山あり谷あり!平成から学ぶ ツンデレ経済学山あり谷あり!
平成から学ぶ ツンデレ経済学

2019.3.6

#1 バブルからデフレへ

2019年4月30日をもって終わりを迎える平成。経済は、バブル絶頂期に始まり、バブルの崩壊、金融ビッグバン、ITバブル、小泉改革、いざなみ景気、リーマンショックなど、良い時期も悪い時期もあった山あり谷ありの時代でした。本シリーズでは、そんな「ツンデレ」ともいえる平成の経済について、AKB48を卒業して新しいスタートを切った竹内美宥さんと、証券アナリストの馬渕治好先生が、順を追って振り返り、新時代のヒントを探ります。

今回の撮影のテーマは、「平成からの卒業」。場所は、東京都内の元小学校です。竹内さんは、毎話、平成の一時代を彩ったファッションに身を包みます。第1話は、当時大流行したルーズソックスの女子高生ファッションです。

イケイケのバブル時代から、
一気にデフレ時代へ!?

わ~、この教室の感じ、懐かしいですね~。

いやいや、竹内さんなんて、まだ最近のことでしょ?(笑) その女子高生ファッション、教室になじんでますね。

ルーズソックス、実は私の時代にはもうなくて、初めてだから新鮮です!

平成ってどんなイメージですか?

カルチャーを女の子がつくっているってイメージがあります。このルーズソックスもそうですし、ファッションも、音楽も!

確かに、昭和にもクリエイティブな女性はいましたけど、平成になって女性の発信の場が増えたように感じますね。バンドブームに乗って、ガールズバンドの曲が大ヒットしたのも平成元年(1989年)でした。その頃はバブル経済がピークでした。

平成のはじまりって、まだバブル経済だったんですね。

平成元年の終わりに、株価は過去最高を記録したんです。でも、そこから下がりはじめてバブルがはじけ、価格競争のデフレ時代に突入しました。高いモノが売れなくなって、安い居酒屋が増えたり、オープン価格制度が導入されて家電量販店で価格競争が起きたり。あと、女子高生にポケベルが流行したんですが、それもビジネス用だったものが低価格化されて女子高生でも手に入るようになったからと言われています。

ポケベル……ですか。ケータイの前にみんなが使っていたものですよね!?

当時のポケベルは、電話番号などの数字のみ通知できたんです。だから、みんなは語呂合わせで「0833(おやすみ)」とか「114106(あいしてる)」とか、暗号のようなメッセージでコミュニケーションしていたんです。

なんだかステキですね。スマホでのコミュニケーションはすごく便利だけど、情報が多くて疲れている人も多いのかも。ポケベルのメッセージに思いを馳せていた時代に、ちょっと憧れます(笑)。

消費税導入!経済の悪影響は
限定的だった?

バブルがはじけた後は、どんなムードだったんですか? 急に消費が冷え込んで、モノの値段が下がっていったんですか?

株価のピークは平成元年(1989年)、地価のピークは平成3年(1991年)で、その後は急降下しました。でも、当時はみんな「そのうち戻るよね」と考えていたので、意外とムードは明るく、バブルっぽい雰囲気は数年続いていたんです。しかし、だんだん景気が悪くなって、平成7年(1995年)以降は物価が前年より下がることが多くなりました。企業のリストラが進んで失業率が上がり、「景気が悪くて将来が不安だから、安いものしか買えないよ」という人が増えていったんです。一方、そういう状況をチャンスと捉える企業も出てきて、良い物を安く提供して売り上げを伸ばしました。

日本で3%の消費税がスタートしたのも、確かこの頃ですよね。

平成元年ですね。日本はまだバブルっぽい雰囲気だったので、あまり影響はありませんでした。導入前にかけこみ需要があり、導入後も消費は少し落ち込みましたが、平均すると、とんとんといった感じですね。

ちょうど同じように新元号の元年である今年の秋、消費税が10%に上がるんですよね。

今の日本の景気は少し良くなって、失業率も下がっているのですが、まだ不安が残っている気がします。最近は、買い控えを避けるために、価格は同じまま中身を減らして実質的な値上げをする「シュリンクインフレーション」(シュリンク<縮む>+インフレーション<物価が上がる>)も起きています。10%への増税で値段が上がると売れ行きが悪くなり、消費が冷え込むかもしれないというのが私の考えです。

私は、最近バターがどんどん値上がりしているのを感じていて、買うのを少しためらうことも(笑)。どうかこれ以上、値段が上がりませんように! と願っています。

物価が下がるデフレって、悪いこと?
インフレにもリスクはある?

