山あり谷あり!平成から学ぶ ツンデレ経済学山あり谷あり!
平成から学ぶ ツンデレ経済学

2019.3.20
アイドル 竹内美宥×証券アナリスト 馬渕治好

#3 リーマン・ショックで世界が激震!? 新時代への教訓とは?

2019年4月30日をもって終わりを迎える平成。経済は、バブル絶頂期に始まり、バブルの崩壊、金融ビッグバン、ITバブル、小泉改革、いざなみ景気、リーマン・ショックなど、良い時期も悪い時期もあった山あり谷ありの時代でした。本シリーズでは、そんな「ツンデレ」ともいえる平成の経済について、AKB48を卒業して新しいスタートを切った竹内美宥さんと、証券アナリストの馬渕治好先生が、順を追って振り返り、新時代のヒントを探ります。

今回の撮影のテーマは、「平成からの卒業」。場所は、東京都内の元小学校です。竹内さんは、毎話、平成の一時代を彩ったファッションに身を包みます。第3話は、「Kawaii」文化を世界に広めた、原宿ポップカルチャー系ファッションです。

価値観の多様化で世界で活躍するニッポン人!

原宿ポップカルチャー系の衣装の竹内 美宥と笑う馬渕 治好の写真

今回の原宿系の衣装は、実は着たことがなくて。新しい自分に出会えました(笑)。

とてもよく似合っていますよ!ポップカルチャー系ファッションに代表される、いわゆる日本の「かわいい」は、世界的にとてもユニークで、「kawaii」という言葉が世界中で通じるようになりましたね。昭和の時代、日本は技術力で世界に進出していきましたが、平成は、日本独自に発達した文化が世界に認められた時代ともいえるかもしれません。

そうなんですね! ポップカルチャーはもちろん、和服、和食、和楽器など、日本が誇る文化はたくさんありますよね。私も日本人として世界に広めていきたいな。

また、平成は世界の舞台で活躍する日本のスポーツ選手も育ててきました。例えば、サッカー。2002年には日韓で行われた世界的なサッカーの大会で、初のベスト16まで進出して日本中が沸きに沸きましたが、その前後から欧州のトップリーグに挑戦する選手が増えました。

サッカーに限らず、最近は海外を拠点にプレイする選手も増えていますが、その覚悟と勇気がかっこいいですよね!

近年、子供の学力が低下しているなどと言われることもありますが、学校の勉強という1つの物差しではなく、様々な選択肢を許容できるようになったことも平成の特徴かもしれません。そういった風土が新しいカルチャーを生み出し、スポーツでも海外で活躍する選手を育てたのかもしれませんね。

私もどんどん海外に行きたい派です(笑)。行って肌で感じれば、その経験もオリジナリティになると思うので!

いざなみ景気直後に、まさかのリーマン・ショック!

原宿ポップカルチャー系の衣装で着席する竹内 美宥の写真

2000年代に入った日本の景気は、どんな感じだったんですか?

2001年に小泉純一郎さんが総理大臣になって、2006年まで「小泉内閣」が続いたんですが、経済政策のスローガンに掲げたのが「聖域なき構造改革」。一番話題になったのが郵政事業を民間企業にしようという「郵政民営化」ですね。

スローガンが、手加減ない感じですね。景気は良くなったんでしょうか?

デフレっぽい感じはあったのですが、2002年から2007年まではゆるやかに景気が回復したとされていて、「いざなみ景気」という名前もついています。景気を計る1つの物差しである「企業の操業度」も上がり、企業の設備も増強されつつあったんです……2008年のリーマン・ショック直前までは。

ああ、リーマン・ショック! 聞いたことあります!

リーマン・ブラザーズというアメリカの大手証券会社が潰れたことで、世界的に大騒ぎになったんです。

リーマンって、サラリーマンじゃなくて、証券会社の名前だったんですね(笑)。

当時アメリカでは住宅バブルが起きていて、低所得で住宅ローン返済の信用度が低い人にも、どんどんお金を貸していたんです。それが、サブプライムローンです。地価や住宅価格も上がっていたため、もし返済できなくなっても、その住宅を売れば回収できだろうと。ところが、住宅バブルがはじけて地価や住宅価格が暴落し、回収できなくなっちゃった。

アメリカの住宅バブルの崩壊が、どうして世界にも影響したんですか?

