山あり谷あり!平成から学ぶ ツンデレ経済学山あり谷あり!
平成から学ぶ ツンデレ経済学

2019.3.13

#2 金融ビッグバンとIT革命が起きた世紀末

2019年4月30日をもって終わりを迎える平成。経済は、バブル絶頂期に始まり、バブルの崩壊、金融ビッグバン、ITバブル、小泉改革、いざなみ景気、リーマンショックなど、良い時期も悪い時期もあった山あり谷ありの時代でした。本シリーズでは、そんな「ツンデレ」ともいえる平成の経済について、AKB48を卒業して新しいスタートを切った竹内美宥さんと、証券アナリストの馬渕治好先生が、順を追って振り返り、新時代のヒントを探ります。

今回の撮影のテーマは、「平成からの卒業」。場所は、東京都内の元小学校です。竹内さんは、毎話、平成の一時代を彩ったファッションに身を包みます。第2話は、1990年代後半の日本で一大ブームを巻き起こした厚底ブーツのアムラーファッションです。

ノストラダムスの大予言は外れ、ミレニアム景気が到来

今回の衣装の厚底ブーツ、また流行るといいな〜! これをはけば、みんな脚が長くみえます(笑)。

1990年代後半に流行ったアムラーファッション、とても似合っていますよ。当時は音楽業界が盛り上がっていて、100万枚超を売り上げるミリオンヒットが続出していたんです。

「今はコレ!」という音楽をみんなで聴いていたんですね。

そうですね。音楽のジャンルはたくさんありましたが、今ほど多様化は進んでいなかったかもしれません。当時は、コギャルと呼ばれるギャルカルチャーもブームで、チョベリグ(超ベリーグッド)、チョベリバ(超ベリーバッド)なんてギャル語も流行ったそうですが……竹内さんもまさか使っていたとか!?

ギャル語はさすがに使ってないですが、小学生の頃はギャル文字が流行っていました。今見ると全然読めないんですが(笑)。

私が青春時代を過ごした1970年代には、ノストラダムスの大予言が流行って「1999年7月に地球が滅亡する!?」なんて盛り上がりました。でも、実際の1999年にはあまり騒がれず、代わりにミレニアム(千年紀)ブームがありました。2000年に合わせて結婚や出産をするミレニアム婚やミレニアムベビーなんて言葉も生まれました。

最近も「平成最後の○○」って耳にしますよね。「平成最後」や「新元号」と聞くと、「何かやりたい!」という気分になります(笑)。私にとってもAKB48を卒業して、再出発の節目の年なので背中を押されている気がしますね。

金融ビッグバンとIT革命が、景気を刺激!?

バブルがはじけた当時、日本の景気は、どうだったんですか?

経済は低迷していました。そんななか平成8年(1996年)に日本版の金融ビッグバンがスタートしたんです。

“ビッグバン”って、すごいネーミングですよね。

ビッグバンは、宇宙がはじまったとされる大爆発。「それぐらい大きな大改革だ」という意味でイギリスが行っていた金融の制度改革を日本でも取り入れたんです。金融機関をバックアップして、日本経済を立て直そうという考えもありました。

学校で習ったのは覚えているんですが……金融ビッグバンで何が変わったんですか?

簡単に言うと、金融市場をフリー(自由)に、フェア(公正)に、グローバル(国際的)にするための制度改革が行われました。例えば、インターネットを介して株や投資信託の売買をしてもいいし、銀行が投資信託や外貨預金を扱ってもいい。金融ビッグバンで、より多くの金融機関を経由して、国境を越えた預金や投資をやりやすくなったわけです。

私の周りにも銀行で投資信託を持っている友だちがいますが、それも金融ビッグバンがあったからこそなんですね。

一方、その翌年の平成9年(1997年)11月は激動のひと月でした。三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券という3つの大きな金融機関がバタバタっと潰れたんです。

1ヵ月に3社も潰れるって、衝撃的です!

バブル経済後の経営悪化や不正などが原因ですが、「金融機関も潰れるんだ!」という意識が広がって「自分で考えて金融機関を選ばないといけない」という自己責任の気運が高まりました。

当時は、金融業界が大きく動いたんですね。

ちょうど同じ頃、IT業界も躍進していました。平成7年(1995年)頃は、日本が本格的なインターネット社会に突入した「インターネット元年」、平成13年(2001年)は、それまでの電話回線からADSLでのインターネット接続が主流になっていった「ブロードバンド元年」と言われています。

私は小中学生の頃、HTMLの言語でホームページを作って楽しんでいました! 文字だけのシンプルなサイトでしたが、「タイトルはピンク色がいい!」とかこだわって(笑)。

すごい進んだ小学生ですね(笑)! 少し前まではポケベルで暗号のようなメッセージを送っていたとは思えないほど、当時は世界的にITが急激に進化して、IT革命という言葉も流行しました。アメリカのベンチャー系の株式市場であるNASDAQでは、株価指数が10年間で15倍以上になったんです。実は日本でも小さなITバブルが起きましたが、ほとんどの人にとっては景気が良くなったという感じはあまりなかったかもしれません。

今、私たちアイドルにとっては、SNSや動画配信などを使って、創意工夫して発信していくのが当たり前になっていますが、それができるのもIT革命のおかげですね。

自己責任時代に知っておきたい、お金についての“自己責任”とは?