そもそも、デフレってモノの値段が下がることですよね? そう考えると、消費者にとってはうれしいという側面もあると思うのですが。

そうですね。デフレとは、物価が下がっていくこと。逆に、インフレとは、物価が上がっていくこと。確かに、デフレは単に物価が下がっている状態なので、正しい使い方をするなら、デフレ=不景気=悪ではないんです。ただ、デフレと不景気は、一緒にやってくることが多い。だから、景気が悪いこと=デフレと言う人もいるんですね。

デフレだと、買う側からするとうれしいのですが、企業などのモノやサービスを提供する側から見ると、デメリットも大きいということですよね。

はい、特にデフレスパイラルに陥るとやっかいなんです。ぐるぐる回って、2つの悪循環を引き起こすんです。1つは、モノの値段が下がってしまうと、企業が儲からない。儲からないから、リストラされたり、お給料が上がらずボーナスも減ってしまったり。そうなると、消費者は節約をして高いモノを買わない。すると企業は値下げするしかなくなり、儲からなくなるといった具合ですね。

まさに、らせん階段をどんどん降りていくようなイメージですね。

もう1つは、モノの値段が下がりはじめると、消費者は「もう少し待つともっと下がるでしょ」と思いはじめること。「デフレ期待」と言われています。消費者が今買うのをやめると売れ行きが悪くなり、企業は値下げせざるを得なくなる。そうすると消費者は「やっぱり下がった」となります。これもぐるぐる回って、一度デフレに入ると悪循環がいつまでも続く恐れがあるんです。

平成時代はデフレスパイラルに陥ったというのは聞いたことがありますが、そういうことだったんですね。

実は、お給料や物価が下がるデフレになっても、1つだけ減らないものがあるんです。何だか分かりますか?

え~、なんだろう……才能とか、努力した経験とか(笑)?

確かにそれもそうですね(笑)。でも、正解は、借金。例えば、デフレで給料や物価が10%下がったとしても、100万円の借金が90万円にならないですよね。だから、企業はお金を借りて設備投資をしようとしないし、消費者も家や車を買わない。前向きな気持ちをなくしちゃうのが、デフレの一番のデメリットだという人もいます。

なるほど。では、やっぱりインフレの方が良いんでしょうか?

インフレであれば、企業は売り上げが増えて、ビジネスを積極的に広げようというムードになります。企業が儲かるとお給料も増え、夢がふくらんで前向きな気持ちになる人が増えてくる。ただし、物価が上がると、持っているお金の価値が下がるというデメリットもあります。

確かに。100円で買えていたものが120円になると、100円の価値が下がっているということですよね。

その通り!それがわかってるって、なかなかすごいアイドルですね!

(#2につづく)

#1
競争が激しいからこそ、
本当の力がつくはず!

デフレ時代は企業にとってはつらいですが、工夫して安くて良いものを作って、結果、今になって世界で戦えている企業も多いと聞きました。
アイドルも一緒です。たぶん、かつてないほどアイドルの人数は多いと思います。かわいいだけでは生き残っていけない!でも、そんな厳しい状況で努力することで、芸能界で長く生き残れる本当の力が付くと思うんです!
アイドル+「何か」。私の場合は、それが音楽。曲を作ったり、好きな歌をカバーしてYouTubeで公開したり。今後も自分カラーをしっかりと出して、世界で挑戦したいと思っています!

竹内美宥(たけうち みゆ)

2009年からAKB48の9期研究生を経て、AKB48グループに加入。2018年にAKBグループを卒業。グループ卒業後は歌を中心に活動していくことを発表している。2014年に慶應義塾大学に入学。趣味はカメラ。特技は、ピアノ、歌、トランペット、ギター、作詞作曲、ダンス、いつでもどこでもハモること。

馬渕 治好(まぶち はるよし)

1981年東京大学理学部数学科卒。日興コーディアル証券国際市場分析部長を経て独立、現在ブーケ・ド・フルーレット代表。内外諸国の経済・政治・投資家動向を踏まえ、株式、債券、為替、主要な商品市場の分析を行なう。データや裏付け取材に基づく分析内容を、投資初心者にもわかりやすく解説することで定評がある。

竹内美宥(たけうち みゆ)

2009年からAKB48の9期研究生を経て、AKB48グループに加入。2018年にAKBグループを卒業。グループ卒業後は歌を中心に活動していくことを発表している。2014年に慶應義塾大学に入学。趣味はカメラ。特技は、ピアノ、歌、トランペット、ギター、作詞作曲、ダンス、いつでもどこでもハモること。

馬渕 治好(まぶち はるよし)

1981年東京大学理学部数学科卒。日興コーディアル証券国際市場分析部長を経て独立、現在ブーケ・ド・フルーレット代表。内外諸国の経済・政治・投資家動向を踏まえ、株式、債券、為替、主要な商品市場の分析を行なう。データや裏付け取材に基づく分析内容を、投資初心者にもわかりやすく解説することで定評がある。