少し込み入った話ですが、サブプライムローンで「ローンの証券化」が行われ、その証券を投資家に買ってもらっていたんです。ローンを返してもらう権利を売買するイメージです。そうしてできた証券は、転売したり、他の証券とセットにして、別の名前の証券にしたりできます。その結果、多くの投資家が知らないうちにサブプライムローン入りの金融商品を手にすることになります。そして、金融市場はグローバルにつながっているので、世界中の投資家にいき渡ることになりました。そして、いざサブプライムローンが危ないとなったとき、「私が持っている証券は大丈夫なの?」「早く売らなきゃ!」と世界中の投資家が不安になり、大騒ぎが起きた。さらに、その影響でリーマン・ブラザーズが破たんすると、「ほかの金融機関も潰れるかもしれない」とパニックが広がったんです。

2008年にそんなことが……! 私は当時中学1年生で、AKB48に入る1年前。自分のことで頭がいっぱいでした(笑)。

当然です(笑)。当時、日本の投資家はあまりサブプライムローン関連の金融商品を持っていなかったので直接の打撃は小さかったものの、やはり世界の経済が混乱した影響で、景気が大きく落ち込んでいたんですよ。世界中に悪いことが一気に広がってしまうのは、グローバル化の弱点の1つですね。

外の影響を受けないために、自分の国のなかで経済を回すという視点も大事なのでしょうか?

いい質問ですね! 日本が今のように輸出に頼っていると、他の国の景気の影響は避けられません。どうすれば国内の消費が上がり景気が良くなるか日本政府が知恵を絞っているのですが、なかなか妙案がないのが現状なんです。

間もなく新元号! 心得ておきたい資産運用の考え方とは?

資産運用について話を聞く竹内 美宥の写真

リーマン・ショック後は、世界的な不況がしばらく続いたんですか?

2008年の秋にリーマン・ブラザーズが破綻して、2009年の経済成長は世界全体で見ると縮小しました。ただ2010年には、経済成長が拡大して景気は持ち直したんです。「100年に一度の大不況が来た」とか「世界は地獄に落ちる」と言った人もいたと思いますが、実はそうでもなかった。

最近は、日本の景気も良くなっているんですか?

今の日本の景気は、ぼちぼち拡大しています。バブル時代に比べると「すごく景気が良い」という感じはないですが、新卒者の就職率も上がり、パートやアルバイトの時給も上がっていますね。

平成は、経済でもグローバル化が進んだ時代だと学びましたが、これからの新しい時代にお金について心得ておくと良いことはありますか?

グローバルに経済がつながる時代は、リーマン・ショックのような「○○ショック」が、いつ世界で起きるかわかりません。でも、一番大切なのは「慌てないこと」です。

慌てない?

はい、投資の世界には、「ステイ・イン・ザ・マーケット」という格言があります。一度、株式や投資信託を持ったら、手放してはいけないということです。短期的な波はあるものの、長い流れで見れば世界経済は発展していくはずだから。下がったときに売れば損をするけれど、持ち続けていればまた上がるかもしれない。

前回、投資のリスクを避けるために分散の視点も大事だというお話を伺いましたが、それはデフレ時代でもインフレ時代でも、変わらないですか?

