDeCo関連記事はこちら
iDeCo(イデコ)って何? ~基本の運用方法をイラストで理解しよう~

TURNING
全米株式に集中投資。節約よりも節税重視で資産を増やす

全米株式に集中投資。節約よりも節税重視で資産を増やす
――つみたてNISAのポートフォリオを教えてください。

Jさん全米株式のインデックスファンドを3つ選んで、毎月33,333円ずつ積み立てています

高山先生「3本とも全米株式のインデックスファンドなのですね」

Jさん「日本株式のインデックスファンドよりもリターンが良かったので選んだのですが、分散したほうが良いでしょうか?」

高山先生「全米株式のインデックスファンドはとても人気ですが、アメリカに集中投資する分、リスクが高くなってしまいます。長期・積立・分散を実践することでリスクを抑えることができるので、全世界株式に連動するインデックスファンドなども検討してみるのがおすすめですよ

――日々の家計管理で工夫していることはありますか?

Jさん「家計管理は苦手で、家計簿アプリをたまにチェックしている程度です。節約も全然できていなくて、今実践できているのは節税くらい。歯列矯正で高額の医療費がかかったときには、確定申告をして医療費の控除を受けました」

高山先生「よく勉強なさっていますね。毎月の掛け金に応じて所得税や住民税が控除されるiDeCoも節税効果があるので、ぜひ実践してくださいね

Jさん「手続きが面倒で後回しにしていましたが、早速始めてみます!」
高山先生のワンポイントアドバイス
▼高山先生のワンポイントアドバイス
つみたてNISAは税制の優遇を受けられ、運用益が非課税です。対して、iDeCoは運用益が非課税であることに加えて、掛金が全額所得控除になるので、所得税、住民税を安くする効果もあります。投資初心者の方は、さまざまな税制優遇措置が受けられるつみたてNISAやiDeCoから始めると良いでしょう。
・このほか、ふるさと納税や医療費控除など、節税の方法がいくつかあります。例えば年間に10万円以上の医療費を支払った場合、医療費控除が適用されます
JさんのつみたてNISAポートフォリオ
Jさんの毎月の収入・支出
Jさんの金融資産

FUTURE
株式投資に不動産投資。人生100年時代を生き抜くための投資法は?

株式投資に不動産投資。人生100年時代を生き抜くための投資法は?
――今後のライフプランで考えていることはありますか。

Jさん「明確な目標はありませんが、生涯、趣味を楽しみたいと思っています。仕事で日商簿記3級の資格を取ったので、この知識を活かして株式投資にもチャレンジしてみたいです。それから今は実家暮らしですが、いずれは実家を出ることになると思います。思い切ってマンションを購入するのもアリかなと考えています」

高山先生「いろいろと考えていらっしゃいますね」

Jさん「資産価値の高いマンションを買って、老人ホームに入るときに売れば不動産投資になるかもしれないと思っていますが、まだイメージが漠然としていて……」

高山先生「今は人生100年時代という言葉があるくらいですし、長く生きることを想定した戦略が必要になってきます。マイホームを資産として活用するなら、売らずに賃貸に出す方法もありますよ」

Jさん「なるほど。勉強になります。いずれにしても、無理のない範囲で資産運用をして、資産を増やしていきたいですね」
高山先生のワンポイントアドバイス
▼高山先生のワンポイントアドバイス
2023年の税制改正で、NISAの制度が拡充される予定です。これまで以上に税制優遇の恩恵を受けやすくなったので、積極的に活用していきましょう。
・すでにつみたてNISAとiDeCoで満額積み立てている方の「次の投資先」としておすすめなのは、株式投資です。ただし、積立投資よりもリスクが高いので、少額からチャレンジしましょう。

高山先生のSUMMARY
自分にあった投資スタイルを選ぶことから始めよう!

今回お話を伺ったJさんは、投資の基本的な知識をしっかりおさえて、社会人になったタイミングで積立投資を始めました。「趣味にお金をかけている」「節約は苦手」と謙遜されていましたが、先取り貯蓄でつみたてNISAを満額積み立て、着実に資産を増やしていらっしゃいます。

投資に対して消極的になっている方のなかには、「すぐにお金を使っちゃうから私は無理」「投資に捻出できるお金がない」と思っていらっしゃる方も少なくないかもしれません。けれど、Jさんのように先取り貯蓄をすれば、趣味を楽しみながら資産運用をすることも十分に可能です。

投資のスタイルは人それぞれ。ご自身の性格や生活スタイル、ライフプランに合った投資法を選ぶことが、無理なく運用をしていく上で一番のポイントと言えるでしょう。

※2023年2月現在の情報です。今後、変更されることもありますのでご留意ください。

監修:高山 一恵

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