先ほど「金融機関が潰れて自己責任の気運が高まった」というお話でしたが、お金や投資についての自己責任って、どう捉えればいいんでしょうか?

「こういう株がおすすめです」と言われて買った株が値下がりしたら、「それは自己責任だ!」と言われる。こういう捉え方をしている人が多いのではないでしょうか。でも、責任と自由は表裏一体。自己責任時代には、責任を問われるとともに、自由もあるということですよね。

なるほど。私、最近思うんです。学生時代は、校則とかルールが多くて嫌でしたが、逆に、ある意味ラクだったのかもって。でもそれは、自由が少ない代わりに責任も少なかったからかもしれません。

でも、大人になると自己責任で選択する機会が増えていきますよね。例えば、就職先や結婚相手も、みんな自然に自己責任で選んでいるんです。自己責任=自分が生きたい人生をおくるために、メリットもデメリットも理解した上で、自分で選ぶこと。投資についても同じだと思うんです。

最近は私たちもSNSで発信する機会が増えて、自己責任についてよく考えます。ヘンな書き込みをしないようにするのも、自分をどうプロデュースするかも、自己責任。

そして、SNSを使わないという選択肢があっても良いわけです。使わないことのメリット・デメリットを知ったうえで「私はこの道を行く」ということですね。

投資については、メリット・デメリットを理解するのが難しそう……。投資信託をはじめた友だちを横目に、私は「もう少し勉強してから」って思っています。

老後の資産形成が目的で投資信託をはじめるなら、実は早くはじめて長く続けた方が良いんです。「投資は1から100まで勉強しないとできない」と思っている人が多いのですが、少しもったいないと感じています。

まさに私のことだ(笑)。

お金って、どんなカタチで持っていても、リスクはゼロではないんです。現金や銀行預金だって、インフレになれば実質的に目減りしますよね。

インフレで物価が上がっても、持っている現金や預金はほとんど増えないですもんね。

過去を見ても、世界的に人口は増え続けていて、多少の波はあるものの経済は全体的に成長しています。投資のメリット・デメリットを考えるときは、長期的な視点を持つことが大事です。

そして、もう1つは資産を分散して持つという視点。現金、預金、外貨預金、日本の株式や債券、海外の株式や債券……いろいろなカタチがあります。会社を1つずつ選んで株を買うとなると下調べも大変ですが、投資信託であれば、世界中の株式、債券などに分散できるファンドもあります。日本の株が下がっても、海外の株は上がっていればリスクを分散できますよね。

リスクを避けるための分散投資……そういえば大学で勉強しました!

それを知っているだけでも、すごいですよ! 安心できる投資の仕方として、長期かつ分散がポイントです。

(#3につづく)

#2
アイドルも自己責任の
裏に、
自由がある!

“自己責任”と聞くと責任ばかりに目が行きがちですが、責任は「自分が望む人生をおくるための自由の裏返し」という話を聞いて、目の前がパッと明るくなりました。
このタイミングでAKB48を卒業したことも自己責任。ただ、今後自分をどうプロデュースするか、その自由に対してのワクワクが大きいです。
お金と同じでアイドルを長く続けるなら、長期的なメリット・デメリットを踏まえたうえで、なりたい自分になるための戦略が必要だと思いました。私は、今、活動の場を韓国に広げたいと思っています。いろいろと調べたり、現地で感じたところだと、韓国でアイドルに挑戦するなら、ソロよりグループでの活動が重要だと考えています。夢に向けて、一つひとつ自由と責任ある選択をしていきたいですね!

竹内 美宥(たけうち みゆ)

2009年からAKB48の9期研究生を経て、AKB48グループに加入。2018年にAKBグループを卒業。グループ卒業後は歌を中心に活動していくことを発表している。2014年に慶應義塾大学に入学。趣味はカメラ。特技は、ピアノ、歌、トランペット、ギター、作詞作曲、ダンス、いつでもどこでもハモること。

馬渕 治好(まぶち はるよし)

1981年東京大学理学部数学科卒。日興コーディアル証券国際市場分析部長を経て独立、現在ブーケ・ド・フルーレット代表。内外諸国の経済・政治・投資家動向を踏まえ、株式、債券、為替、主要な商品市場の分析を行なう。データや裏付け取材に基づく分析内容を、投資初心者にもわかりやすく解説することで定評がある。

竹内 美宥(たけうち みゆ)

2009年からAKB48の9期研究生を経て、AKB48グループに加入。2018年にAKBグループを卒業。グループ卒業後は歌を中心に活動していくことを発表している。2014年に慶應義塾大学に入学。趣味はカメラ。特技は、ピアノ、歌、トランペット、ギター、作詞作曲、ダンス、いつでもどこでもハモること。

馬渕 治好(まぶち はるよし)

1981年東京大学理学部数学科卒。日興コーディアル証券国際市場分析部長を経て独立、現在ブーケ・ド・フルーレット代表。内外諸国の経済・政治・投資家動向を踏まえ、株式、債券、為替、主要な商品市場の分析を行なう。データや裏付け取材に基づく分析内容を、投資初心者にもわかりやすく解説することで定評がある。