例えば、デフレが100年続くなら、預金や債券を持っていた方が良いです。デフレの時には「借金は減らない」という話をしましたが、預金は銀行に、国債は国に、お金を貸しているということ。貸している側のお金は減りません。

一方、インフレのときは、企業の利益が増えます。株式投資は、その会社のオーナーになってその会社の利益を得ること。だから、インフレの時は株が良いことが多いんです。逆に、物価が上がるので相対的に預金の価値は下がってしまいます。

ただ、今後、インフレになるか、デフレになるか、それは誰にもわからないですよね(笑)。だからやはり、いろいろなカタチでバランス良く持っておくことが大事。インフレ気味になったりデフレ気味になったり、波があったとしてもリスクを分散できます。また、いろいろな国にも分散しておけば、景気が悪くなる国もあれば、良くなる国もあり、リスクを下げることができます。

インフレのときも、デフレのときも、長期・分散がリスクを下げる基本になるんですね。なんだか投資が少し身近に感じられるようになりました。

僕は、投資は日常の一部になればいいと思っているんです。朝、歯を磨くような感覚で、投資もできるといいなと(笑)。「習うより、慣れろ」の気持ちで、少額から積み立てられる投資信託などからはじめてみるのも手です。

なるほど! ところで、今回は平成を振り返りながら、景気や投資のお話を伺ってきましたけど、馬渕さんにとって平成はどんな時代でした?

私は、いろいろな芽を育てるための準備期間だったと思っています。「失われた20年」なんて言葉があるように、バブルがはじけて暗いイメージを持つ人が多いかもしれませんが、一方ではIT革命が起き、新しい企業が出てきたり、小さな企業や個人でも、世界に打って出ることができるようになってきた。今はまさに、次の時代に高く跳ぶために、しゃがんで準備しているところだと思います。

私は、それこそ「ゆとり世代」と言われ(笑)のびのびと過ごしてきましたが、今の便利な暮らしがあるのも、山あり谷ありの平成時代があったからこそだと勉強になりました!

原宿ポップカルチャー系の衣装の竹内 美宥の写真

#3
いろいろ挑戦することが、
アイドルとしてのリスクヘッジ!

いろいろな国や資産に分散して投資することが投資のリスクを下げると聞いて、「アイドルの活動でも同じだ!」と気づきました。
新しいことにチャレンジするときは、ドキドキするし、失敗するリスクもあります。でも、同じことを続けてマンネリ化することもアイドルにとってはリスク。逆にいろいろなことに挑戦して、たくさんの芸や知識、そして経験を身につければ、そのリスクが減らせるのかも? って改めて思いました。AKB48を卒業して、これから失敗もあるかもしれませんが、成功だってあるはず! だから私は自分の夢に向けてチャレンジすることを選びたい。幸せを自分の手でつかめる女性になれるよう、新元号の幕開けとともにがんばっていきます!

竹内 美宥(たけうち みゆ)

竹内 美宥(たけうち みゆ)

2009年からAKB48の9期研究生を経て、AKB48グループに加入。2018年にAKBグループを卒業。グループ卒業後は歌を中心に活動していくことを発表している。2014年に慶應義塾大学に入学。趣味はカメラ。特技は、ピアノ、歌、トランペット、ギター、作詞作曲、ダンス、いつでもどこでもハモること。

馬渕 治好(まぶち はるよし)

馬渕 治好(まぶち はるよし)

1981年東京大学理学部数学科卒。日興コーディアル証券国際市場分析部長を経て独立、現在ブーケ・ド・フルーレット代表。内外諸国の経済・政治・投資家動向を踏まえ、株式、債券、為替、主要な商品市場の分析を行なう。データや裏付け取材に基づく分析内容を、投資初心者にもわかりやすく解説することで定評がある。

竹内 美宥(たけうち みゆ)

竹内 美宥(たけうち みゆ)

2009年からAKB48の9期研究生を経て、AKB48グループに加入。2018年にAKBグループを卒業。グループ卒業後は歌を中心に活動していくことを発表している。2014年に慶應義塾大学に入学。趣味はカメラ。特技は、ピアノ、歌、トランペット、ギター、作詞作曲、ダンス、いつでもどこでもハモること。

馬渕 治好(まぶち はるよし)

馬渕 治好(まぶち はるよし)

1981年東京大学理学部数学科卒。日興コーディアル証券国際市場分析部長を経て独立、現在ブーケ・ド・フルーレット代表。内外諸国の経済・政治・投資家動向を踏まえ、株式、債券、為替、主要な商品市場の分析を行なう。データや裏付け取材に基づく分析内容を、投資初心者にもわかりやすく解説することで定評がある。